2019年読んだライトノベルのベスト10
タイトルのままです。
2019年中に読んだライトノベルで特におもしろかった10作品をベスト10にまとめました。
シリーズを何冊か読んでる場合は同じ順位でまとめています。
本当は2019年中にやりたかったんですが、年末立て込んでしまったので明けてからのまとめになりました。
では、どうぞ。
第10位
藤まる「明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。」
https://www.amazon.co.jp/dp/4048913298/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_wdmdEbB3A81YW
発売当初けっこう話題になってて興味あったんですが、6年半経ってやっと読めたっていうね。
意味深なタイトルの意味が分かってくる、序盤40ページのワクワク感は読んでてとんでもなかったです。
ストーリー的には少し勢い任せなところや、ギャグの主張が強すぎるところもあったんですけれど、むしろライトノベルだからこその楽しさ重視の作風は好感を覚えました。
ヒロインである光はお転婆娘でやりたい放題、クラスメイトのかすみちゃんも男の子の読者をどぎまぎさせてしまうような可愛らしさがあってめちゃくちゃ良かったです。
ヒロインである光は物語が始まると同時に死んでしまうのにも関わらずストーリー中ではあまり暗さを感じるシーンが無く、設定に反し、楽しく、おもしろく、そして萌えながら読める作品だったと思います。
もっと早く読めばよかったなあ!
第9位
八奈川景晶「黒猫のおうて!」
https://www.amazon.co.jp/dp/4040732294/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_S5ldEbZSY21ZQ
偉大な先駆者の切り拓いた将棋ラノベの世界に、また新しい1作の逸品が登場した。
主人公は三段リーグを全勝で突破しながら将棋を引退した元天才棋士。
ヒロインは女流三段の実力を持ちながら男性棋士相手の対局では全敗という……猫耳ゴスロリ姿のコスプレ棋士。
将棋という勝負の世界がテーマであるため、この作品も熱い戦いや熱い言葉が登場する。
そして何よりも、「将棋が好きだ」「将棋が楽しい 」という想いが詰まっていて、それが何よりも読んでいて楽しかった。
ヒロインが猫耳ゴスロリで主人公への好意もむき出しで、めちゃくちゃ可愛い。
将棋素人枠として現役JKのギャルが登場するのも良い。
登場人物が個性的で、読んでいてとても楽しいのも魅力。
もしも続きが出るなら迷わず手を出すくらいには、惹き込まれる将棋ラノベでした。
第8位
駱駝「俺を好きなのはお前だけかよ11」
駱駝「俺を好きなのはお前だけかよ12」
駱駝「俺を好きなのはお前だけかよ13」
https://www.amazon.co.jp/dp/4049125277/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_rZldEb21WTT2V
今回もかなり大きな仕掛けを仕組んできた、繚乱祭編。
再び西木蔦高校にやってきたホースを中心に、ジョーロやパンジーたちの思惑が次々に交錯する。
序盤は読みながらかなりの違和感を感じるし、正直読みやすいとは言いがたいものだったけれど、後半で伏線が回収され始めればやはりおもしろいな……と。
主要キャラクターが増えまくった結果、口絵がなんだかもうお祭り騒ぎなんですが……まあ、文化祭だからいいのかな?
全体が見えないながらも話は順調に前に進んでいて、ジョーロが誰を選ぶのかを含め、ますます先が読めない展開になってきましたね。
俺はサザンカ派なんで、わりと今回は出番が多めで嬉しかったです。
そしてその一方で、露骨に出番の減るあすなろ……。
たんぽぽと撫子のコンビは最強すぎるので、ずっと見ていたいですね。おもしろすぎるので。
https://www.amazon.co.jp/dp/4049127962/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_r0ldEbRANT90X
いよいよ2学期最大のイベント修学旅行が訪れ、西木蔦高校2年生たちは北海道へ。
そしてここで現れる新ヒロインは……ジョーロの小学校の同級生ライラック。
物語の軸になるのはせっかくの修学旅行なのになぜかずっとふさぎ込んでいるひまわり。
個人的にはひまわりに対してもライラックに対しても自分と似たような思うところのある心象を抱いていたため、その2人が前を向いて進んでいけるストーリーは読んでいて心に染み入るものがありました。
やっぱりたんぽぽはとんでもない飛び道具だなあと思う次第です。
そして今巻最大の見どころは、偶数巻、そして修学旅行ということで超強力な見開きイラストが誕生してしまったこと……!
