2022年5月に読んだ本まとめ
2022年5月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。
雨森たきび「負けヒロインが多すぎる!3」
いよいよ部長たち3年生の引退が近づく文化祭編。
表紙からも分かるとおり、今回は新部長に任命された小鞠がひとり立ちするために頑張る物語です。
読んでいて小鞠ちゃんの魅力に完全にやられたというか、めちゃくちゃ可愛いのでは……となりました。
温水くんが活躍しているようで活躍していない、でも彼がいなければうまくおさまっていなかったという絶妙な立ち位置がとても良いなと思います。
八奈見さんが今回特にキレッキレで、飲食シーンはマシマシ、ギャグもシリアスもレベルの高い立ち回りでとても良かったです。
挿絵で志喜屋さんのおっぱいの谷間が堂々と描かれていましたけど、いくら屍系とはいえこれはエロすぎる……。
本当に読み物としてかなりレベルが高い作品なので、次代のニューウェーブを現在進行形で追いかけてる感じがしますね。
ウィリアム・L. デアンドリア「ホッグ連続殺人」
いやこれ凄ぉー!
なんというのでしょうか、けっこうミステリ読んでるタイプの人ほど『そういうことか!』と思わせるタイプの作品でしたね。
地方都市スパータで発生した無差別的な連続殺人事件、その事件の犯人を名乗るHOGの正体とは?
作中でも盛んに議論されている『HOGの意味とは何なのか?』が明らかになった瞬間、めちゃくちゃ作品が綺麗にまとまった感覚がありました。
翻訳作品は苦手なものが多いのですが、この作品は文章が丁寧に綴られていて良かったです。
途中、ものすごく急にラブロマンスが始まって驚きました。
杉井光「この恋が壊れるまで夏が終わらない」
めちゃくちゃ凄かったです。
生まれつき12時間だけ時を戻すことのできる能力を持った主人公が、先輩の死を止めるために何度もタイムリープする話です。
なぜ先輩は何度も死ぬのか? なぜ先輩の死を止められないのか? という不思議な展開が気になり、どんどん先を読み進めてしまいました。
そんな中で些細なことが未来に影響を及ぼしていたりと、驚きもありました。
恋物語としては切ないラストなんですが、喪失感以上のあたたかさが感じられる素敵な作品でした。
とにかく読み物としておもしろく、切なくて感動的で、終わり方も含めて最高でした。
竹宮ゆゆこ「応えろ生きてる星」
めちゃくちゃ良かったです。
本当に竹宮ゆゆこさんは、魅力的で、だけど仕草や態度が残念で、なのに一緒にいると楽しくてやっぱり魅力的な女性を描くのがうますぎます。
失恋した主人公の前に謎の女性として登場する朔がとにかくかわいく、ふたりで過ごす時間が読んでてこっちまで楽しくなるほどのめり込んでしまいました。
朔の正体が明かされる場面はあっと思わされますし、そこからさらにクライマックスにかけての勢いも好きです。
この作品は恋愛小説であると同時に、終わってしまった夢の物語でもあります。
諦めた夢の続きを見る希望に溢れた作品で、読み終えてからタイトルを見るとめちゃくちゃ良いですね……!
弱気になったときには廉次と朔のところに戻ってきたいと思える、勇気をもらえた作品になりました。
武田綾乃「響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編」
久美子の中学の同級生、佐々木梓が進学した、マーチングバンドの強豪校・立華高校吹奏楽部のお話です。
踊りながら演奏をするマーチングバンドのしんどさはもちろん、体育会系っぽさは北宇治高校よりも上かもしれません。
人数の多い女子社会による人間関係のドロドロさがこれでもかと描き出されていて、勝負の世界の厳しさを浴びてどっと疲れてしまいました。
そんな中で、双子の西条姉妹はコミカルな存在で清涼剤になってます。
人から頼られることを嬉しく思っていた梓や栞が他人事に思えず……ハラハラするラストに、下巻も気になります。
個人的な今月のお気に入り作品トップ5
1/個人的な今月のお気に入り作品トップ5
2/応えろ生きてる星
3/負けヒロインが多すぎる!3
4/響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編
5/ホッグ連続殺人