12月に読んだ本でよかったやつ

11月に読んだ本でよかったやつを、多少の備忘録とともに書き残しておくやつです。


乙一「小説 シライサン」

https://www.amazon.co.jp/dp/4041087600/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_CtkdEbYBMJBJ9

乙一さん自身が監督をしているホラー映画「シライサン」の原作小説。
元々ホラーを数多く書いてきている作家さんなだけに、今作も背筋が寒くなるような恐ろしい描写は読み応えがありました。
そのうえで、怪談話として語られる『シライサン』の正体なども、うまく物語中に謎が散りばめられていて好みの作品でした。
映画は来年公開ということですが、興味出てきました(ホラー映画苦手なんだけど……)。


天沢夏月「サマー・ランサー」

https://www.amazon.co.jp/dp/4048916548/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_fvkdEb85SVGX7

剣道の師範である祖父の死を機に竹刀を握れなくなった主人公が、入学した高校で出会った「槍道」に魅入られるお話。
槍道自体は架空のスポーツなのだけれど、作り込みがしっかりしているため違和感なく読めました。
作品の中に一本貫くように通っているのが、青春の輝かしさ。
剣道の中では腐っていた天智が、掛け替えのない仲間を得たことで槍道にのめり込んでいく姿は読んでいてかなり心を打たれるものがありました。
この物語は槍道に出会った天智の姿を描いたものだけれど、槍道部のメンバーも個性的で、彼らを軸にした別の物語も読んでみたい。


武田綾乃「石黒くんに春は来ない」

https://www.amazon.co.jp/dp/4344429206/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_cwkdEbH6BVN6X

学校の女王・京香に告白し振られた石黒くんが、意識不明の重体で発見された。
その半年後、京香の立ち上げた名ばかりのグループライン「石黒くんを待つ会」に、石黒くん本人が参加してくる……。
学園カースト、それから現代の若者を支配するLINE。
この2つが組み合わさった、現代の高校生のカーストの残酷さを浮き彫りにしたような作品でした。
カースト最上位の女王様である京香への復讐のため、おとなしいグループの子たちが牙をむく様は、もはやホラーとしか言いようがなかった。
正義の皮をかぶった悪意に満ちたストーリーは、リアルで、重い。


望公太「娘じゃなくて私が好きなの!?」

https://www.amazon.co.jp/dp/4049126125/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_WwkdEb47P7DEK

アラサーシングルマザーと、その娘の幼馴染の男の子のラブコメ。
要するにお隣さんのママがヒロインという、好きな人にはめちゃくちゃ刺さる感じの設定のラブコメです。
アラサーで高校生の娘がいるのに、一回り年下の大学生に告白されててんやわんやになる綾子ママはめちゃくちゃかわいかったです。
あと表紙のおっぱいが凄い。SDキャラになったら体の1/3おっぱいじゃねえか。
ストーリー的には導入というか、告白されてパニクっていた綾子さんが1冊かけて巧の想いをまずはしっかり受け取るところまでだったのでイチャイチャは2冊目以降に期待。
「お母さんモノ」と言いつつも綾子は事故で亡くなった姉夫婦の代わりに娘を引き取ったという設定で、未婚だし見た目も若々しいしおっぱいも大きいので、どなたでも気軽に手を出せるお母さんモノではあるんじゃないてしょうか。
お風呂シーンで挿絵を2枚費やしてるのは潔いなと思いました。
恋愛物としてはここからが楽しみなところだと思うので、続刊出るのを期待しています。


駱駝「俺を好きなのはお前だけかよ13」

https://www.amazon.co.jp/dp/4049129086/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_-xkdEbEWAR5CA

物語が本格的に佳境を迎える前の短編集的な1冊。
ジョーロが男友達3人を相手に恋の相談を受けながら、彼に想いを寄せる4人のヒロインとのエピソードを語るという構成。
各ヒロインにスポットライトが当たり、その個性や可愛らしさがより引き出されていた感じでした。
サザンカがぐうかわでした。
あと全然メインヒロイン枠ではないのに下着姿を披露して体を張ったサービスを提供するチェリーさん……。
男友達3人の恋路も気になるところですが個人的にはジョーロの姉、ジャスミンさんの恋物語もかなりいい感じだなと思ってます。


支倉凍砂「マグダラで眠れ3」

https://www.amazon.co.jp/dp/4048915797/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_6ykdEbDK7YVTX

フェネシスの成長の物語。
常に自分の利益だけを考えて行動するクースラと、そんな彼を「いい人」と信じ頼り切るフェネシスの構図が良かったですね。
旅立ちを目前に控えた物語の序盤はで、クースラとフェネシスの2人の関係があたたかいものに感じられて読んでいてほのぼのとすら感じました。
一方でウェランドがしくじり入植団に加われなくなる瀬戸際に追い込まれてからの物語は、クースラとフェネシスの対立に冷や冷やさせられながらも引き込まれる展開になっていてとてもおもしろかったです。
したたかな一面を見せるフェネシスの成長が印象的。