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俳優演出-実践ウォーミングアップ法

【トランプ・ウォーミングアップ法】

さて、共通認識を話し合った後は、実践です。

これから紹介するのは、とても有名な俳優のウォーミングアップ法です。
こちらは演技経験のない人たちに大変有効です。私も演技のワークショップの際にはいつも使用しています。
これを使って演技への認識を高めていきましょう。

準備するものはトランプ。

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あなたを除いて2人以上の人間が必要です。
あなたは必ず指導者の立場になって下さい。
そして、このウォーミングアップの方法の説明から、進行までをこなして下さい。

まず、トランプからジョーカーを2枚とも抜いて下さい。
手札の中には①〜⑬のカードがありますね。
トランプの原則として一番強いのがA(エース)で弱いのが2になります。

A(エース)、K(キング)、Q(クイーン)、J(ジャック)、10、9、8、7、6、5、4、3、2

と、左から順に強くなっていきます。

この力関係がステータスになります。
役者さんはこれらのステータスを演じます。

それでは、俳優さんに1枚ずつ引いてもらいましょう。
カードは他の誰にも見えないようにして下さい。

俳優さんは13枚のうちどれかを持っています。
俳優は誰にもカードを見せずに「こんにちは」と言いながら、全員と挨拶をしていきます。
大事なのは自分のステータスを意識する事。
自分より、強いか弱いか?また、自分がそのステータスを表現できているか?
俳優は何度でも、挨拶をして確かめる事が出来ます。
しかし、挨拶以外の事はしてはいけません。
挨拶しながら相手がどの番号を持っているかを考えます。
そして、自分がどの位置かを考えていきます。
ある程度、相手の番号が予測できれば、左から強いと思った順に並んでいきます。
俳優は自分がどの位置(強さか)を当てるのです。

重要なのは答え合わせする前。
かならず、俳優達にこう聞いて下さい。

「この順番に賛成ですか?」
「なぜ、この人が自分より強い/弱いと思ったのか?」

かならず、自己分析させます。
その後、答え合わせをします。
合っていればOKです。
もし、合ってなかったら ”なぜ、そう見えなかったのか?“ を分析させます。

俳優の分析が行き詰まったら、監督が分析を伝えてあげましょう。

演技する上で必ずギャップが生じます。
それは演じている側も気づかない事です。

例えば、本人は最大限に強さ(A)を表現したつもりなのに、他の人には(J)程度にしか見えなかった…
これは感情表現にも当てはまります。
こんなに悲しさを表現したはずなのに、大して悲しそうにみえない…

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実は演技において、俳優がこのギャップを認識する事が大事なのです。
また、初めてこれをやった時に出たギャップがその俳優本人の本来の性格を表す場合が多いです。

このギャップの認識との修正が大切なのです。

俳優同士が考え、分析し、改善法を言い合う事で、俳優として必要な事が養われてきます。

そう、分析力、想像力、コミュニケーション能力です。

このトレーニングは相手の反応を見た上で自分の反応を返すトレーニングです。これを、繰り返す事によって俳優に必要な3つの能力を養い、自分が他人にどう見られているかを認識する事ができます。
この意識こそ俳優への第一歩となります。

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