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バカな女と付き合いたい。

本を読むのも早い。
1日に一冊読むこともあるの。
ほんとに⁇ 

だから、頭がいいってこと?
えーと…

違う違う。…そんなことない。
ただ、物知りなだけ…
歩くウィキペディアみたいな感じ。


ふーん…僕は年に一冊くらいだな。
ごめんね。
…その代わりあなたはイケメンだから!
知識とルックス両方持ってるなんて、虫が良すぎる…。


最近見た海外ドラマでのカップルの会話。
夜道を歩きながらお互いのことを話している風景。





見ていて一体、なにが「ごめんね」なんだろうと思う。
なぜ謝る。


「俺勉強とか出来ないから、ごめんね…」と私にいった人も、いったい何がごめんね、だったんだろうか。

そっくり似たような会話をしたばかりで、ああ、世の中ってそう言うものなんだと、妙に納得してしまった。


「私はこんな人なの」って、ただ自己紹介みたいに好きなことを話していただけなのに。
いつのまにか、女性の方は明らかに、罰が悪くなったみたいにどぎまぎしだす。




頭がいいんだ⁇

という問いの言外には

(君は僕よりも頭がいいと言いたいのか?)

という意味が含まれているからだ。



それでもって、その延長には

「男としての僕の顔をたててはくれないのか」

という気持ちが少なからず隠れているような気がする。


この微妙な空気を女性はあるところで察知する。
だから、急に申し訳なくなって、でしゃばりすぎたんだ、と自分のことを卑下するか、相手のフォローに回ることになる。
せっかくいい雰囲気なのに嫌われたくないから。



こういう人に会った時、衝撃だった。
異国のカルチャーショック並みだった。


私が話す趣味の話を、自慢とかマウント取りと勘違いして、気分を害す人に初めて会った。

これがもし、読書ではなくて。
スポーツだったら。
映画鑑賞だったら。
それでも、「ごめんね」は出てくるのかな。



誰かと付き合おうとするときに、人によっていろんな理想があると思う。

おもしろい人がいいとか、優しい人がいいとか性格的なものもあれば、

お金持ちと付き合いたいとか、
自分よりも頭のいい高学歴の人とと付き合いたいとか、

大きな声ではいえないけれど、相手のステータスで判断しているところもあるだろう。

ヤマトナデシコの松島菜々子みたいな、超お金持ちじゃないと絶対ダメ!という理想を掲げる女の人だっていると思う。


だけど、自分よりも愚かな女と付き合いたいというマイナスな価値基準に、私はこれまであったことがなかったんだ。



初対面の女に「趣味は読書です。」と一言言われただけで卑屈になって、「俺は勉強できないから…」とぽっきり折れる自尊心とは…
いったいなんなのか。
勉強のことなんて少しも話していないはずなのに。


心配になるレベルかも。
自己肯定感を高めるいい本紹介するから、読んでみたら…?なんて思っちゃう。

それこそ、可愛げがないって思われるんだろうな。




しかし、何を読んでるかもわからないまま、読書=頭がいいだなんてのも単純すぎる話だ。
どんだけ、本を高尚なものと考えているのだろうか。
読書にだって色々ありますよ。
読んでるからって、頭が良くて勉強できるとは限らないよ。

そもそも、こちらとしては生きづらさをなんとかしたいから本を読んでるの。
つまり、極端なこと言うと、
バカだから、無知だから、
人の手を借りて武装しないと生きていけないから、本を読んでるわけで。

弱い自尊心を本で精一杯武装して、なんとか生きてるの。


それを自分よりバカな女と付き合うことで、自尊心を補おうだなんて。
それこそ虫が良すぎる話じゃないだろか。
パートナーをアクセサリーか何かと勘違いしているのでは。

これは、ハイスペックかどうかで相手を判断する女性にも言えることだけど。



でも、思い返してみると、ハイキャリアで働く彼女といることが辛くなって、別れてしまった話とか、自分が最低な人間と思っているからこそ、自分にはふさわしいとあえて最低な人と付き合う話とか。

映画でも本でも、そういう話って今までにも見たことあったかもしれない。

そういう話の心理的カラクリが、今ならすごくわかる気がする。


ある程度、しょうがないといえばしょうがなくて。
つまるところ、身の丈に合っているということが相性の良さにつながるのもわかる。
性格だけ良ければどういう仕事をしてても万事OKという単純な話ではないこともわかる。




ただ、無性に引っかかってしまうのは、

女性は男性を、尊重して然るべき。

みたいな日本に限らない万国共通のステレオタイプ的なものが見えてこなくもなくて、ちょっと嫌な気分になるからだと思う。

もしくは、男性側視点になると、

男は女よりも強くあるべき、

みたいなプレッシャーとも言える。

こういうあるべき姿が、つまらない物差しを生み出すのかもしれない。


結局、相手のことなんて見えていなくて。
目線は常に自分の方向を向いているわけだ。



そんなつまらないところにばかり目を向けてないで。

もっと自由でいられたらいいのに。














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