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大統領の演説に品格、威厳、道徳があった時代
戦後の歴代大統領の中で、トランプほど品格や倫理の無い、下品かつ、不道徳な事を言う大統領はいない。ではトランプ以前はどうだったのか。
トランプと比較する良い例の録音が残っている。ちょっと昔の録音だが、第35代大統領ジョン・F・ケネディと第37代大統領リチャード・ニクソンとの討論会、及び第39代大統領ジミー・カーターと第40代大統領ロナルド・レーガンとの討論会である。
自分の主張を滔々と語り、また巧みに相手の主張を論破する様子は、正に言葉のボクシングと言われる所以だ。双方とも相手の言うことをきちんと聞く、騎士道精神に則っている。
最も演説が上手いのはレーガンである。さすが俳優やラジオアナウンサーをやっていただけの事はある。しかし、最も情熱的で感動するのは、ケネディの大統領就任演説である。
後のブッシュ親子、クリント、オバマ、バイデンも含めて、歴代の大統領になる人は、演説に品格と威厳があり、聴衆に語りかけ、琴線に触れる言葉を並べる。
彼らに比べトランプは、同じ言葉と単純な言い回しを何回も繰り返す(語彙力が極めて乏しい)。また、何の根拠もない流言飛語、例へば「オハイオ州スプリングフィールドのハイチ移民が、住民のペットの犬や猫を食べている。」
あるいは、外国製品に関税をかけ米国内製造業を守り、移民の流入を壁で阻止し不法移民を国外追放し、それで米国民が苦しむインフレを無くす、等・・・と経済学的に全くデタラメ政策を並べ立てる。討論会も小学生の言い争いの並の幼稚さで、人の話も効かず自分の主張を喚き散らす。
そして決め台詞は、トランプが司会をしていたテレビ番組「The Apprentice (見習い、弟子)」で、最後に言うYou're fired. (お前はクビだ)。また、前回の大統領時代も繰り返したAmerica First (恐らくMe Firstのつもりだろう)である。
一国の首長たる大統領が、汚い三Bの言葉(暴言、妄言、謗言)を吐く度に、聴衆(共和党支持者)から歓声が上がる。彼らは一体どんな人々なのだろう。
次回はトランプ支持者の核心的心情について考察しよう。