BaaSの市場規模とMambu社の実力🦾
BaaS(Banking as a Service)
「Banking as a Service」は、「サービスとしてのバンキング」という意味。BaaSと略される。BaaSとは、IT業界における「SaaS(Software as a Service)」のように、銀行が提供する機能やサービスを「クラウドサービス」としてAPIを介して提供することを指す。BaaSを活用することで、銀行以外の事業者もさまざまな機能やサービスを提供できるようになる。
銀行系ソフトウェア市場の規模
銀行系ソフトウェア市場の規模は1000億ドル(約10兆4000億円)を超え、2桁台の成長率で拡大し続いている市場 下図は世界のフィンテック企業
Mambu社(マンブー)の概要
設立
2011年 CEOのEugene Danilkis氏(ユジーン・ダニルキス)がベルリンを拠点にMambu社(マンブー)を設立
企業理念
レガシーなコア・バンキング・ソフトウェアに代わるものとして、Mambuは革新的なチャネルを介して、消費者および中小企業向けの新しい銀行商品の市場投入までの時間をわずかなコストで短縮することを約束します
企業形態
金融機関に対して、API (アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を介して融資や預金などの銀行商品を強化するテクノロジーを提供
具体的にいえば、クラウドベースのソフトウェアプラットフォームを通じて、金融機関がテクノロジーを駆使した新商品を迅速かつ効率的に立ち上げることを支援している企業になります
世界展開
Mambuは、ベルリン(本社)、アムステルダム、シンガポール、ロンドン、イアチェイ、マイアミ、シドニー、ドレスデンに支店をもつまでに。
現在は従業員280名だが、近々、約560人に倍増させるとのこと
Mambuは、3回の資金調達ラウンドで約5,000万米ドルを調達したとTorres-Caballero氏は述べています。2019年2月には、サンフランシスコに拠点を置くPE企業Bessemer Venture Partnersが主導するシリーズCラウンドで3,000万ユーロを調達したと報じられている
また、ミュンヘンを拠点とするActon Capital Partners、カリフォルニア州パロアルトを拠点とするRuna Capital、ベルリンを拠点とするPoint Nine Capital、ドイツの金融機関Commerzbankのコーポレートベンチャーキャピタル部門であるCommerzVenturesが資本参加していることも報じられました。
たった10年で世界展開…すごい成長スピードです。
成長率もさる事ながら、投資ファンドからの資金調達も凄まじい額です。それだけ魅力的な企業なのでしょう。
収益に関しては、今後2年間で収益を4倍にすることを目指しているそうです。
末恐ろしや…
企業規模
現在は、ドイツ以外にもフランス、コロンビア、メキシコ、ナイジェリア、フィリピン等、世界55カ国で、伝統的な銀行やチャレンジャーバンクを含む200社以上のマイクロファイナンス組織に採用されました。100万以上のアカウントに上記サービスを提供
代表的な顧客として、大手銀行のサンタンデールやABN Amro、通信会社のオレンジ、スペース、フィンテックのN26やオークノース、日本のNTTデータも顧客の一つです。
Mambuの成長戦略
ブラジル、メキシコ、米国を最重要市場とする米州地域は、Mambu社の総売上高の約30%を占めている
次の市場ターゲット
イスラム金融市場と南米、特定のアジア圏へ
Mambuはイスラム金融市場を虎視眈々と狙っています。イスラム金融市場は急速に成長しています。
この分野の総資産は近年2兆ドルを超え、2023年には3.8兆ドルに達すると予想されています。
イスラム教徒の若い消費者の半数以上が、イスラム銀行がもっと身近になれば導入→現在は参入障壁あり
マレーシアは、アジア太平洋地域のイスラム金融の中心地と言われており、銀行の貸出・融資総額に占めるイスラム金融の普及率は39.9%(2020年6月現在、Bank Negara Malaysia)マレーシアの人口の約60%がイスラム教徒であり、この割合は2050年には72%になると予測
マレーシアでは、デジタルバンキングはまだ初期段階にありますが、まもなく急速な成長と革新を遂げようとしています。Bank Negara Malaysiaは現在、2022年から提供される可能性のある5つのデジタルバンキングライセンスに対する29件の申請中
Eugene Danilkis氏(ユジーン・ダニルキス)は「世界で19億人のイスラム教徒が十分なサービスを受けていない中、イスラム銀行と従来型銀行の両方が、現代の消費者のためにコンプライアンスに準拠したソリューションを提供する大きな機会があることは明らかであり、ミレニアル世代やZ世代の若い消費者のニーズや期待に応えることが、アジア太平洋地域のイスラム金融業界に最終的な変革をもたらすことが明らかになった」と述べた
今後の米国へのIPO示唆
2年後のニューヨーク上場を目指しているとMambu幹部が語り、米州担当マネージングディレクターのEdgardo Torres-Caballeroは、Mambuは18~24ヵ月後に新規株式公開(IPO)を予定していると述べています。
めゆかのパパ主観とまとめ
IPOしたら間違いなく人気になる企業だと思います。
Stripeといい、Mambuといい、成長スピードが著しいフィンテック企業にますます目が離せない展開になってきました。
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