宅建に落ちた日
宅建に恋してた。失ってから気づいてしまった。
7月から10月までの3か月間、自分なりに全力でやった。
受験勉強したのも、合格率15%程度のシビアな試験を受けたのも久々だった。
通勤で往復1時間、帰宅後に意識を失いながら2時間。
在宅で仕事をちょろまかし数時間、休日に全部捨てて10時間。
正直、旅行も行ったし映画も見たし丸一日スマホ片手に横たわってた日もあるけど、それでも、久々に全力で自分なりに頑張ったのだ。
「私は頑張りました」とちゃんと言えたのは、大人になって初めてかもしれない。
緊張しすぎて試験前にサンボマスター聞きながら震えて泣くほど私は本気だった。
今年受からなければ死ぬわけでもないし、資格が今すぐ何かに役立つわけでもない。
じゃあなんで受けたかというと、これは自分なりの清算だったからだ。
5、6年前に先輩達が受けていたのでとりあえず私も受けたけど、ほぼ無勉でもちろん不合格。当時のテキストも受験票もためらないなく捨てた。そんなのは黒歴史だから。
でも、宅建に限らず最近の私は過去の自分を清算をしたがる傾向にあって、TOEIC受けたのも自分への復讐だったので、ここでいっちょやってやるかという気持ちだった。
正直、書きながら思うけど、別に誰からも強いられず、自分への復讐心だけでストイックに勉強する姿勢、結構すごくない?
でも私は誰に頼まれなくても、自分で自分のために頑張るのが本当に一番頑張れるのだ。
ただ、当日まで受かる実感が全くなかった。
過去問13年分を5回以上やって、重要なポイントは頭に入ってるはずなのに、いざ過去問と違う形式で出されるとうろたえてしまう。
私は結局、この弱点を克服できなかった。結局ツメが甘かったのだ。
試験中、わからなすぎて手が震えたし、うろたえてケアレスミスをしまくった。
結果は速報値で35点。昨年の合格点には、まったく及ばなかった。
私はまたサンボマスターを聞きながら、自己採点した問題用紙を掴み泣いた。
自分のために悔しくて悲しくて泣いたのは本当に久々だった。
その日の夜に、次の日の通勤中に、もう試験勉強をする必要がないことに気付いて、自分が向くべき方向が、やることがなくて困った。
それで気づいたけど、これは一種の失恋だ。
私のスマホのカメラロールは、テキストの自分の弱点をスクショした画像で埋め尽くされていた。
それをスワイプしてたら、なぜか山崎まさよしの One more time,One more chanceが頭に流れた。
いつでも探しているよどっかに君の姿を 交差点でも夢の中でも こんなとこにいるはずもないのに。
35条と37条書面との違いが、建築基準法が、不動産登記法が、わがままな借地借家法が、なおさら愛しくさせた。
誰かに恋したり、何かに憧れたりした熱量は、終わってしまえば、その人にも届かず、誰のためにもならずに、いったいどこに消えてしまうのか。
なんとなく空気になって、さまよい続けてずっとそこにあるのか。
自分を犠牲にして我慢して、周囲の声に答えられなくても、努力は決して無駄にならないというけど、じゃあ何になって残るのか。
自分なりに頑張って無駄に終わったこの数か月が、今後何か良い影響を及ぼすなんて、落ちてしまえばそんな綺麗ごとは言えるない。
失恋と試験勉強を同一視しながら、私は今もこの喪失感について考えてる。
とか浸ってたら、試験終了から数日して、まさかの各予備校の合格予想ボーダーで35点±1が多数派になっていて、35点ジャストの私が一握りの希望をエサに真綿で首を絞められる状態になった。
というわけで、伸るか反るか一触即発のチキンレースは12月1日までお預けです。
12月1日は休みます。どちらにしてもまたサンボマスターを聞きながら泣かないといけないので。
●勉強メモ
・7月~9月中旬まで:テキスト通読+スタディングの動画視聴、分野別過去問13年分3回。
・9月下旬:LECの予想模試問題集は4回分ほぼ30点前半。
・9月下旬:予想模試の結果がショックすぎたので全力出す。
Youtubeの宅建みやざき塾にお世話になる。
9月中に過去問をさらにやりこんで計6回。年度別過去問題集45~48点。
・7月~10月までの合計勉強時間:約240時間。
●追記
すいません、思い切り自分語りした後ですが、受かってました。
会社は休みませんでしたが、サンボマスター聴きながらやっぱり泣きました。