やばすぎ! サザンカなんて姿勢をあすなろもうそんなのアウトやたんぽぽ意外とスタイルいいヒイラギなんつーわがままボディパンジーこれはもうあかんひまわりそれは人死にが出るコスモス麗しいツバキかっっっわライラック美女がすぎる……。
12巻は永久保存版ですよ……。
https://www.amazon.co.jp/dp/4049129086/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_43ldEbA8NNECF
物語が本格的に佳境を迎える前の短編集的な1冊。
ジョーロが男友達3人を相手に恋の相談を受けながら、彼に想いを寄せる4人のヒロインとのエピソードを語るという構成。
各ヒロインにスポットライトが当たり、その個性や可愛らしさがより引き出されていた感じでした。サザンカがぐうかわでした。
あと全然メインヒロイン枠ではないのに下着姿を披露して体を張ったサービスを提供するチェリーさん……。
男友達3人の恋路も気になるところですが個人的にはジョーロの姉、ジャスミンさんの恋物語もかなりいい感じだなと思ってます。
第7位
時雨沢恵一「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインIX ―フォース・スクワッド・ジャム〈下〉―」
https://www.amazon.co.jp/dp/4049120933/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_9XldEb3AMMQ62
長きに渡った第4回SJも、いよいよ下巻、その厚さ500ページ超!
ファイヤとの決戦のために絶対に生き残らねばならないレンと、激しい戦いの中で次々と戦場から退場していく仲間たち……と、最後まで熱さ全開で楽しく読めました。
いつ誰が、何が起こって死ぬかも分からない緊張感がありながら、ゲームなので最後は笑って終われるのがとても良いですね。
今回のエピソードで、シャーリーとクラレンスがもっと好きになりました。
第6位
山形石雄「六花の勇者3」
https://www.amazon.co.jp/dp/4086307103/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_MWldEbQ9T8667
暴力的なまでのおもしろさ。
7人の勇者の内1人が偽物。
そんな疑心暗鬼な勇者一行から、今度はナッシェタニアに忠誠を誓うゴルドフがメインの物語。
ここまで物語を引っ張ってきた地上最強のアドレットの存在が小さく霞んで見えるくらいに、ゴルドフたった一人だけですべてを持っていく物語でした。
ナッシェタニアの忠臣、という以外これといった個性を持たなかったゴルドフが、過去エピソードなど背景を交えて描かれたことで、かなり魅力的なキャラクターに見えてきました。
バトルも熱く、謎解きもおもしろく、物語も魅力満載ですごく良かった。
第5位
川原礫「絶対ナル孤独者5 ―液化者 The Liquidizer―」
https://www.amazon.co.jp/dp/4049123827/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_uFldEbBMDAH76
ルビーアイ最強の能力者、リキダイザーから取引を持ちかけられ、ミノルは一時的に彼女と共闘をすることに……。
期待してはいたが、やはりおもしろい!
謎めいた敵であるリキダイザーの、バトルシーンのかっこよさはもちろんのこと、ふとした瞬間の微笑ましさや愛らしさ、そして芯の強さなどが描かれ、敵キャラながらかなり好きになってきました。
まだまだミノルと絡む機会も多そうで、敵であるはずなのに「敵か味方か」みたいなところがあってすごく魅力的。
しかし……正ヒロインはたぶんユミコなんだろうが……かなり影が薄く……。
第4位
八目迷「夏へのトンネル、さよならの出口」
https://www.amazon.co.jp/dp/4094518029/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ODldEbTWNDEE6
ガガガ文庫の単巻作品は当たりが多いと個人的に思っているのだけれども、この作品もご多分に漏れず大当たり。
幼い頃に大切な妹を亡くした塔野カオルと、東京からやってきた孤高の転校生花城あんずが物語の主人公。
心に傷を抱えるカオルと、クールで我が強いあんずのやり取りだけでも青春小説としておもしろい。
そのうえでこの作品の核となるのが、入れば欲しいものがなんでも手に入るが、代わりに年をとってしまうというウラシマトンネル。
クライマックスでウラシマトンネルを絡めて物語が一気に進み出し、そこからは最後まで一気読み。
青春小説として、ファンタジー小説として、ひとつの作品として、綺麗にまとまった秀作。
個人的には、わがままギャルだったけどあんずにコテンパンにされて更生した川崎さんが可愛かった。
第3位
伊瀬ネキセ「HELLO WORLD if ー勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をするー」
https://www.amazon.co.jp/dp/4086313294/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ZBldEbPHM5C6W
映画「HELLO WORLD」のifの世界を描くスピンオフ小説、なんですが……いや、これ本当にスピンオフ!!!? ってくらいおもしろくて感動して、ぶったまげてしまいました。
物語の主人公は堅書くん・一行さんの同級生であり、本編のサブキャラクターだった勘解由小路三鈴。
脇役ながら異彩を放っていた彼女はどうして彼ら2人と交流を持つようになったのか?
