初めて貰った感想の記憶
個人サイト時代の話
とあるサイトの管理者様との思い出
私が携帯を手に入れた頃は個人サイトが割と盛んでした。で、私も一時期サイトを運営していました。リゼで。
巷では学生の時分に立てたサイトは黒歴史扱いされがちですが、私としては楽しかったし良い思い出だなあと思っています。しかしまあ、そのサイトは諸々あって閉鎖してしまったのですが。
キリリク消化しきれず誠に申し訳ありませんでした。
私が当時いたのはとあるゲームの二次創作畑でした。今振り返ると、割とマイナーなCPやコンビ、シチュエーションばかりを書いていた気がします。
そこでとあるサイトさんに出会いました。
投稿数が多く、内容のバラエティも豊か。更新もハイペース。
そして何より、どの作品も面白い。そこの管理人様は、キャラ萌えとかそういうものを除いてもぐっと読ませる文章力と構成力をお持ちでした。
憧れでした。こんな風になれたら格好いいな、と思いました。
結局今でも、あの方のようなスタイルの活動は一切出来ていません。自分の性質的に無理でした。
けど、あの頃の憧憬はよく覚えています。
ある時、私はサイトの○○hit記念として作品リクエストを募集しました。個人サイトの慣習(?)に則っただけで、リクなんて来るわけないだろうと正直思っていました、
ですが。一件だけ、メッセージが届き。
それだけでも嬉しかったのに。HN欄を見て、息が止まりました。嘘だと思いました。それは、件の、憧れの、あのサイトの管理人様からのものだったのです。
心が躍りました。舞い上がりました。震えました。何度も何度も見返しました。
依頼は『キャラAとBとCの戦闘シーンが見たい』というものでした。私は小説でもアクションや戦闘の場面が好きで、ぽつぽつそういうのを書いていたのです。
書きました。パッションを全て叩き込むように、でも全力で丁寧に。悩んで、悩んで、でも楽しくって仕方ありませんでした。
私の作品が誰かに欲されるなんて初めてだったのです。
作品掲載後、その方からお礼が届きました。
そこには、『面白かった』『あなたの書く作品を前々からよく読んでいた』『あなたに作品をお願い出来てよかった』という旨が書かれていました。更にその作品はその方のサイトにも掲載されました。
『面白い』と言っていただけて嬉しかったし安心もした。憧れの方と交流を持てたのも喜びだった。
でもそれら以上に。 "私の産む作品" が好きだという事が、 ”私” に期待してリクエストしたのだという事が言外に示されているようで。そんなの思い上がりかもしれないけれど、でももう嬉しくって仕方なかった。言葉を噛み締める度に涙が溢れてくるような衝動で心臓を貫かれたのです。
これが、私の最古の 『感想』の記憶です。
いただいた感想の中から『一番嬉しかった感想』を選ぶ事は出来ません。どれも有難い唯一無二の言葉だから。
ですが、今迄に感想を下さった他の方々には大変申し訳ないのですが、『一番記憶に残っている感想』は間違いなくあの時あの方から贈られたメッセージなのです。
もう10年以上経った今でも、フューチャーフォンの小さな画面越しに受けた衝撃は私の心の根底に大切に飾られています。