2021年12月に読んだ本まとめ
2021年12月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。
したらなな「結目ねむりはシテくれなくもない 第1巻」
気になる女子のクラスメイトのエッチな夢を見たら、その夢がご本人に全て筒抜けになってしまってるエッチなラブコメです。
夢なのでエッチな妄想をしてしまえばすぐさまそれが反映されてしまい、服を脱がされたりお風呂に入ったりとトラブル続出です。
とにかくヒロインの結目ねむりさんが、エッチな体型でかわいい!
性格はツンデレで「夢だから……」という言い訳を盾に、カンちゃんのエッチな要望に応えてくれなくもないのが最高です。
こんな女の子のエッチなラブコメが読めるのは、とても幸せなことですね!
これからも続刊が楽しみです!
青柳碧人「むかしむかしあるところに、死体がありました。」
これ、めちゃくちゃ凄かったです。
一寸法師や花咲か爺さんといった昔話のエピソードで殺人事件が起こるという昔話ミステリなんですが、出オチみたいな設定なのにミステリとしての完成度がめちゃくちゃ高い!
全部で5つの短編が収録されているのですがそのどれもが方向性の異なるミステリで、読み終われば「なるほど、やられた!」と思わず膝を打つような驚きに満ちていました。
おなじみの昔話を題材にして、ここまでおもしろいミステリに仕立て上げてるのは本当にすごいです。
個人的には「花咲か死者伝言」と「つるの倒叙がえし」が特に秀逸に感じました。
変わった設定の作品だと思うのですが、ミステリというか読書体験としてかなり良かったです!
暁佳奈「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下」
めちゃくちゃ凄かったです。
破壊的なまでの武力を持つ少女兵として生きたことや、少佐との離別など、いろいろなことがありました。
しかしこの作品は、単なるヴァイオレットというひとりの女の子の恋物語に過ぎないのです。
下巻ではヴァイオレットが働くC・H郵便社の従業員たちにもスポットライトが当てられ、少女兵でなくなったヴァイオレットの生き方が描かれていました。
自動手記人形としてのエピソードのひとつひとつも涙腺を刺激されるものばかりで、とても良かったです。
感情の希薄なヴァイオレットが、少佐への想いを胸のうちで膨らませていく様子が、胸に迫るような文章でとても丁寧に描かれていました。
クライマックスではアクションあり、驚きの展開あり、そして恋物語あり、と盛りだくさん。
上下巻という短い中で、あらゆる感情を刺激されたような感覚です。
ヴァイオレットが自動手記人形として旅をして回る物語をもっと長く読んでいたかったと思うくらい、素敵な作品でした。
雨川透子「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する1」
これはとてもいい作品でしたね……!
悪役令嬢っぽくはないし自由気ままな花嫁生活を満喫するというのも少し違った印象を受けるのですが……お話自体はとてもおもしろかったです。
公爵令嬢のリーシェが過去のループ人生で商人や薬師、騎士として生きて習得したスキルを武器に、半ばチートじみた完璧さで周りを驚かせる展開はとても楽しいものでした。
それだけでなく、敵国皇太子のアルノルトの抱える秘密だとか、もともとの経験以上に今のリーシェの機転が効いていたり、次の展開が常に気になる、良い作品でした。
鴨志田一「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」
麻衣さんの母親違いの妹、豊浜のどかと、麻衣さんの身体が入れ替わってしまう思春期症候群の物語。
できすぎた姉と常に比べられ続けた妹、という観点で見ると、のどかが自分を受け入れて、姉を受け入れて、周囲の環境を受け入れるまでのストーリーがとても丁寧に描かれていました。
相変わらず咲太とヒロインたちとのやりとりはおもしろく、そしてかわいらしい。
今回出番は控えめでしたが、朋絵がとてもかわいかったです。
のどかは素直に感情が出やすい娘なので、彼女の抱える負担が胸に迫るほどに伝わってきた、そんな1冊でした。
