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意思決定のためのリソースを増やし続けることがミッション。「やりたいことがありすぎる」と語るデータサイエンティストの野望とやりがい

MF KESSAIの様々なメンバーにインタビューをするこの企画。今回は、MF KESSAIで1人目のデータサイエンティストとして活躍する山内さんにお話を伺いました。

Profile
山内健太 Kenta Yamauchi

データサイエンティスト。中央大学 理工学研究科 経営システム工学専攻 2016年3月修了。新卒では金融機関向けデータ分析コンサルティング企業へ入社し、コンサルタントとして金融機関向けのローン審査モデル構築・運用やマーケティング支援などのデータ分析コンサルに従事。2019年8月、MF KESSAI株式会社入社。与信モデルの構築やダッシュボード管理等、社内の意思決定に関わるデータ分析全般を担当。またデータサイエンティスト協会で養成講座の講師や学生向け冊子の作成などにも携わる。
奈良若草山 鹿せんべいとばし大会タイトルホルダー(2017年ゴールデンウィーク大会優勝、2020年山焼き記念大会優勝)。2017年は参加2回目にして柵の外までせんべいをとばし、超大記録で優勝を果たす。

父の影響で金融工学を学び、新卒の就職でデータ分析に出会う

― 鹿せんべいとばし大会(※Profile参照)って何ですか?!めっちゃ強いじゃないですか!

山内健太(以下、山内):鹿せんべいを投げて遠くまで飛ばす大会です。たまたま遠くに飛ばす才能があったみたいで。

― なんで、また...?

山内:社会人2年目、25歳という節目を迎えた時に「私もいい大人なのに、周りに対して誇れるものが無いなぁ...」と急にコンプレックスを抱き始めたんですよね。それで、世界一になれそうなものを探し始めたら偶然見つけまして。出てみたら2回目で優勝してしまいました。

― 人の才能は意外なところにあるものですね。ということで、山内さんです。よろしくお願いします。

山内:よろしくお願いします。

― まず、学生時代は金融工学を学ばれていたということですが、興味を持ったきっかけは何かあったんですか?

山内:はい、父親が金融系の企業に勤めていたので、自然と金融というテーマについて触れる機会があり、それで興味を持ちました。

さらに金融に対しては漠然と文系っぽいイメージを持っていたのですが、その中でも数学的アプローチをしている金融工学という分野があることを知りました。自身が理系だったこともあって面白そうだと感じたので、それが学べる環境を選びました。

― 1社目も金融機関向けのデータ分析コンサルティングということで、学生時代の勉強を活かすかたちでの就職だったのでしょうか。

山内:実はそうでは無いんですよ。大学院で学んでいたのは金融工学(主にデリバティブのプライシング理論)や保険数理だったのですが、この知識が活きるとしたら証券会社や保険会社です。そういった企業も就活当時見てはいたのですが、なんとなくピンと来なくて。

そんな中で前職の会社の方々と出会ったのですが、データ分析についてとても楽しそうに話していたんですよね。さらに少人数の組織なのに博士卒の数学博士みたいな人が何人かいたりして「こういう凄い人達が楽しそうに働いている会社ということは、良い会社なんだろう」という気持ちにもなりました。

それに当時は新卒でデータ分析の会社に入れるパスもあまり無かったので、「これは、いい環境なんじゃないか?」と思い、入社することにしました。なのでモデル構築もデータ分析も、就職してから初めて触れたんですよ。

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<鹿せんべい飛ばし大会2020年優勝時の写真>

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<鹿せんべいを飛ばす瞬間の図。本物の鹿見切れてない?>

データ分析にオーナーシップを持てる環境を求め転職

― そうだったんですね。そこからMF KESSAIに転職した理由は何だったんでしょうか?

山内:丸3年働いて、区切りみたいな感覚もありました。あと前職はコンサルティング企業だったので、扱うデータはクライアントのデータで、当然ですが自分がしたいと思った分析が出来るとも限らず、クライアントの要望に即したデータ分析にならざるをえなかったんですよね。

なので事業会社のように自社でデータを持っていて、「そのデータを使って何をするのか?」というところから自分たちで決められる環境で、かつデータを使った意思決定に理解がある人がいる環境に行きたいなと考えるようになりました。

― なるほど。その中で、MF KESSAIの第一印象はいかがでしたか?

山内:前職でのクレジットスコアリングの経験・知識を活かせるポジションでしたので、ある程度はやれそうなイメージはすぐに出来ました。

また面談をしてくれたのが、今もデータ分析で関わっている丸橋さん(創業メンバー/エンジニア及びプロダクトオーナー的ポジション)だったのですが、話を聞いているとソフトウェアエンジニアのキャリアがっつりのはずなのに、なぜかデータ分析の深い話まですることができて驚いたのを覚えています。恐らく独学でキャッチアップされていると思うのですが、すごいなと。

そして面談の帰りに電車の中で彼のことを調べてみたら、自分と同い年で、しかも超凄い人であることが分かったんですよね(笑)。同世代でこういう人がいることに刺激を受けましたし、一緒に働いてみたいなと率直に思いました。

― ほぼ入社の決め手みたいな話でしたね(笑)

山内:そうですね(笑)

社外のデータすらも使い、ビジネスサイドと一緒にモデルを成長させていくのが面白い

― 現在は、主にどういった業務に取り組んでいますか?

