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平安末期『簾中抄(れんちゅうしょう)』に記された二進法

 前の投稿で、江戸時代に書かれた『勘者御伽雙紙』の中にある桜目付字のトリックは、二進法を利用していると書きました。江戸時代に二進法概念をゲームに利用してたなんて驚きですが、いやいや、驚くのはまだ早い!
なんと平安時代後期に書かれた『簾中抄』の中にそのくだりがあったのです。実は、目付字研究者からその事は聞いていたのですが、どこに書かれているかは自分の目で確かめないと!と思い、簾中抄で検索してみました。すると、国立公文書館が所持しており、全ページダウンロード可能だったのです。なんと素晴らしいのでしょう!!!
『簾中抄』は、歌人の藤原資隆が八条院暲子内親王のために書き記したもので、宮廷の年中行事や、歴代天皇の名前などが書かれています。全4巻(1巻はA4サイズで40枚くらい)からなる膨大なものでした。それらを見ていくと、ついに見つけました!!!
第4巻の16ページ目に3行ほど書かれていました(^^♪

  いろはの文字くさり
花にあり 葉にありとのみいひおきて人の心をなぐさむる成
花は取れ 葉はあだものと思ふべし 一・二・四・八・十六

ねっ、すごいでしょ。1.2.4.8.16は二進数の桁の重みです。
これを全部足すと31です。
江戸時代は、和歌5・7・5・7・7(合計31)に着目して、
二進法と和歌を繋げたのです!
日本文化ってやっぱりすごいなぁ。

ちなみに、数学者の下平和夫さんが、「数学100の問題」の中で、室町時代の数学遊戯として「いろは目付字」を記しておられます。私が模写したものを示しますね。




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