日没する国
日出づる国といえば日本の美称ですが、日没する処という語源を持つ国があるそうです。
隋書には「日出づる処の天子が書を日没する処の天子に致す」と書かれていますが、現在の中国は文化の中心地にある国という意味ですので日没する処という意味ではもちろんありません。
日は東から昇り、西に没する
当たり前のことですが日は西に没するため、昔の人も西側にある土地を日の没する処と名付けました。地中海世界やヨーロッパでは15世紀ごろまで南北アメリカ大陸の再発見がなされていなかったため、当時最も西にあたる場所はスペイン/ポルトガルのあるイベリア半島やアフリカ北西部、モロッコのあるあたりでした。
そんな中で日没する処という名前が付けられたのはモロッコです。モロッコはアラビア語のmaghrebに由来するのですが、これは動詞で(日が)没するの意味です。
アフリカ最西端
日没する国はモロッコでしたが、アフリカ最西端は別にあります。アフリカ"大陸"の最西端はセネガルにあるヴェルデ岬(Cabo Verde)です。ポルトガル語で緑の岬を意味し、航海で長い砂漠が続く中ようやく見つけた緑あふれる土地だったことに由来するそうです。既に勘付いている方もおられるかと思いますが、アフリカ最西端は別にあり、それがカーボベルデ共和国にあるサント・アンタン島にあります。お察しの通りカーボベルデ共和国の名前は対岸にあたるセネガル領Cabo Verdeに由来するものです。