初めて脚本を書く君へ【物語を分析する】②セカンド・アクトとサード・アクト
セカンド・アクト
2nd・アクトはシナリオでは60~70ページ、時間で言うと1時間という映画の大半を占めます。
以前にも書いたようにこのアクトの中には4つのシークエンスが含まれます。そして、物語を進展させるために2つの見せ場を置きます。
1つ目の見せ場はセカンド・アクトの中程にくる必要があります。
主人公の目的と障害が交差する事によって生み出される映画中の
最初の山場となります。
また、その中で主人公が目的達成する為の努力=成長を描く事になります。
2つ目の見せ場はこの映画の集大成(山場)になります。ここでは前回のシークエンスで成長した主人公に最大の危機(後退)とそれに立ち向かう姿を描く事になります。またこのアクトの最後は新たな展開を予感させて最後のアクトへと繋ぎます。
各見せ場やシークエンスを自然に繋ぐ為に Subplots /小話を挟んでいきます。
小話とは大抵、1シーンのみで構成されたごく短いエピソードの事です。
観賞にあたっては以下を念頭に置いて分析していきましょう。
ⅰ.各シークエンスを把握する。
各シークエンスの役割の把握。また主人公の問題と解決方法の特定する。
ⅱ.1つ目の見せ場はどこか?
登場人物のどのような行動、問題が成長へと繋がっているのかを把握する。
ⅲ.2つ目の見せ場はどこか?
問題の把握と登場人物のどのような行動によって解決へと導かれたかを特定する。
サード・アクト
サード・アクトはシナリオでは10~25ページ程の長さで表されます。
しかし10ページだと非情に短いです。
一般的にサード・アクトはファースト・アクトと同じ長さが理想と言われます。
通常、解決による転換と最終的な解決(クライマックス)の二つで構成されており映画全体の意味=結論を描きます。
その為には登場人物の行動描写よりも心理描写を多く描く必要があります。
もしハッピーエンドにしたい場合、セカンド・アクトのラストでは主人公の失敗に近いことを強調します。そしてサード・アクトでは成功の結果を描いていきます。
逆にバッドエンドの場合は成功と希望を強調し、後に失敗の結果を描きます。
サード・アクトの最大の目的は“観客が映画館を出る時にどう感じるか?“です。
”どうして?”
”誰の、どの行動/出来事によって?”
”どのように感じたか”
を念頭に置き映画全体の構成を正確に分け、総括をしましょう。