俳優演出-どんな上司が嫌か考えてみる
さて、前回は話し合うことをひたすら書いていきました。
共通認識として確立しておく事はこちら。
①役者、演技がどういう事なのか
②監督の求めている事
③監督と役者の関係性
監督側が注意しなければならないのが
①役者は思い通りに動かないもの/常に現実とのギャップがある
(だから、どうするのか考え続け、行動しつづける事)
②監督が役者と演技に何を求めているのか明確に自覚している事
③彼らの仕事に責任を持つ
映画監督の仕事は、人間関係です。
人間関係の難しさは、皆さん既に実生活で経験済みでしょう。
どんな仕事をするのにも大事なのは信頼関係。
監督と役者の最初の仕事はお互いに信頼関係を作り出す事。
・性格に難ありだけど監督としての仕事が素晴らしい
・ちょっと頼りないけど、だからこそ助けてあげたくなる
・人なつこくって撮影現場が常に楽しい
本当に信頼の形は千差万別です。
信頼関係形成にはセオリーはありません。
ありませんが、
実は信頼関係はプロの役者さんと積み上げるのも大変です。
理由は様々です。
・十分な準備の時間がとれない。
・『監督』と『役者』関係性が元々破綻している
(ベテランや有名な人など相手の方が社会的に立場が上)
しかし、そんな中でも監督は試行錯誤して、1人ずつ信頼関係を作り、演技をさせなければなりません。
前回、言及したように、自主映画は金がない分、時間があります。
その時間を十分に活用して下さい。
お互いを十分知り合いましょう。信頼関係を作って下さい。
信頼関係を作るのにセオリーはありませんが、自分が部下になって働く事を想像して下さい。
・現実とのギャップを理解せずに無理難題を押し付ける人
・何をしたいのか分からない人
・自分の仕事に責任を持てない人
こんな人達と仕事したいですか?嫌でしょう。
監督としての準備とはこれらの事を磨いていく事です。
これは一朝一夕では中々難しい事です。
多くの失敗を繰り返して、身に付く事もたくさんあります。
かくいう私も、映画を撮り始めて10年目でようやく、これらを身につける事が出来始めました。
信頼を勝ち取る。
これは途方も無い事です。
しかし、映画への愛と作品への愛があればきっと出来るはずです。
と、精神論的な話しになってしまいましたが、次回からは具体的な指導の話しをしていきたいと思います。
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