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俳優演出【入門】:仕上げのための練習法

さて、長い間【俳優演出入門】と名を打って演技と演技指導の基礎を解説してきました。

せっかく、これだけの事を知識として入れても、中々実践の機会がないと思います。せっかく回ってきたチャンスを物にする為にも常日頃から訓練しておきましょう。

そのオススメの訓練方法というのは【実際の指示を想像】する事です。

あなたが見てきた映画の中で "この映画の演技が素晴らしい" という1本を選んでみてください。
もちろん、何度も見れるほど惚れ込んでいる映画が良いでしょう。
ただし、きちんとストーリーテーリングとドラマがある事が条件です。
ヌーヴェルヴァーグ作品や詩的な映画は避けてください。

そして、その映画を見ながら『この俳優さんはどんな指示をうけてこの演技をしているのか』を分析し、実際に指示を予想します。もちろん、今までで習ってきた【オブジェクティブ】から始まり【動詞指示】まで、それらに沿って指示を考えていきます。

それらを正確に捉える為にも、映画分析をしてからこの作業に取り掛かってみてください。

分析の基本は大枠から細かい部分へと進んでいく事です。

基本の8シークエンスを分け終わった後に各登場人物の【スーパーオブジェクティブ】を明確化し、シークエンスごとの【オブジェクティブ】、シーン、ショット毎の指示と細かく想像してみましょう。

おそらく1本、冒頭からラストまで終える頃には、あなたには相当な指示分析能力がついていると思います。

個人的に演技指導分析にオススメな映画を何本かあげてみたいと思います。

1本目はスティーブ・マックイーンの『シェイム』

純粋に、俳優の演技の光る映画。
ため息、目線の動き、口元の動き、全ての俳優の行動に意味を見いだせる隙のない映画です。
また、セリフも少ない事から、登場人物の心情を正確に捉える訓練にも適してると思います。

俳優演出が超絶なのはこの人。P・T・アンダーソン。
この人の映画は "俳優演出” においてはハズレはないです。また、映画についても好みが別れる事はあるとは思いますが、その凄さを否定できる人はいないでしょう。そんな訳で、彼の作品のどれか1本。

このほかにも沢山素晴らしい映画があるので、ぜひお気に入りの1本を分析してみてください。

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