【MeWSS論文コラム】 2024年12月31日

 今日は今年の最後の日です。
 MeWSSは、医学を中心とした英語論文執筆のサポートをするサービス事業で、2023年1月に始めました。
 2024年は毎週必ずひとつコラムを公開することと決めて、今回をもって無事完遂となります。ひとつでも読んでくださったみなさまに心より感謝申し上げます。
 MeWSSの仕事では、どんな小さいことでも新しい発見があったのなら論文にしましょう!と常に言い続けていて、今年はケースレポートもいくつかお手伝いさせていただきました。
 高いIFの雑誌に掲載されている論文をみると、多くの国が参加した数百人規模の臨床試験などが目につきます。
 日本の一つの病院で得られたデータだけで何か言う論文など、誰もみてくれないのではと思われるかもしれません。
 日本は研究者に対して優しくない国です。論文を書いてもあまりいいことがないかもしれません。それでも、日々勉強を重ね、目の前の患者さんのために考え抜いた質の高い医療のことを世界中に公表することだけでも、自己満足以上の価値は絶対にあります。
 米国ならこういう治療法が選べるのに日本ではできない、といった制約もあります。でもその制約がゆえに発達してきた治療法があるはずです。その結果はその治療法を選ばざるを得ない国でしか得られず、さらにそのような国は他にもあります。日本からの情報が有益である国は世界にたくさんあるのです。

 外国の人と話をするときに、日本はこういうところがいいんだよと紹介できるところはどこでしょう?科学技術の国という言葉を聞くことがありますが、医療にしても科学にしても、論文が出ていれば簡単に説明できます。
 学会でたまたま来日していた外国の方に、自分が何をしているのか説明したいとき、スマホを開いてこれが最近の論文だよ、と見せれば、そこから話が進んでいくかもしれません。多施設共同研究のような大きなプロジェクトは、必ずしも製薬企業と太いパイプを持った人にしか縁があるわけではありません。海外との人脈を広げることが何かのきっかけになることもあります。
 ご自分の手持ちの研究テーマやその結果が論文になるかどうか判らないときは、一度MeWSSにご相談ください。どうやったら論文にしていけるか、一緒に考えましょう。

 最後に情報を一つ。
 新しく創刊された雑誌はアクセプトされやすいことがあります。
今年と昨年中に新創刊されたOpen Accessの医学系ジャーナル、特に高IFジャーナルの姉妹紙を挙げてもらいたいと、Chat GPTに頼みました。

2023年

  • The Lancet Regional Health – Western Pacific

  • BMJ Oncology

  • JAMA Network Open Pediatrics

  • Nature Cardiovascular Research

  • Frontiers in Digital Health – Mental Health

2024年

  • Clinical Neuroimaging

 それぞれ個別にみてみると、2023年の分は実際にその年に創刊されたわけではないようでした。BMJ Oncologyは2022年発刊を宣言した後、初めてのOriginal Articleは2023年3月に掲載されています。Nature CRは2022年創刊、IF9.4です。
 JAMA Network Openは、2018年に発刊されたfull OAジャーナルで、すでに色々な分野がありますが、そこにPediatricsが追加されたということのようです。IFは10以上ありAcceptance Rateは14%ととかなり狭き門ですが、小児科で挑戦してみてもいいかもしれません。
 Clinical Neuroimagingは本当に2024年に新しく創刊された雑誌です。the American Society of Neuroimagingの公式ジャーナルということです。発表していない画像データがあるのなら、まとめてみるいい機会かもしれません。

https://onlinelibrary.wiley.com/journal/28373219

 2025年、いつもとちょっと違う年の始まりとして、まずは一つ論文を書き始めませんか?
 もし途中で止まっている原稿があるのならぜひ進めてみましょう。ひとつ投稿まで進めることができたら、その先にきっと違う世界が広がります。

 皆さんにとって良い年になりますように。心よりお祈り申し上げます。
来年も書き続けますので、どうぞよろしくお願いいたします。