モノローグってなに?優れたモノローグを書く方法 vol.1
皆さんはモノローグが何かご存じですか?
モノローグは、簡単に言うと一人の登場人物が長く話す場面のことです。通常、他の登場人物に向けて、あるいは観客に直接語りかけるような形で行われます。
皆さんは海外映画と日本映画を見比べていて、気がついたことはありませんか?
実は日本映画は圧倒的にモノローグが多いのです。
これはある種、漫画やアニメの影響が強いと私自身感じています。
必要以上のモノローグによって登場人物の考え方、過去などを説明する傾向にあります。
また、漫画やアニメとの違い以前に、モノローグには演劇と映像との間にも大きな違いがあります。
演劇のモノローグは、通常より長く、より詳細な言葉遣いをします。舞台上で直接観客に語りかけるため、声の大きさや身振り手振りが大きくなります。また、舞台の制約上、一度に多くの情報を伝える必要があるため、より説明的になる傾向があります。
一方、映画のモノローグは一般的に短く、より自然な会話調になります。カメラが俳優の表情や細かな動きを捉えられるため、微妙な感情表現が可能です。また、編集や音楽、照明などの映画技術を活用できるため、言葉以外の要素でも感情や状況を伝えることができます。
演劇のモノローグは即時性と生の迫力がある一方、映画のモノローグは繊細さと視覚的な表現力に優れています。どちらも、それぞれの媒体の特性を活かした形でキャラクターの内面や物語の展開を効果的に伝えています。
モノローグは上手に使うとものすごく印象的に映画を彩ることができる素晴らしい手法です。しかし、使い方を間違えると安易な種明かしとして映画の結末を台無しにする可能性も持っているのです。
まずはいいモノローグを書くためのヒントを話す前に、モノローグとは何かを説明します。
モノローグとは
モノローグは、一人の登場人物が行うスピーチです。主に、その人物の内面の考え、感情、動機を明らかにします。複数の人物が会話する対話とは異なり、モノローグは一人で行うパフォーマンスです。
モノローグの向けられる対象
他の登場人物
観客
登場人物自身(独白)
モノローグの役割
キャラクターの内面を深く掘り下げる: 登場人物の心理をより深く理解させる
物語の重要な情報を伝える: 重要な情報を明かし、物語を前に進める
感情的な瞬間を作り出す: 観客に強い感情を呼び起こす
テーマや主題を強調する: 物語の中心的なテーマを強調する
印象的な瞬間の創出: 観客の記憶に残り、影響を与える場面を作る
俳優のオーディションにおいて、モノローグは重要な役割を果たしています。モノローグは、俳優が演劇、コマーシャル、テレビ番組、映画のオーディションで自身の演技スキルを披露する絶好の機会となります。
多くのオーディションでは、俳優は提供された台本を読むことが求められます。しかし、キャスティングディレクター、プロデューサー、監督の中には、俳優にモノローグの演技を要求する場合もあります。
俳優が使用するモノローグの出典は様々です。有名な演劇、テレビ番組、映画からの抜粋が一般的ですが、知人の俳優や脚本家が書いたオリジナル作品が選ばれることもあります。
このように、モノローグは俳優が自身の演技力を効果的にアピールするための重要なツールとなっており、オーディションの性質や要求に応じて柔軟に活用されています。俳優にとって、適切なモノローグを選び、それを効果的に演じることは、オーディションでの成功につながる重要なスキルの一つと言えるでしょう。
逆にいうと、モノローグは役者の能力に頼ることになるため、配役をミスると悲劇的な事態に陥るので注意。