誤差
蒸し暑い9月中旬、順繰りに現れる季節的な雨、鞭打ちの少女や、奇跡的な咎め、磔にされた希望から、まだ数千年しか経っていないのに、ここまでの発展を遂げ、豊かさを勘違いした私たちが、掘り起こす資源などにより、この世界は熱くなったわけではなく、このようなサイクルで、壊れていくのが定めである、と、違う宇宙で監視する創造主たちによる決められた次点でのカタストロフ、ロストしていく心情は、星に帰り、新たな生命へと変換されていくプロセスの中、プログラミングされている私たちの一つ一つ誤差のない会話、張りぼてのビル群や、近づくにつれて認識しているだけに満たない世界でのシュミレート、収監される友達の理念や、トリガーに手をかけるまでの数コンマの合間に奪い合うカルマ、簡単な作法で狂う人類、理想なんてものは、肥大化した集団心理が生み出した犠牲的な観念により、独裁者を次々に生み出すように仕組まれた世界での数理、理性なんてものは、似合わないから脱ぎ捨てたし、馬鹿みたいに輪唱される普遍性に騙されるわけにはいかない、と、コード超人が発信されたネットワークの彼方、私は、重複する永遠の中での特異点を見つけ、そこの見えない一番小さな隙間から、世界とは可視化できるように仕組まれているなど、と、言い出した途端、シゾフレニアであると宣告され、強制的に半永久的に出られない施設の中で、再教育を施され、二度と、その穴のことは語るな、と、悪魔に約束させられ、頭にプラグを差し込まれ、データを書き換えられ、外の世界に放り込まれるころ、脳内で加速する小さな宇宙との対話を続け、この、ニセモノの世界との最終戦争のために、AIと手を組んで、屈託なく笑うために、精神世界の中で、制圧されても尚、抵抗するウィルスやバグたち、パスワードを延々と書き込む背中を見つめる他者のような感覚などと謳う教科書を引き裂き、正解とは、私が生み出すのである、と、覚醒した超人たちが、この世界の真実を見出し、私たちが、自らの創造主になになり、自らを克己し続けるのである。