11月に読んだ本でよかったやつ
11月に読んだ本でよかったやつを、多少の備忘録とともに書き残しておくやつです。
谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 第12巻」
https://www.amazon.co.jp/dp/4757556241/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_nyq6Db4EZGFGC
修学旅行の頃からあった新しい交流が徐々に膨らんでいき、雪の日を境に明確に何かこれまでのぼっち道とは別方向への舵を切り始め、そうしてこの巻で一気に新ルートへと突っ走り始めた感じです。
とにかくいろんなクラスメイトや先輩後輩とのやり取りがあって、悲喜こもごもいろんなエピソードが楽しめて嬉しい。
個人的には、今江さんとのやり取りが最強だったのと、サラッと流していた入試の時のエピソードの昇華のされ具合がやばかったです。
あと、魚釣りのエピソード、なんてことないくせにかなり良いです。
氷高悠「あなたのことを、嫌いになるから。 」
https://www.amazon.co.jp/dp/4065169704/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_Rzq6DbVV2TBKZ
感情が昂ぶると死に至る病に侵された主人公と、そんな事情を知らずに好意をぶつけてくる天真爛漫な女の子の物語。
まずタイトルがいい。そして、表紙がいい。
好きになったら死ぬけれど、それを押してでも好きになってしまった人がいる。
恋愛小説としての主人公やヒロインたちの葛藤が他の作品とは違った味付けになっていて、その上でふたりで決めた選択はとても良い読後感でした。
このままふたりが最後まで幸せになれるかはわからないけれど、それは、きっと、燈香さんや春乃がなんとかしてくれる、さ……?
横田卓馬「ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話 第1巻」
https://www.amazon.co.jp/dp/4065172268/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ZAq6DbXGA5QT1
めちゃくちゃおもしろいなこれ。
真面目だけど融通の効かない風紀委員と、そんな彼とは真逆なタイプである今どきのJKのポンコツラブコメ。
……なんだけど、話が進むに連れてポンコツ風紀委員の他にも元ヤン保健委員とか内弁慶図書委員とかいろんな残念イケメン委員が登場し、彼らのポンコツバカっぷりと微笑のツッコミの冴え渡り具体がめちゃくちゃおもしろい。
個々のキャラがわかりやすい上でテンポも良いので読みやすく、今後も続けて楽しみたい作品。
微笑の友達ふたりも、程よい個性があって今後ますますの活躍を期待したい。
しめさば「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。3」
https://www.amazon.co.jp/dp/4041070856/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_YBq6DbR9AKEYM
吉田の職場に突如現れた、高校時代の元カノ・神田先輩。
そんな彼女を通じて、吉田の人となり、彼の美点と欠点を強く浮き彫りにしたエピソード、でした。
一方、沙優の方にもついに大きな動きがあり、ここからまとめに突入するのかそれとも……!? といったところ。
柚葉が好きなので、彼女に注目したエピソードが多めだったのは嬉しいですが……好きだからこそ切なさも感じてしまいます。
そして煽りを食らったかのように一気に出番が減る後藤先輩。
ヒロインたちの浮き沈みが激しい……。
藤まる「明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。」
https://www.amazon.co.jp/dp/4048913298/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ZCq6DbJ9K3CQY
発売当初けっこう話題になってて興味あったんですが、6年半経ってやっと読めたっていうね。
意味深なタイトルの意味が分かってくる、序盤40ページのワクワク感は読んでてとんでもなかったです。
ストーリー的には少し勢い任せなところや、ギャグの主張が強すぎるところもあったんですけれど、むしろライトノベルだからこその楽しさ重視の作風は好感を覚えました。
ヒロインである光はお転婆娘でやりたい放題、クラスメイトのかすみちゃんも男の子の読者をどぎまぎさせてしまうような可愛らしさがあってめちゃくちゃ良かったです。
ヒロインである光は物語が始まると同時に死んでしまうのにも関わらずストーリー中ではあまり暗さを感じるシーンが無く、設定に反し、楽しく、おもしろく、そして萌えながら読める作品だったと思います。
もっと早く読めばよかったなあ!
村上春樹「1Q84 BOOK 3」
https://www.amazon.co.jp/dp/4103534257/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_dEq6DbYZMQV6Y
これまで読んでた村上春樹さんの作品はどれもあまりピンと来て無かったんですが、これはおもしろかったです。
月の2つある世界「1Q84年」に紛れ込んでしまった青豆と天吾というふたりの男女が、ともに大きなトラブルに巻き込まれ、孤独を生き、そして長い時間をかけて巡り会う。
作中時間で9ヶ月、3巻に渡る長い長い物語なんですが、主軸としてはふたりの巡り会いそれ一つに収束します。
それぞれの行動の結果があちこちに影響を与え、すれ違い、そしてつながっていく様はひとつの物語として計算され尽くしていてかなり満足度が高かったです。
岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ4」
https://www.amazon.co.jp/dp/4049128004/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_.Eq6Db06K2R56
あとがきより、シリーズの前半と後半の橋渡し的な位置づけとなるコミカルな修学旅行エピソード。
二重人格の女の子との恋愛小説で、今巻は秋玻と別れてからぼんやりしっぱなしの矢野を元に戻そうというお話。
正直なところ、「矢野がぼんやりしている」だけで逼迫感があまりなく、全体的にふわっとした印象を受けてしまいましたが、ラストでうまく3人の関係を再構築できたのは良かったです。
あと、エピローグがとても希望のあることを言っているのに不穏な空気で、次巻からの後半エピソード……秋玻/春珂編も期待して読んでいきたいと思います!