山内:社内では”Data Forward”ってチーム名?プロジェクト名?で呼ばれているのですが、社内に蓄積されたデータを用いて、意思決定に必要なデータ分析全般を担当しています。

今は特に与信モデル構築のウェイトが高いです。他にはダッシュボードの管理もしていて、どういう数字を、どう出すべきか?という検討をしていたり、グロースハック的な部分も見ています。

現在はリソースの関係であんまり関われていないのですが、プロダクト開発側やマーケティング、督促業務などにも価値提供できる部分がたくさんあると思っているし、やりたいこともあるので、いつか取り組みたいですね。

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― 特に面白さを感じる部分はどういうところでしょうか?

山内:与信モデルの構築は、データサイエンティストの主観だけではなく、実際に与信審査を担っているメンバーなどの目でも見てもらって、実際の審査に即したものを作らないといけません。そうやって常にビジネスサイドとやりとりをしがなら、一緒に成長させていくところは面白いですね。

あとは「今まではこうやって審査をしていたけど、それって本当に正しかったのだろうか?」ということも過去のデータから検証することができるので、それをふまえてモデルに修正を加えていくことにも取り組んでいます。「今まで当たり前だったことを疑って、もう一度調べなおしてみる」というのが一番大事だと思っていて、それで審査精度が改善できればシンプルに価値を提供できたことになります。そうでなくても結果として新しい発見があったりもするので面白いですね。

― データサイエンティストとして、MF KESSAIならではの環境や考え方と感じるものは何かありますか?

山内:外部のデータも使っていこうとするところですかね。必要であればデータの購入もします。普通は内部の今あるデータだけを使っていくことが多いと思うので、大きな違いを感じました。

分析すること自体が目的ではなく、意思決定をするためのリソースを増やしていくことを重要視しているので、「そのために必要なデータは何なのか」という思考に自然となるからだと思います。ちなみに「このデータ要らなかったね」とならないように購入の意思決定そのものにも自分が関与していくのも新鮮です。

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<審査担当チームとは特に頻繁にコミュニケーションを取る>

新しいもの好きウェルカム!一緒に実務で先端手法をガンガン試したい

― 直近で取り組みたいことや、それに向けた課題などあれば教えてください。

山内:まずはチームメンバーが欲しいです・・・・・・。やりたいことがたくさんあるので。

― なるほど(頑張ります)、どういう人物像なんでしょう?

山内:いくつかイメージがあります。

1つ目が「データ基盤エンジニア」というタイプの方。分析をするためのデータを蓄積・整備していく環境づくりにコミットして頂くイメージですね。今はどうしてもデータ整備に一部リソースが割かれてしまって分析に使える時間を圧迫している状況なので、専任で担当してくれる人がいると嬉しいです。

2つ目は、機械学習モデルを実際に運用していく知見がある方。MLOpsと言われる領域ですが、私が今やれているのは与信モデルを作るところまでなので、それを実際に審査業務などで実運用して、その結果をふまえて改善し、また実運用で検証する、というライフサイクルを回していくような人のイメージです。
現在は丸橋さんがここを担っているのですが、豊富な知見で推進してくれる方が1人いると心強いですね。

最後は、もう一人のデータサイエンティスト。これはやれることが増えるという側面もありますし、Data Forwardチームとしてのレビュー体制をより充実させたい、という側面もあります。

― なるほど。色々と可能性が感じられますが、今後特に取り組みたいテーマなどありますか?

山内:個人的にやりたいと思っていることは、まだ触れていないデータを有効活用していくことですね。

アイデアは色々あるんです。データ界隈って毎月のように先端的な手法が出てきているので、そういうものを当社のデータに当てはめて、ガンガン運用にのせていきたいですね。もちろんその手法が使えないこともあるはずですが、それはそれで「使えない」という知見になりますし、まずはやってみないことには始まりません。出来そうなことは片っ端から試していきたいですね。

ちなみにですが、こういった領域は大学/大学院で勉強されている学生の方にも、インターンとして入社してもらって一緒にやれたら楽しいなと思います。

― 面白そうですね。ぜひ募集しましょう!山内さんから見て、MF KESSAIにはどういう人が合いそうですか?

山内:新しいもの好きですかね。新しいものが出た時に「試してみるか!」とフットワーク軽く言える人は合うと思います。

毎月新しいトピックが出てくるので、逆にそういうものに興味を持ち続けてキャッチアップ出来る人でないと厳しいという話もありますが、MF KESSAIではそういう新しいことを実務でガンガン試していくことができるので、とても楽しいと思います。

― 以前、フロントエンドエンジニアの井原さんにインタビューした時も「新しい技術をどんどん試せる」と言ってましたね。

山内:トップの篠原さん(取締役CTO)や丸橋さんが新しいもの好きですしね。Goが出やすいんですよね。

― なるほど、確かにそうですね(笑)。本日はお話ありがとうございました!

インタビュー・執筆
井上 玲 Rei Inoue

MF KESSAI人事。大学生時代、研究地だった北海道は釧路で、エゾ鹿を轢きそうになったことがある。