2022年4月に読んだ本まとめ

2022年4月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。


虚淵 玄「Fate/Zero3 王たちの狂宴」

アインツベルン城を舞台に勃発するセイバー陣営vsキャスターvsランサー陣営の乱戦は非常に混沌とした展開に。
思っていたサーヴァント同士の戦いとは一線を画す、切嗣とケイネスによるマスター同士での戦闘が手に汗握る展開で惹き込まれました。
後半ではセイバー・アーチャー・ライダーら3人の王による酒宴。
イスカンダルの豪放さは読んでいて爽快感すら覚える、王たる迫力がありました。
剣を交えずに勝負をする王たちの光景は、画になりますね……。
FGOでしか知らなかったサーヴァントたちが多いので、読んでいて驚きがあって楽しいです。


結石「陰キャの僕に罰ゲームで告白してきたはずのギャルが、どう見ても僕にベタ惚れです2」

どこまでも順調に愛を育み、お互いの両親公認の仲となり、交際2週間なのにもう結婚生活すら意識しているラブラブ糖度マシマシの第2巻……ウイニングランか?
本当にひたすら距離を縮め合っていくだけの1冊になっているので、ラブコメとしてはストレスなく読めると思います。
一方でストーリー的な面では、あまり展開は進まなかったかなと……。
この恋は「罰ゲームから始まった」という点が大きな問題となっていますが、ここまでベタ惚れしてたら、その壁も難なく乗り越えてくれそうな信頼感がありますね。


徳山 銀次郎「厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由4 〜両片思いのやり直し高校生生活〜」

今巻のエピソード、表紙がすべてを物語っていますね……。
小栗ちゃんによる妨害工作もあって、ずいぶんと遠回りをしてしまいましたが、七哉と透花のやり直し高校生ラブコメも無事に完結。
失恋したものと勘違いしてポンコツ化した透花が可愛かったです。
小栗の暗躍でひと波乱ありましたが、物語としてはクライマックスを丁寧に描いてくれた印象です。
もっと小栗ちゃんが暴れてくれても良かったかなと思いますが、爪痕は残せたか……。
最後までしっかり明るいラブコメで、楽しく読めた作品でした。
小栗ちゃんも幸せが掴めているといいんですけどね〜。


白鳥 士郎「りゅうおうのおしごと!16」

マジで……どこまでおもしろくなるんだこの作品は!?
いよいよ始まるあいと釈迦堂女流名跡によるタイトル戦。
棋界の裏から暗躍し、女流棋士の道を切り拓いてきた釈迦堂さんはもはや生ける伝説。
女流名跡戦が進んでいくにつれて明かされる釈迦堂さんの過去には、将棋界における女流棋士の立場の問題も深く関わっていて、非常におもしろく読ませてもらいました。
その上で歩のプロポーズによる恋愛作品としても、目頭をジンとさせる熱い展開でした。
棋士である以前に友人同士だった小学生名人戦の同期たちが、明確にこれからの別れを意識する場面がかなり印象的です。
供御飯さんと月夜見坂さんのふたりの存在がこの作品でいかに大きかったのかを、痛感しました。
仲良しではいられない、現代の本気の殺し合いの一端を垣間見た気がします。
本当に将棋の戦いってめちゃくちゃ熱いですね……。
そして次巻は満を持して天衣のターン。本当にゾクリとさせられる引きでした。こ
れ以上この作品を読むのが、本当に怖すぎる。


岬 鷺宮「日和ちゃんのお願いは絶対5」

これにて完結。これがセカイ系ってやつか!
滅びゆく世界を前に、絶対的な能力で立ち向かった日和ちゃんと、彼女に寄り添うごく普通の少年の頃橋。
どんどん規模の大きな話になる中で、最後まで恋愛小説を貫いた作品でした。
勇気を出して誘っている女の子を前にして、優しさを盾に断る頃橋は青すぎる主人公でしたねえ。
しかしこれほど優しく純粋な頃橋だったからこそ、たどり着けた結論だったとも思います。
卜部もストーリーの深いところに関わってくる立場だったので、ひとつ彼女にも幸せなオチがついたら良かったのですけれど。
現実の世界情勢がシャレにならない雰囲気になっていく中で、こういう前を向いて繋いでいける作品を読めたのは良かったと思います。


西尾 維新「掟上今日子の家計簿」

短編集の今回のテーマは、クイボノ、叙述トリックなど、ミステリテーマが多めでした。
ミステリ好きの方には、ぜひ読んでみてもらいたいエピソードが多かったですね。
「掟上今日子の叙述トリック」は物語の大半を叙述トリックの概説に費やしているんですが、自分が叙述トリック大好きなのもあって楽しく読めました。
単発で読むとなかなかに奇抜でマジかよとなるトリックの作品があったりもするのですが、その中でミステリテーマの作品をまとめてあることで1冊としての完成度がグンと上がっている印象です。
…どのへんが「家計簿」だったのだろう


川原 礫「アクセル・ワールド12 ‐赤の紋章‐」

加速世界に蔓延するISSキットの秘密の一端が明らかになるエピソードでした。
第1巻から長きに渡って隠されてきた真実も明かされるなど、今後の展開への布石がバンバン打たれています。
この巻の中ではチョコレート装甲を持つデュエルアバターとの共闘がおもしろく、ゲストキャラだとは思うのですがかわいかったのでまた再登場してくれたら嬉しいですね。
複数の人格を併せ持つウルフラム・サーベラスや超でかいアボカド・アボイダなどどんどん個性派アバターも登場してきてすごいことになってきました……


高村 資本「恋は双子で割り切れない」

久しぶりにライトノベルで、陰湿でうじうじしててどろっどろな恋愛小説を読んだ気がします。
めんどくさい恋愛小説が読みたければ、まず間違いなしです。
双子の姉妹との恋愛関係がこじれきっている状態からスタートして、三角関係が最初から泥沼で最高でした。
妹の那織はオタク趣味にずぶずぶで言い回しや態度も斜に構えていて、おっぱいは大きく全体的にむちむちで、純のことが大好きで……ちょっと待ってくれ。俺が純なら一瞬も迷うことがない、っていうくらい那織が飛び抜けて可愛すぎる。
3人それぞれの一人称視点で物語が進むのだけれど、那織の地の文があまりにもめんどくさいオタク全開で、刺さる人にはめちゃくちゃな深度で刺さるヒロインだと思いましたね……。
1冊かけてようやく三角関係はスタート地点、というところにおさまりはしたものの、個人的にはもう那織に幸せになってほしいという気持ちでいっぱいです。
璃々須に指摘されてるとおり、今のところは負けヒロインの空気がすごいけど……!


個人的な今月のお気に入り作品トップ5

第1位/りゅうおうのおしごと!16

第2位/恋は双子で割り切れない

第3位/アクセル・ワールド12 ‐赤の紋章‐

第4位/掟上今日子の家計簿

第5位/日和ちゃんのお願いは絶対5