その背景をスピンオフで描くのですが、物語本編を補完するようなシーンもあったりして、そういう意味でも映画を観てからのほうが楽しめます。
そして何よりも三鈴の心理描写が繊細で丁寧に描かれており、単なる可愛いヒロイン以上の、等身大の、だけど確かに強くて弱くて愛すべきヒロインだったことが伝わってきます。
サブタイトルにもあるように物語の主軸は“失恋”であり、だからこそ読んでいて心が揺さぶられ、三鈴のことがどこまでも愛おしくなるのです。
「HELLO WORLD」本編を観た人は、絶対読んでほしい!
そのくらい、この世界とあの同級生3人をより深く理解し、そしてもっと好きになれる最高のスピンオフでした!
……映画をまだ観てない? 観なさい!!!
第2位
白鳥士郎「りゅうおうのおしごと!10」
白鳥士郎「りゅうおうのおしごと!11」
https://www.amazon.co.jp/dp/4815601011/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_pyldEbJ4Z0DVK
女流名跡リーグ進出を狙うあいちゃんの一戦、そして小学生の将棋大会『なにわ王将戦』を描いたJS研編。
物語のメインに据えられたのは子どもたちながら、大人たちの血の滲み出る戦いに勝るとも劣らぬほどの熱さがありました。
やはりめちゃくちゃおもしろい。
これまで作品の脇を固める賑やかなキャラクターの枠に収まってきたJS研が、初めて本気の本気でぶつかり合う様子が描かれておりますとても感動しました。
そしてJS組が健気に将棋を楽しむ中で、これまで暗雲立ち込める中でもがき続けていた銀子が、いよいよ……もう……。
https://www.amazon.co.jp/dp/4815603782/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_fzldEbJQJM3A8
小さな頃から手をつないで一緒にいた銀子と八一。
そのふたりの内弟子として育った幼少時代がついに明らかになる。
1冊まるまる、混じりけ無しに銀子のための物語。
いつものりゅうおうでは「熱い!」という戦いの物語が印象強いけど、すぐそばで八一のことを想う銀子のエピソードは「熱い!」と同時に「切ない!」という恋物語にも仕上がっている。
体の弱さや激動の将棋界を生き抜いてきた銀子の背景には、普通では計り知れないほどの重たいものが背負われていて……将棋ラノベだけど、この巻だけは恋愛小説として「良かったです」と評価したい。
第1位
神田夏生「君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと」
https://www.amazon.co.jp/dp/4049123347/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_WuldEbY4FZN48
久しぶりにラノベで泣いた。
高校卒業寸前に最愛の恋人を病で亡くしてしまった男の子が、運命を『リセット』するための旅に出る物語。
高校1年生で出会い、2年生で付き合い始め、3年生で死別することとなる恋人の女の子・緋花里がとにかく魅力的で可愛らしく、主人公とのイチャラブっぷりが幸せすぎて最高。
だからこそ、彼女と死別したことによる身を引き裂かれるような哀しさ、辛さもまたダイレクトに読み手に襲いかかってくる。
恋人を失ったという前提から作品全体を包み込む雰囲気は切ないが、緋花里との日々の回想や『リセット』の秘密を知るクレセントとのやり取りはコミカルで読んでいて楽しさもある。
クライマックスでは涙腺をマシンガンで掃射してくるみたいな感覚で、とにかくこの世界一幸せそうなカップルの物語を読めたことが何よりも幸福なことだと思います。
本当に、良かった。
読み終えて完全に呆けてしまった。すごかった……。
以上となります。
もし興味を惹かれる作品があれば、読んでみてくださると嬉しいです。
2020年も良い作品に巡り会えますように。
それでは。