自分の責任で幸せになるということ
『あなたを一生幸せにします』
よくあるプロポーズの言葉である。
彼女は目を輝かせてプロポーズを了承する。
私を幸せにしてください、と。
ずっと前からこの言葉たちに違和感があった。
中学生の頃だったか、高校生の頃だったか、神尾葉子さんの漫画“花より男子”を愛読していたのだけれど、その漫画の中で、道明寺司が思いを寄せる牧野つくしに、雨が降り頻る中叫んだ言葉が猛烈に印象に残っている。
道明寺司も例にならって『俺がお前を幸せにしてやる』と言ったのだが、それだけではなかった。
『俺が幸せになりてえんだよっ
だから迷うんじゃねえっ 信じろっ』
うおっ、ええなあ、と思った。
言葉は乱暴だけど、こういう人の方が信用できる。
私も将来、信用できて、私のことを大切に思ってくれる人と結婚したいな、なんて思ったりした。
巧言令色鮮し仁、剛毅木訥仁に近し。
私の座右の銘である。
牧野つくしは、別の場面でこう叫んでいた。
『なめてんの!?人にやってもらわなきゃ幸せになれない女だって思わないでよっ』
いや、ほんとそうだよな。
私も所詮脳内お花畑のオンナなので、ついつい自分の幸せを他人に委ねてしまいそうになるというか、私を幸せにしてくださいなんて思ってしまったりしてしまうこともあるけれど、自分の幸せが他人の行動次第なんて、よう考えたらめちゃくちゃリスキーなこと。
自分の影響の輪(自分次第で変えられること)の外に、人生を委ねてはいけない。
自分次第で変えられないこと、すなわち、過去と他人のことをあれこれと考えてしまうことに、己の時間、すなわち、命を捧げてはいけない。
主体的に生きていきたい。
自分の人生に、自分の幸せに、責任を持って生きていきたい。
私は誰にも幸せにしてもらわない。
私は自分の責任で幸せになる。
このことを忘れそうになった時にはまた、牧野つくしのように『なめてんの!?』と叫ぼうと思う。