きみがおよめに行った一日にっき
推しの結婚はそもそも経験しないと感覚が掴めないというのが持論で、異性として全く見ていなかった俳優の推しが結婚した時、それはもう落ち込んで落ち込んで仕方なかったという昔話から教訓を得てる。
AM 10:00
友達とLINEしながら職場に向かっていて、まさに会社の玄関に踏み込もうとした瞬間受信されたメッセージ。
?る、???????????????????
真っ先に思ったのは祝福より先に「私が知ってる人だよね!?」だったけどどうやら私の知っている方で安心。おめでとう…そろそろなのかな、何て思いながら過ごしていたけどとうとう…そうか…そんな…そうか…(語彙)ととりあえずパニックになりながら出勤。始業時間まで彼女の結婚報告Twitterを眺める。仲がいい後輩とシフトがズレていたので一人で耐えるしかない。ポーカーフェイスを極めながらデスクの掃除に励む。デスクが汚くて絶望する。
友人が昨夜「Pさんおめでとー!」と呟いていた真相を知る。知らんとこで推しの結婚流出してたの笑う。
AM 11:00
じわじわと実感しながら彼女との思い出に浸る(仕事をしながら)
彼女は私が初めて三次元のアイドルとして推した人で、正直言うと私の好みに全くかすらない方である。私の同性のタイプは今の時代に似合わない言葉でいうと大和撫子のような、さだまさしの歌詞に出てくるみたいな「男の後ろをついてくる女性」のような前時代によしとされていたステレオタイプの女性なので、推しのようにアイドルグループにいながらへそピアスを開けてボンテージで地面に膝をついて絶唱するタイプではない。でもタイプじゃないからことフラットに推せたのかなあと思いながらエクセルを見つめる。
彼女に関しては何で推しになったのか覚えていないのだけど、初めて握手したあの日、握力が強すぎて手が砕かれそうになったことを思い出して一人で笑って虚無になる。あの時はもう確実に好きだった。
PM 0:00
お昼休憩。ソシャゲのイベントを走らなければならないのにそれどころではない。オートで回しながらぼーっとする、祝福の気持ちはあるものの突然寂しさに襲われて人型ウサギになってしまった。死にそう。
ソシャゲのランキングは1万位くらい下がってた。
PM 2:00
久しぶりに手紙を書こうとレターセットをネットで漁る(※仕事中)。「ブライダル レターセット」で検索すると花嫁の挙式用のメッセージカードがヌーの群れみたいに襲ってきて崖から突き落とされて突進されて死んだ。祝福9割1割寂しさ。1割がどんどん暴れ出すので封じ込める。最後に手紙を書いたのは彼女が三谷幸喜の舞台に出た時だったか。
元アイドルということで前役と比べられたり馬鹿にされていたりしたのに、そんな人間を全員芝居力でぶん殴ってノックアウトさせたの気持ちが良かった。アイドルを卒業して闘う場所をステージから板の上に変えた彼女はめちゃくちゃカッコよかった。光ってた。眩しかった。ある意味、私の中で彼女は別の意味でのアイドルだった。彼女は、とても正しくて真っ直ぐの人なのでいつも手紙を出すことさえ躊躇っていたのだが舞台が終わった後、PARCO劇場から走ってロフトに向かった。緑色のレターセットを買ったっけ。そういえば前別の舞台で花嫁役をやっていたこと思い出して若干泣きそうになる。コーヒーの量が増える。
PM 4:30
会議に出ると上司に「あの子結婚したよね?好きじゃなかったっけ?」と聞かれて「好きだよばかやろ〜〜〜〜〜〜〜〜」と答える(※上司)
私のフォロワーだと多分耳にタコが出来るほど聞いているエピソードだと思うけど、私のドルオタ人生において転機のような言葉を彼女がくれたことがある。
アイドルを卒業してすぐのバースデーイベントだったか。彼女にサプライズでお花とケーキを贈ることになった。オタクのバラバラのハッピーバースデーを聞いて彼女は泣いていた。「私、みんなの顔が見えるから舞台(女優)を選んだんだ」と泣きながら言っていた。今では舞台はもちろんドラマや映画にも引っ張りだこだ。でもこんな綺麗な言葉を紡げる人を推せてることに感動して泣いた。隣のおじさんも泣いてた。みんな泣いてて面白いイベントだった。
その時、握手会で残忍な事件が起きてから世が接触を控える風潮だったのに「アイドル時代から大切にしてきたから」とお見送りは握手だった。相変わらず握力はめちゃくちゃ強かった。
PM 7:00
退勤。何気なくインスタのストーリーを見ると、旧友からのコメントに丁寧に言葉を返していた。帰宅して、今日は寝巻きは彼女の生誕Tにしようと引っ張り出したら今の私と同い年のものだった。
何かと誤解されやすい、とても生真面目という面では自担に通ずるものを持っている彼女が一人の僧侶を選んだことが急に嬉しくなった。ボロボロの生誕Tを抱きしめたくなった。女の幸せが結婚だけだと思ってはいないが、いろんな苦労を外野からそっと見守っていたので一つの幸せの形を見つけたんだなと思うとちょっと泣きそうだった。
友達から「おめでとう」とメッセージが来ていたので「すごい嬉しいけどちょっと寂しい」と返すと「少しでもおめでとうがあるならそれはおめでとうだよ」と言ってくれた。その後に「私にとって林くんがそれ…」ときてちょっと笑った。林くんもおめでとう。
正直自担はジャニーズの中でも突然結婚しそうリストに入っているため、もし遠い未來(近かったらウケる)、彼がパートナーを見つけた時はこれを読み返そうと思う。彼女は同性アイドル部門第一位の女だから。
すごく人間らしい人だ。機嫌が顔に出やすいなって思うし、かっこいい大人のお姉さんみたいな風貌をしているのに中身は誰よりも乙女だ。曲がったことが大嫌いで正義感の塊、そんな彼女のことを昔から今でもずっと尊敬している。タイプも違うし、きっと一緒のクラスだったら仲良くなれないなと思うけど、だからこそオタクとアイドルとして出会えてよかった。去年取材されていた結婚雑誌で「結婚する時はプロポーズは自分からしたい」と言ってたけどどうだったのかな(笑)
世界中で一番大好きな女の子、結婚おめでとう。たくさん苦労したんだから誰よりも幸せになってね!大好きだ!やべ、書きながら普通に泣きそうになってるキモオタでした。泣いてる。