見出し画像

ゴーストレストランと丿貫のおはなし

ゴーストレストランをご存知でしょうか?
でも、そのお話ではありません。
以下ゴーストレストランの簡単な説明

ゴーストレストランとは実店舗を持たないオンラインデリバリーのみの注文受付サービスレストランのこと。
無店舗型のレストラン。
「クラウドキッチン」とも呼ばれる。
ゴーストレストランは店舗やテーブルと椅子
フロアスタッフや配達網を持たない。
キッチンは自前で所有せず間借りしたシェアキッチンで調理を行うケースもある。
注文、配達をUberEatsをはじめとしたオンラインのフードデリバリーサービスを利用し調理を中心とした最低限のコストで運営される。
ニューヨークを中心に広まった。
基本的には客が来訪する店舗が存在しないため
店舗物件のイニシャルコスト
家賃や店舗スタッフの固定費を大きく抑制し
小リスクで飲食業を展開できる。
フードデリバリーサービス×シェアキッチン
そしてコロナの環境がゴーストレストランの台頭と成長を支えている。

ゴーストレストランの素晴らしいところは
初期費用、ランニングコストが抑えられるところもポイントですが
僕はオンライン上で様々な店舗を「装える」点だと思います。
この仕組みを使えばインターフェイス上では
中華料理、ステーキ屋、イタリアン、和食など
様々な専門店が装える。
ファミリーレストランや、幕内弁当のようななんでもやっているお店は便利ですが、個性がなくみえます。
それは人間心理的に
何でも食べれる=どれもそこそこの味
という固定観念を無意識的に連想させます。
しかしインターフェイス上で様々な専門店を装えば
実態とは異なり行動経済学的な
「人間は選ぶ事が大好き」
を満たす事が可能です。
デリバリーのお店のチラシが会社に届いて
一枚の何でもある店の1枚と専門店3枚であったら
専門店3枚のうちどこにたのもうかな?
と、心理は働くわけです。


さて、ここから今日の本題ですが
「灰汁中華そば 丿貫」
というお店をご存知ですか?
足繁く通ったラーメン屋なんですが2年くらいの間に急成長したお店です。
はじまりは
横浜野毛のスナックの土日昼の間借り営業からスタートしました。
魚介に特化した濃厚なラーメンが売りなんですがマッドクラブという蟹のラーメンが話題になり直ぐに行列店になりました。
あれよという間に野毛の近所の福富町に直営1号店、大阪に弟子が暖簾分け店を出店。
その後弘明寺店オープン、今は横浜駅前の新型商業施設にも出店。
という流れです。(時系列は僕の印象なんで、もう少し時間がかかったかも。)
僕自身、間借り時代から見てきたのでラーメンとしてもビジネスモデルとしても非常に注目していました。
●ビジネスモデル的
昼のスナックの間借り
という未利用の使い方の素晴らしさがひとつあげれます。
ゴーストレストランより低予算でスタート出来るでしょう。
また、野毛という場所は横浜では有名な飲み屋街で表通りにはラーメン屋が立ち並ぶ立地です。
つまりラーメン好きが集まる導線上に店を出した点に可能性を感じます。
●プロダクト的
①灰汁中華そばというネーミング
②「マッドクラブそば」という一見よくわからないけど印象に残るプロダクト
③蟹を全て使った濃厚ラーメンという、想像出来るがわからない味
プロダクト自体に様々な要素が入っています
→大衆性のある特異性
→パワーワード
→聞き手の潜在的印象を呼び起こすが、完了させない→人間は未完を完了させたい生き物
これらのプロダクトが
「何処にあるか分かりにくい、スナックの間借りで土日昼のみ営業」
という通常なら不利な環境を
「知る人ぞ知る」
「未完を完了させた存在になれる」場所
として全てが機能した好例だと感じています。
また現在では週や日替わりで様々な旬な魚介の濃厚そばをツイッターで告知し飽きさせない商品展開にし、福富町と弘明寺も毎日違うメニューを展開。
競合するどころかどちらにも行きたい店になっています。
これはメニューの作り方のシンプルさにあると想像します。
僕はマクドナルドに近いスキームを開発されたんだと想像しています。
話が長くなるので、ここの話は聞きたい人は個別でお聞き下さい。
ゴーストレストランという業態の秀逸性が論じられますがインパクトを残すにはプロダクトとマーケティング、ブランディングが相乗して初めて優秀なビジネスモデルとして機能します。
そこには、それをやる人の思想が反映されます。
ゴーストレストランと丿貫。
この二つを重ねた時に見えて来るものがあるのではないでしょうか。
昨日より灰汁の強い素晴らしい1日を‼︎

いいなと思ったら応援しよう!