チャップマンスティックが欲しい

 この楽器との出会いは高校二年生の頃です。友達との帰り道で、とある駅の出口の近くでチャップマンスティックを弾いてる人がいたことがきっかけでした。突然、観光客や地元の人達の声にまぎれて素敵な音色が聞こえてきて、最初は何かのエフェクターをかけたギターか何か路上で演奏されている人かと思っていましたが、その姿が見えた途端に「なんだこれは!?」と思いました。まるで弾いてる方は異世界から来た演奏者みたいでした。
 その出会いから少し経った後、やっぱりあの楽器のことが忘れられないと思い、少し調べてみることにしました。なにもチャップマンスティックはアメリカでうまれたとんでもなくマイナーな楽器で、日本では今現在演奏されてる方が百人もいないそうなんです。最大の特徴として、この楽器は片手でベースラインも弾きながら、もう片方の手でメロディラインを弾くことが出来るのが挙げられます。かといって、ベースの代わりもギターの代わりも担うことは演奏の仕方から難しいそうです。
 そんな独特な特徴を兼ね備えたとんでもなくマイナーな楽器である「チャップマンスティック」に私が惹かれた一番の大きな理由は、聴いていて無心になれるところです。
 自分自身、繊細なところが多くて中学や高校での学校生活で何度も気が追いやられてしまったことがあって、良い意味でも悪い意味でも影響を受けやすい自分は、その音楽家の世界に心奪われて嫌なことを忘れられるので、昔から音楽を聴くのが大好きでした。よく聴くジャンルはロックなのですが、最近になって本格的にフォークソングなどアコースティックかつ優しい音調のジャンルを聴くようになりました。
 チャップマンスティックもその中の一つで、演奏を聴いている間は、心の底から身を委ねられて、心の拠り所にすることが出来るんです。日常に溶け込むような、感情に寄り添っていてくれるような素敵な音色には聴いていていつも惚れ惚れします。こうして、聴いていく内にどんどんチャップマンスティックの魅力に惹き込まれていきました。
 そして更に調べてみたところ、チャップマンスティックを演奏して世に魅力を広めていらっしゃるとあるネットの活動者さんを見つけました。オリジナル楽曲も作曲されているすごい方です。この方が演奏されている姿を見て、自分もチャップマンスティックを弾けるようになりたいと思うようになりました。
 最近になって私はバイトを始めたのですが、いつか十分なお金が貯まったらこのチャップマンスティックを買おうと意気込んでおります。
 日本で演奏をしている人が非常に少なかったり、楽器が高価であったり、この道を極めるのはとても茨の道です。しかし今まで大抵のことが長続きしなかった私がここまで熱中しているということは、「今の私が挑戦すべきこと」なんじゃないかと思っています。そんな私を魅了しているチャップマンスティックはすごいですし、挑戦しようと決めた自分自身にも成長を感じることができました。

 一部言葉を変えてはいるのですが、大学の自分の好きな物を書く課題で「チャップマンスティック」について書いたものです。不定期かつTwitter等でも宣伝していない私のnoteを一体どれだけの人見ているかは分かりませんが、少しでもチャップマンスティックが広まったら良いな、と思っています。最後までご覧頂きありがとうございました。

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