2020年11月に読んだ本まとめ
2020年11月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。
竜騎士07「バケモノたちが嘯く頃に 〜バケモノ姫の家庭教師〜」
ひぐらしでお馴染みの竜騎士07さんが電撃文庫初登場ということで、果たして……と思いながら手に取りました。
表紙やタイトルからも分かる通りのグロめのホラーといったストーリーで、おもしろい作品でした。
竜騎士07さんらしい仕掛けがあったり、茉莉花やメアリーといった女性陣がとても魅力的に描かれているのも良かったです。
作品を読んだあとでタイトルの意図が分かり、あとがきも含めてこの1冊全体でメッセージ性がある作品だと思いました。
ストーリーとしては完結していますが、このあとの磊一の物語も見てみたいようにも思える作品でした。
暁なつめ「この素晴らしい世界に祝福を!2 中二病でも魔女がしたい!」
2巻もおもしろかったです。
冬を目前に控えたシーズンをテーマにしたエピソードで、この作品らしい楽しく読めるお話で良かったです。
パーティーメンバー交換のエピソードは、カズマのイイトコがたくさん詰まってて良エピソードでした。
駄女神様と呼ばれつつも、この巻ではアクアが全体的にとても有能でしたね。あとは、性格さえなんとかなれば……。
ウィズが苦労人ながらもおっとりとした雰囲気を醸し出してて、癒やし枠でしたね。
次巻はダクネスの見せ場がありそうなので、期待してます。
玩具堂「探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」
玩具堂さんらしい、論理パズルじみたミステリを今回も堪能させていただきました。
「猫ぞ知る箱の中」は特に複雑なパズル感のあるストーリーでしたが、楽しいエピソードでした。
「読読者者の密室」は少し後味の悪さの残る真相だったものの、田草先生が前を向くきっかけになったなら良かったです。
「探偵不十分」もまた薄っすら暗い雰囲気漂うエピソードでしたが、あちこちに伏線があってミステリとしてとてもおもしろかったです。あとオチが好きでした。陸奥くんには強く生きてほしいです。
古寺谷雉「項羽と劉邦、あと田中3」
未だ混迷の只中にあり、項羽と劉邦の歴史に着実に絡んでいく現代日本人田中。
田横が兵を鼓舞する場面や田中が斉のために大きな決断をする場面など、思わず目頭の熱くなるような展開が多々あり、とても楽しめました。
歴史物としてもおもしろいのは元より、いよいよタイムスリップ物としてもおもしろくなってきたなと。
知ってる名前もちらほら出てきたり、「この人、もしかしなくてもあの人だよね?」みたいな人がちらっと姿を見せたりと、項羽と劉邦好きとしてはたまらない1冊でした。
それにしても田中、いよいよ戦場まで出てくるとは……有能すぎる。
時雨沢恵一「キノの旅XXIII the Beautiful World」
「ロボットがいる国」は読み終わってみるといい国で、ほのぼのしました。
師匠の懸念は自分と同じだったので、それを踏まえてもほのぼのします。
「戦える国」はオチが秀逸で好きなエピソードでした。
「狙撃犯のいる国」はアクション全開で活躍するキノが見られたのが楽しかったですね。
あらゆる意味で後味の悪いエピソードで、読み終わってから胸が詰まる思いでした。
「赤い霧の湖で」はシンプルに美しいエピソードだったと思います。
弟子のこういった一面を見るのも珍しいので、楽しかったです。
山口悟「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…9」
前巻でも触れられていた通りに、今巻は誘拐された男爵家の娘を捜索する物語。
とはいうものの、そこは難しい現場からは遠ざけられるカタリナのことなので、メインは潜入捜査でやってきた港町のレストランでウエイトレスを頑張るお話。
カタリナとマリアの奮闘でレストランが盛り上がるところや、アルノーとの交流はほのぼのとして楽しかったです
。一方で男爵家の娘の誘拐事件の方はとんとん拍子に話が進んでしまって、やや消化不良の感も。
あと今巻から、ついに人物紹介欄でジオルドが他のライバル達と同じ枠に入れられてて笑いました……。
日日日、ゆずはらとしゆき、SOW、森崎亮人「桃瀬さん家の百鬼目録」
日日日さんの原案に、ゆずはらさん世界観設定を加えて、2名の執筆陣を加えた御伽話現代伝記小説。
「桃太郎」になりそこねた主人公のみろくがいい具合に喪女で、気に入っています。
1巻だとSOWさんの「ものぐさ太郎」がとてもおもしろく、文章のノリも読みやすくて好きでした。
SOWさんの出番はここだけのようなので、少し残念です。
1巻だと夷狄や小太郎ガールズ絡みの話が少なかったので、そのへんは後半のお楽しみといったところでしょうか。
全体的に雰囲気が裏社会チックというか、顕現者たちとは関係なくハードな部分が多めでしたね。