キャッチボールしてぇよ
理解と共感は違うなという備忘録。
キスマイがデビューして、しばらく途絶えていた4人にもソロが出来てから数年が経って、時は2019年。また新しいソロ曲を7人全員が歌えることになった。著名アーティストとのコラボが今回の売りらしい。
横尾くんは誰を選ぶのだろう。どんな歌を歌うのかな。はじめてのソロはお弁当の曲だったな、タイトルが出た時みんな泣きながらおかしくて爆笑した。弁当て。NHKもびっくりして逃げ出すセーフティーさ。視聴開始と同時に仕事場のトイレに駆け込んで泣きながら聴いたっけ。もう懐かしいな~。
最初はすごく心配だったり激情したりしたけど、二回目以降は穏やかな気持ちだろうなと予想していたのが当たった。私は横尾くんのことになると徳光さん並みの感受性の豊さになるけど今回はびっくりするくらい落ち着いていた。
「キャッチボールをしよう」
横尾くんの2個目のソロ曲のタイトル。彼がずっと好き好き言ってたフォークデュオビリケンさんに提供をしてもらうことに。視聴もはじまった。
120%横尾渉濃縮還元みたいな曲。自らの父に向けた愛の歌で、ビリケンさんが作詞してくださったあったかい歌詞は横尾くんが考えたのでは?ってくらいぴったりだった。きちんと温度が伝わる曲。好きだなあ。やっぱわたるだな。ひとりの家族へ捧げる曲を東京ドームで披露するアイドルが私の人生には性に合ってる。
でも自分でも不思議だった、いつもは泣いて笑って怒って自律神経が乱れているのに(それがおかしいんだろ)キャッチボールを聴いてるとなんだかふわふわとした嬉しさと同じくらいのさみしさが心の中でころころと動いていた。なんでだろう。こんなに横尾くんにぴったりの曲なのに。なんでさみしいんだろうか。
ライブがはじまって、横尾くんはオレンジのスカジャンを着て丁寧に作りこむように歌う。手汗による手の震えを抑えるようにしっかりとマイクを握り、まるで毎会場お父様が見に来ているかのように、上の方を見て歌っていた。意外と長いまつ毛が揺れて綺麗。
キャッチボールは、結構他担から褒められることが多くて「横尾さんすごく歌がうまくなった!」「わたるらしいまっすぐな曲だったね」なんて私に言ってくれる友達も多かった。嬉しい~好きな人が愛されてるとうれしいね。
当の私は初日に入ったにも関わらず、ぼーっと突っ立って彼のパフォーマンスを見ていた。全然つまらないわけじゃなくて、ただどういう気持ちで見たらいいのかよく分からない。どう気持ちを運ばせたらいいかちょっとわからなくなった。最初は横尾くんに飽きた!?と思ったけど初っ端のポップアップで腰抜かしたりしているから絶対そんなことはない…。ファイアビの裾掴んで踊ってる姿みてビーバーみたいな声出してるんだからそんなわけないだろ…だってこんなに好きだもん…たぶん好きメーターで測ったらメーター壊れるくらい好きだ…。
ただ、ソロになるとこんな感じになっちゃってた。こんなこと初めてでキャッチボールの上手い見方を模索しているようなツアー期間だったな。さみしいしもったいない使い方をしてしまったとちょっと反省している。
ツイッターでもお話してますが、私は横尾くんに関係する事柄全てにやきもちを焼くのでどうせ横パパに嫉妬してんだろうな…ということで気持ちをまとめた。いや、この気持ちは今でもあるよ!!!!!!あ~~~~~悔しい~~~~~くっそ~~~~~~横尾くんのパパになりて~!!!!!!(性別の凌駕)
地獄。
でも父の日のレポを見て何となくずっと迷子だった自分の気持ちが分かった。
曲中に「みなさん家に帰ったら、お父さんに「ありがとう」って言ってくださいね。」とほほ笑んだ横尾くん。
実に私の気持ちは単純、理解はしてたけど共感はしてなかったってだけだった。なんだよ~そんなシンプルなことだったのか…。いや別に私が家庭で愛されないで育ったわけでは全然ないし愛してないわけではない、むしろ甘やかされすぎ。私は家に帰ったらママに爪を切ってもらってるからな、ここはドン引きポイントなのでみんな引いてください。
でも共感の歌ではなかったって、わかっただけでも儲けもんだった。
良い家で愛されて育った横尾くん。犬たちとお兄ちゃんとお母さんとそれからお父さんの話、みんなの話をファンにも聞かせてくれる。
「みなさん家に帰ったら、お父さんに「ありがとう」って言ってくださいね。」
この言葉の、何と残酷な光りかたよ。だから横尾くんってアイドルなんだ。宝物みたいに育てられた男の子だから、こんな素敵な歌を歌おうと思うんだね。やっぱり横尾くんは私と何もかも違ってめちゃくちゃ面白いな。横尾くんの家族になってみたいってさっき言ったけど、でも今世は一生他人でいいや。
これが常識で当たり前の世界に生きてきた男の子を推せることって、素晴らしいことだ。愛されて育った子を愛してるの最高。
事務所の父が亡くなったあとのコンサート、空に指を掲げて歌ってた。その姿を見てちゃんと「キャッチボールをしよう」を自分の中で完結できた…感じた。
実に慈悲深く、少し残酷なほどの愛を持つ自担にぴったりの素晴らしい曲でした。
というのを楽曲大賞のコメントを見て思い出しました。
実にあのキャッチボール鑑賞タイムはもったいないなあと思うけど、いい勉強になったかな?こういうリアルテイストの曲は今後も歌いそうだし、自分と彼のオタクとしての心の距離感も今度はバシっと見極めて応援したいな。
横尾くんはいつも大切なことを気づかせてくれるね、ありがとう。
今年の父の日は、墓参りに行こうと思う。