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なぜ仕事を辞めたのか〜前職について

前職に就いたのは、ちょうど30歳。

始めは、正社員採用ではなかったけれど、仕事やどんな理念を持った会社なのか、条件よりもそこに重きを置いて選んだ。

最後は離れることになったけれど、それでも前職を選んだことに後悔はない。この10年間、辛かったこともたくさんあったが、よかったと思えることもあったから。

例えば、価値観。整理整頓からインテリア、ものづくりについて、、直接的ではないが前職を通して、学び考え直すきっかけになった。流行りで安価に手に入るが、すぐ使えなくなるものよりも、美しく価値のあるものを長く使いたいという考えに変化していったのは、前職の影響だ。この10年の間で、日々使うもの、口に入れるものなどの選び方は大きく変わった。

そして、何より仕事に愛着があった。だから10年間続けられたんだなと思う。

初めての正社員

正社員になったのは入社して3年後。正社員になるための試験などはなく、経験や働きぶりを見られて声がかかるという仕組みだった。周りに20代が多い中、30歳未経験からのスタートで、いつ正社員になれるのか不安や焦りもあったから、声がかかった時は、本当に嬉しかった。生まれて初めての名刺を手にしたときの喜び。20代のフリーター時代、正社員になる事は私にとってハードルが高いと感じていた。だから、やっと社会の一員になれたような気がした。

激動の10年間

30代の10年間は激動だった。

仕事面では、昇格とともに正社員になって、数年後、部署を希望で異動して(他部署だったためポジション的に降格になり給与も下がった)、そこからまた頑張って最終的には役職に就くことができた。

プライベートでも色々な事があった。当時付き合っていた彼(夫)との同棲生活、夫の原因不明の体調不良から病気が判明し2ヶ月の入院、退院、そして結婚、、、

私たち夫婦には、子どもがいない。これからも夫と2人で生きていくと思う。そのことについては、いずれまた書きたいと思う。

仕事もプライベートも色々ある中で、その2つの折り合いを付けるのは難しかった。夫とは生活がすれ違うこともあり、その度喧嘩もたくさんした。でも、仕事をステップアップしていく喜びや楽しさ、収入も増えて夫と旅行に行ったり、美味しいものを食べたり、楽しい経験もいっぱいできた。入社して出会った先輩や同僚、後輩は、尊敬できる人たちが多かった。そんな人と一緒に働けた経験は、私の仕事人生の中で大切なことだったと思える。

好きな仕事を辞める

悩みはあるものの、仕事や会社が好きだとずっと思っていた。でも、ある日から「もしかしたら違うかも、、」と感じるようになった。

ちょっと恋愛に似ていて、好きで夢中になっているときはよかったが、「あれ?」って思うことが増えてくると、だんだん気持ちが冷めていく、、そんな感じだ。

引っかかる気持ちが増えていった

仕事への「恋は盲目時代」が終わって、社歴が長くなるにつれて、「あれ?」と思うことが増えていった。

人手が足りない

中小企業で女性が圧倒的に多い職場。女性職場だから、妊娠して産休に入る人や育休明けの人が多くいた。また、妊娠中はつわりがひどくて長期で休んだり、お子さんの具合が悪くてお休みしたり。働く女性に対して理解はある方ではあったから、そういった理由の休みやすさはあったと思う。

でも、休みになる時は、その人の持つ業務を残りのいる人でやらなくてはならない。通常でもギリギリの人数で業務にあたるという体制だったから、1人でも休むと業務量がけっこう増える。

私の部署はほぼ半分が育休明けの人だった。元からいた人が産育休をとって復帰するだけではなく、他部署から育休明けに異動してきた人もいた。他の部署は1人とかだったのを見ると、なぜ偏った人員の配置をしたのだろうと思ってしまう。

お子さんの事や妊娠中の体調は仕方ないことだ。何かあって休むのはお互い様だ。けれど、長い休みが重なり、一時的に私1人で業務を行うという時は辛かった。慢性的に私のいた部署は誰かの休みが続いていた。人手が足りないことを訴えても、それが改善することはなかった。

傷ついた一言

中小企業で、社長のワンマン。社長はカリスマ性があり、考えや理念に共感できることもあったが、打ち合わせなどでパーソナルな部分を否定されているように感じる言葉を言われることが度々あった。決して悪気があるわけではないのだろうが、そこが無神経でもあった。私はその言葉に傷ついた。だけど、その後にたまにいい事を言ったり、優しい事を言ったりするから、自分が過敏に受け取りすぎなのかなどと思ってしまう。

それでも、その言葉は傷として残り、だんだん顔を合わせるのが嫌だ、顔を合わせたら、またあの思いをするのではないか、という恐れを持つようになっていた。

上司のこと

社員はいい人が多かったが、決断力のある上司がいなかった。社長のワンマンが原因でもあるが。その日の機嫌によって態度が異なる人、社長のいいなりな人、、会議では話を建設的にできず、問題があったときに、今後どのようにしていくのかという解決への前向きな議論より、感情的になったり、攻撃的になったり、精神論や自己反省するような方向へ行ってしまうことも多かった。でも、そういう時に立て直せる人は誰もいなかった。誰もが自分に矛先が向くのが嫌だから。ずるずるとドツボにはまっていく重苦しい空気。そんな私も何も言えなかった1人だ。

あれ?が重なっていく

ここ数年、急な休みで人が足りなくて残業が続いたり、その度に業務分担を考え直したり、社長や上司の言葉や態度に傷ついたり腹が立ったり、、私がやってるのは、いったい仕事なんだろうかと思うようになった。

同僚たちの休みの連絡が来ると気持ちが暗くなったり、誰かのご懐妊や出産はおめでたいことだけど、そんな気持ちになれなくなったり、会議や社長と打ち合わせなどがある日は気持ちが憂鬱になったり、、

そういう悩みがだんだんバカらしくなった。私は甘いのだろうか?多かれ少なかれ、皆、こういう悩みを抱えながら仕事をしているものだとも思う。でも、「皆そうだから。」という理由を使うのはやめよう。私はどう思うかで決めたい。

今私がこの仕事をしているのは、意地だったり執着の方が好きという気持ちより大きくなっているんだ。なら、手放そう。もう、よくがんばった。

私は辞めたいから辞める。

そう思って、私は決意した。



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