1月に読んだ本でよかったやつ

1月に読んだ本でよかったやつを、多少の備忘録とともに書き残しておくやつです。


時雨沢恵一「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインIX ―フォース・スクワッド・ジャム〈下〉―」

長きに渡った第4回SJも、いよいよ下巻、その厚さ500ページ超!
ファイヤとの決戦のために絶対に生き残らねばならないレンと、激しい戦いの中で次々と戦場から退場していく仲間たち……と、最後まで熱さ全開で楽しく読めました。
いつ誰が、何が起こって死ぬかも分からない緊張感がありながら、ゲームなので最後は笑って終われるのがとても良いですね。
今回のエピソードで、シャーリーとクラレンスがもっと好きになりました。


中田永一「私は存在が空気」

行きたい場所まで空間を飛び越えて移動する能力、人から存在を認識されない能力、パイロキネシス等……どの物語も驚くべき超能力を持つ者たちが登場人物でありながら、そこで描かれるのは日常の延長線の恋の物語。
世界を変える力はないけれど、自分と、周りの人のことくらいならば変えられる。
そんな小さな世界観で描かれる物語はどれも胸に迫る切なさがありました。
「少年ジャンパー」は能力を期に変わっていく主人公の力強さに胸が打たれました。
「ファイアスターター湯川さん」は単純な読み物として非常におもしろく、日常系とファンタジー、バトルアクションが入り混じった感じでとても好みでした。
表題作「私は存在が空気」もぎゅっと胸を締め付けるような切なさを伴う仕掛けが施されていて、とても好みでした。


乙一、中田永一、山白朝子、越前魔太郎、安達寛高「メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション」

乙一、中田永一、山白朝子、越前魔太郎、による“ひとり”アンソロジー。
ミステリ、青春、ホラーと作風によって別名義を使い分ける乙一さんのいろんな味が、この一冊ですべて楽しめる。
乙一さんの「山羊座の友人」は漫画版だけ先に読んでいてすごく好きだったのですが、改めて原作を読んでさらに好きになりました。
ミステリとしての仕掛けの驚きはもちろんのこと、ラストの一文があまりにも切なくて……。
山白朝子さんの「トランシーバー」は、ホラーテイストながら心温まるお話でお気に入りです。途中はハラハラしがら読んでいました。


橘公司「デート・ア・ライブ10 鳶一エンジェル」

ついに10巻目にしてようやく折紙が表紙、そしてメイン回。
5年間精霊に両親を殺されたという、折紙の根幹に関わるエピソードの真実が明かされていきます。
1冊まるまる使って、折紙編のプロローグのようなストーリーだったため、次巻でどのように話をまとめるのかがとても楽しみです。
数いるヒロインの中でも折紙が特に好きなので、辛いエピソードではありますが、ここから彼女が幸せになるルートを紡ぎ出してもらえれば……と思います。


原作・石井和義、作画・ハナムラ「どるから 第2巻」

空手、喧嘩、経営、アイドル、女子高生、中身オッサン、とゴテゴテに要素がてんこ盛りでめちゃくちゃおもしろいと思います。


山形石雄「六花の勇者3」

暴力的なまでのおもしろさ。
7人の勇者の内1人が偽物。
そんな疑心暗鬼な勇者一行から、今度はナッシェタニアに忠誠を誓うゴルドフがメインの物語。
ここまで物語を引っ張ってきた地上最強のアドレットの存在が小さく霞んで見えるくらいに、ゴルドフたった一人だけですべてを持っていく物語でした。
ナッシェタニアの忠臣、という以外これといった個性を持たなかったゴルドフが、過去エピソードなど背景を交えて描かれたことで、かなり魅力的なキャラクターに見えてきました。
バトルも熱く、謎解きもおもしろく、物語も魅力満載ですごく良かった。


原作・西尾維新、作画・大暮維人「化物語 第4巻」

真宵編のオチと、神原編のスタート。
大暮維人さんの描く神原、かわいいが過ぎる。
バトルシーンの迫力がとんでもないことになっていて、改めて豪華なコミカライズだなと思った。
戦場ヶ原の着替えシーンの艶っぽさがとんでもなかった。


原作・ガールズ&パンツァー製作委員会、漫画・吉田創「ガールズ&パンツァー プラウダ戦記 第1巻」

カチューシャ・ノンナの通う学校、プラウダ高校の戦車道にスポットライトを当てたスピンオフ作品。
キャラクターたちの鬼気迫る表情、派手な戦車アクション、と「かっこいいガールズ&パンツァー」を描きまくっています。
ガルパンのかっこいい側面が好きな人は絶対読んでほしい。
もともとこの作者さんはガルパン同人誌の頃からのファンだったので、単行本で読めて嬉しいです。
1年生時代のダージリンや、中学生時代のローズヒップが出てきてすげえかわいい。


高嶋ひろみ「あさがおと加瀬さん。」

ちょっとどんくさい緑化委員の山田と、陸上部でちょっと男の子みたいでかっこいい加瀬さん。
こんな150kmの豪速球ストレートみたいな百合漫画、良くないわけがないんだよなあ……。
サブキャラだけど三河っちが可愛いしちゃんと山田のこと見てくれてて良いよね。


西尾維新「愚物語」

老倉育、神原駿河、阿良々木月火という愚かなる三人娘たちを主人公にしたオフシーズンの物語。
物語シリーズにしては軽めの、というか、日常短編のような手軽さで読めるおもしろい1冊でした(それにしては読み応えが異常なほどにあるのだが)。
「そだちフィアスコ」は転校後の老倉の失敗に次ぐ失敗、変わらない老倉が描かれていて……なんというか思考回路が自分によく似ている気がして読みながらウッウッ分かるよその気持ち……となりました。
「するがボーンヘッド」は阿良々木に無視されて泣きそうになっている神原が可愛かった、に尽きるかも……。


あらゐけいいち「CITY 第1巻」

おもしろかった。
「日常」が完結して、じゃあ「CITY」はどうなの? って思ったら、以前のパワーをそのままに、キャラクターたちが街まるごとあらゆる立場の人たちが入り混じって、より一層おもしろく読める作品になっていました。
特に第1話はあらゆる人たちの行動が交錯しまくって構成されていてとても良かったです。
個人的に、にーくらがとても可愛いと思います。
ブロッコリー撮ってるシーン、ブロッコリー撮ってるだけだけど絶対エロいことしてるわこれ……。