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古くて新しい技術の備忘録

最初に
地球誕生からの45億年を暦にすると、恐竜の出現は12月13日頃になるらしい。人類の出現は大晦日、12月31日の10時40分辺りだ。そして何と、23時59分47秒に西暦が始まる。残りの13秒に、人類の中世及び近代文明から現代まで、全てが凝縮されている。電脳コンピュータ史などハチの羽ばたきの一回分も無いくらい僅かな時間だろう。とは言え、人には長い年月である。

電脳で命令技巧プログラミングをする様になって、色々知識を得たが、この世界は余りにも進歩が速い。洪水のように、次から次へと新しい事が湧き出る。それらを忘れないために、今回、電脳AI関連の備忘録を付ける事にした。

古くて新しい技術
昨今、電脳生成AIが世界に衝撃を与えているが、AIの研究は意外と古い。その基礎技術である神経電網(ニューラル・ネットワーク)の原型を最初に提唱したのは、 McCullochとPittsで1943年の事であった。何と80年前である。生まれてない人の方が多い。現在の電脳(量子電脳以外)の概念をノイマンが示したのは1945年なので、電脳(有形具ハード)と神経電網(無形具ソフト)は、ほぼ同時に発展し始めたと言える。

神経電網は、生物(特に人)の脳の神経回路を模している。以下は模式図的神経電網。

但し、この時の神経電網(無形具ソフト)は概念で、実際に電脳に積んで使うものでは無かった。神経電網の研究は60年代に一度下火になった。何故なら、電脳に必要不可欠の論理回路の一つ(NOT OR)が、神経電網では実現できない事が数学的に証明されてしまったからである。しかし、懲りない諦めな研究者達の御蔭で、80年代には現在のAIに繋がる学習機能が開発された。それでも商用利用は一部に限れられ、多くは研究室止まりであった。

2010年位から、株価の予想、タクシーが乗客を拾う場所探索、ホテルの動的宿泊費の算定、やがて医療画像診断、土地家屋算定、農場作物の健康診断、自動運転等、数々の応用が生まれた。最後に、真打ちの言語生成AI(ChatGPT)が、今年(2023)始めに登場した。これについては、「AIの回答を鵜呑みにするな」で私見を述べた。

電脳命令技巧プログラミングをしない人も、AIを記述するのに使われる言語、Python(パイソン)の名を耳にした人も多いと思う(たぶん)。多くのAI無形具ソフトはPythonで書かれている。AIは近年急に普及したが、Pythonは比較的古い言語で、登場したのは1991年であった。

PythonはAIに使われているから優れ物と言う訳ではない。電脳言語は、その目的によって長短があり、今まで開発された電脳言語は優に100を超えるだろう。Pythonは大学や研究所で長い歴史があるので、数式に強く特に行列の扱いにけている。AIの基礎技術である神経電網は、数字の処理は行列で行う。どの言語でも数字が扱えれば行列が扱える。しかし、記述するのに簡便なのはPythonだろう。これが今AIでPythonが持てはやされる理由だ。

以下は、DOS, Unix, Linux, Windows等のOSで使われる代表的な言語と登場年代である。

I:
機械語(もうこれで電脳命令集プラグラムを書く人、書ける人いないと思う)

II:
アセンブラ
FORTRAN 1954年
C言語 1972年
C++ 1983年

III:
BASIC 1964年
Pythonは1991年
Java 1996年

以上。

次回は神経電網(ニューラル・ネットワーク)について

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