5個上の先輩が書いた文集の聖地巡礼。
私が、小学一年生だった時。
小6で、可愛がってくれた女性の先輩がいた。
学校でもメイクをちょっとしてきていて、
少しませている可愛らしい先輩だ。
住んでる地域も違ったので、
学校でしか合わなかったが、
何かと可愛がってもらっていた。
そんな先輩が卒業する時期に、
文集が配られた。
全校生徒が書いた作文が全部載っている文集だ。
先輩の文章も読んでみた。
修学旅行で鎌倉へ行った思い出を書いていた。イラスト付きで。
一大イベントだからか、
他の小6の生徒もたくさん書いていた。
その先輩の文章だけはいまだに覚えている。
書いていたのは、小町通りでの出来事。
コーン付きのはちみつソフトを食べていて
ボタっと、一滴、底から落としたこと。
絶対に食べたかった鎌倉コロッケを食べたこと。
小1だったから、わからない漢字もあっただろうが、
その先輩の文章だけは何度も読んだ。
とても読んでいて面白かったのだ。
だから、鎌倉へ行く修学旅行がとても楽しみだった。
憧れだった。
だが、途中で転校してしまい
私は行くことができなかった。
だから鎌倉への憧れは人一倍ある。
そんな思いを馳せて、ようやく訪れた鎌倉。
はちみつソフトは
コーン付きのものより、カップに入ったものの方が主流になっていた。
はちみつソフトのお店は本店が熊本らしく、
全国の観光地に展開しているお店で、
鎌倉の名産ではないらしい。
とてもおいしかったけど。
鎌倉コロッケは
小町通りを3往復くらいしてようやく見つけた。
熱々でおいしかった。
店主の方は何万人という修学旅行生をみてきたんだろうと思うほど、
次から次へといろんな人買っていっていた。
今回見た小町通りは、
小6の先輩が見た小町通りとは変わっているところもたくさんあるだろう。
でも、同じ道を歩いて、
多分同じお店で食べた。
先輩の過去と私の現在がつながった気がする。
たくさんの人が訪れた鎌倉は
私にとっては
憧れの先輩が訪れた聖地でもある。
映画やドラマのロケ地の聖地巡礼だけでなく、
こんな形もあるんだなぁ。
先輩が卒業して以来、
先輩とは会ったことがない。
連絡先も知らない。
名前ももう出てこない。
先輩は、元気にしてるだろうか。
わからないけど、一つだけ伝えたいことがある。
先輩の文章は、何十年先も覚えている人がいるほど面白いです。