「新幹線死傷、虐待殺人の容疑者らの生い立ちが知りたい」は悪か。否。ただ「マスコミがやるべきか」というと…

カンニング竹山氏の、アエラの記事。

人間は興味で生きる生き物だし、それに興味を持つことは悪いことではない。
やや長い引用だが

>マスコミは家庭の事情とか病気とか複雑なことがあると掘り下げずに終わってしまうけど、個人的にはそれは違うと思う。確かにプライバシーとか人権の問題はあるけど、こういう人間が起こす事件を何回繰り返せばいいんだろう。加害者が精神の病気や心身の障害を抱えていることもあるけど、その状況にある人みなが事件を起こすわけじゃない。そこに至るまでに何があったのか、家庭環境とか幼いころの周りの大人の関わり方とかをちゃんと報道するべきだし、それが視聴者への注意喚起にもなると思うんですよ。幼いころにそういう兆候が見えたときに身内を含め、周りの大人はどう対処していくのかとか、そこがちゃんと知りたい

視聴者への注意喚起に資する情報を発信するのは結構なことだと思う。が、残念ながら今の報道風バラエティー番組は、
>「マスコミは家庭の事情とか病気とか複雑なことがあると掘り下げずに終わってしまうけど」
が、時に
「マスコミは家庭の事情とか病気とかを、時におもしろおかしく、時にステレオタイプに報じただけで終わってしまうけど」
なのである。すべての報道がそうだ、とはいわないが。

たとえばーーーーーー憶えている方がどれだけいるだろうか、大阪、河内長野で10年ほど前にあった「自殺サイト殺人事件」。

ウィキペディアにもあるのだが、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%AE%BA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

実は、判決文が裁判所のホームページで公開されている。(PDF。本件は死刑判決が出た後弁護士が控訴したが、被告が取り下げたため、地裁の死刑判決が確定判決となり、判決から2年後に執行されている)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/567/034567_hanrei.pdf

そして、そこでは犯人(逮捕時36歳)が小学校時代から窒息している人をみて性的興奮を覚えていること、中学校以降はさらに白色スクールソックスフェチであったことが、「事実認定」として記録されている。

ほんとかどうかよくわからん報道なんかよりはよっぽど、事実に当たれるのである。加害者の家族にねちねち取材して事実をほじくり返すのが、常にマスコミが適任かどうかはわからない。なんなら公費で行われる裁判に任せたほうがよいのでは、というお話。
裁判、(被告人が未成年者でなければ)公開されてるんですから。

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