梵辛「くちべた食堂」
初めて入った食堂のファンになったお客さんと、食堂のお姉さんが、お互いいろいろ言いたいけどなかなか言えないくちべたコメディ。
店員さんとお客さんそれぞれかわいくて、あったかい気持ちになれますね。
推しを支えたいヤナギさん、生徒との関係性もフランクだし、見た目もおしゃれだし、かなり好みのキャラクターでした。
古寺谷雉「項羽と劉邦、あと田中4」
斉を抜けて楚へとやってきた田中が、歴史を変えるべく暗躍します。
秦との戦いも佳境になってきたところで、お話も盛り上がってきました。
項梁を生かすために田中が忠言したことから、さらに物語が発展していきました。
楚漢戦争の超重要人物もとんでもないかたちで登場してきて、かなりワクワクする展開でした。
物語はかなりじっくり腰を据えて描かれていて、「項羽と劉邦」好きとしてはとても楽しいですね。
とはいえ、そろそろ大きな山場も見せてもらいたいところではあります。
秦との激突と、斉の大立ち回りに期待しつつ続刊を待ちます。
井上かえる「女子高生の放課後アングラーライフ」
これ個人的にけっこう好きですね!
関西の高校に転校してきた女の子・めざしちゃんが、アングラ女子会という釣り同好会と出会う物語です。
釣りを通して女子高生たちの友情……かなり百合寄りの……が描かれているのですが、シンプルに仲良しになるだけでなく、紆余曲折あって絆を確かめ合う展開はとても楽しめました。
めざしちゃんが、ただ気弱な女の子なだけではなく、苛烈な面も持っているところが良かったです。
釣りがテーマなので、釣り絡みのエピソードや描写が登場するのも楽しいですね。
白身魚さんのイラストがずっと最高でした。
有象利路「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 痛 〜愛弟子サヨナと今回はこのくらいで勘弁しといたるわ〜」
あらゆる界隈に喧嘩を売りまくる超下品なラノベらしき文章が収められた奇書の続刊です。
下品さがかなり加速しています。
お尻、SM、風俗……およそ青少年向けには好ましくない描写が数ページおきに飛び出す地獄。
なのにギャグの繰り出し方は洗練されていて、あらゆる言葉遊びが盛り込まれているのが憎たらしい。
数少ないかわいいだけで済んでるキャラのユズは、挿絵がとても素敵でした。
1巻を読んだ人でも、覚悟して臨んでほしいレベルの第2巻……でした。本当に。
宮澤伊織「裏世界ピクニック7 月の葬送」
今巻では、シリーズ当初より重要人物のひとりとして描かれていた閏間冴月との決着が描かれています。
裏世界に取り込まれてしまった冴月を、如何にして無力化するか。
裏世界の特性を空魚なりに分析して挑む今回の葬送は、非常におもしろかったです。
そして、相変わらず唐突に襲いかかる裏世界の不条理は、とてつもなく怖かったです……。
冴月への決別のシーンでは、これまでのシリーズで見てきた鳥子や小桜たちの想いに明確に終止符が打たれることとなり、とても印象的。
掴みどころの無い潤巳るなの活躍などもあり、非常に満足度の高い1冊でした。
よむ「がんばれ同期ちゃん 第1巻」
pixiv・ツイッターで連載中の会社員ラブコメが本になりました。
最初の出張編から結婚式編のあたりまでが収録されています。
こうしてまとめて見ると、かなり際どい描写というか、エッチなイラストがすごく多いですね……。
最初期の頃は作者さんがよく描いていたタイツが特に力入っていたのが分かります。
元々イラストだけだった本作が、話の流れがわかるように合間合間のストーリーも補足的に追加されている感じです。
急に出てくる後輩ちゃんがとても好きです。
個人的な今月のお気に入り作品トップ5
第1位/ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下
第2位/むかしむかしあるところに、死体がありました。
第3位/裏世界ピクニック7 月の葬送
第4位/ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する1
第5位/青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない