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暗譜(歌)

いつも何かしら覚えなければいけない曲はあるけれど、リサイタル前となるとその量が凄まじい。

他の人はどうやって暗譜しているのだろう、とよく思うので、私の方法を書いてみようと思う。

歌が器楽と大きく違うのが、言葉、つまり詩があること。なので、歌の暗譜というと、まず歌詞を覚えるということが大仕事になる。

外国語の場合はとにかく意味をとらえること。知らない単語をなくす。辞書がなくても最近なら翻訳アプリを駆使しすればなんとか一語一語の意味に辿り着ける。意味を知らない言葉は簡単に忘れたり、入れ替わったりするもの。

そして出来ればだいたいの文法を把握すること。接続法がどうしたとか、そんなことまで分からなかったとしても、これが主語、動詞、前置詞、冠詞...くらいのことは分かっておきたい。

急がば回れ。丸暗記するより定着率が高く、また、文法を分かって歌うということは音楽の流れそのものにもつながる。

切羽詰まると、口の中でブツブツ繰り返して唱えて覚えたくなるものだが、少し危険。ブツブツ言っているうちに、自分に都合のいいカタカナ発音に置き換わっていることがある。必ず口腔内や唇の感覚と共に覚えたい。

感情。感情とともに覚えたものは忘れにくいと言われる。ジェスチャーゲームさながらのジェスチャーも有効。

そして....歌詞だけを覚えて満足しがちな我々歌い手だが、伴奏パートや、曲のアナリーゼも込みで覚えたいもの。(言うは易し。)ここまで出来れば暗譜だけでなく音楽的にもよいものができるはず。「暗記しました」だけの歌は歌ってはいけない。

要するにあの手この手で覚えるのだ。

確かな暗譜は呼吸の安定につながる。つまり発声に影響があるということ。そしてあやふやな暗譜なら、潔く楽譜を見るほうがずっといいことを付け加えておく。

計画的に、どうぞ。(自分に言ってる。)

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