オリンピックと文化プログラムについて②
では、大成功だったと言われる
2012年のロンドン大会では、どのような取り組みが行われていたのか…
【文化プログラムby ロンドン2012】
ロンドンオリンピック文化プログラムでは、イギリス全土でイベントが開催され。
ロンドン 2012 フェスティバルで最高潮に達するよう 4 年にわたっ ての実施となりました。
【どんなことをしたの?】
①The big concert
天才的な若手指揮者として、世界で最も注目されているグスターボ・ドゥダメルが、ベネズウェラ・シモン・ボリバル交響楽団を率いて、スコットランドのスターリング城前にて、1日限りの野外コンサートを開催。
②Globe to Globe
「グローブ・トゥー・グローブ」は、シェイクスピアの全戯曲を、一作品ずつ異なる言語で演じようという試みで、全37作品を37のプロダクションが上演する。
英語はもちろん、アラビア語やマオリ語、手話なども登場。
③Big dance 2012
イギリス中から集まった何千人ものダンサーやパフォーマーたちが、トラファルガー・スクエアに集合 、一斉にダンスを披露するイベント。
フラッシュモブ。
さらに、トラファルガー・スクエアだけに留まらず、イギリス各地で同様の催しが行われる。
振り付けを担当したのが、英国のコンテンポラリー・ダンス界に多大な影響力を与えるロイヤル・バレエ団の常任振付家、ウェイン・マクレガー。
④BT River of Music
オリンピックとパラリンピックの205の参加国すべてを代表する無料音楽祭。
各大陸を模したステージが6つ。
1530組のアーティスト。
12万5160人の観客。
【結果】
○期間
Cultural Olympiad:2008年9月-(4年間)
London 2012 Festival:6月21日-9月9日(12週間)
(Olympics:7月17日-8月12日、Paralympics:8月29日-9月9日)
○テーマ・ビジョン
「Once in a Lifetime(一生に一度きり)」
イギリスの誰もがロンドン2012 に参加するチャンスを提供し、あらゆる文化に共通する創造性を、とりわけ若者たちに、喚起させること
○参加アーティスト
アスリートと同じ204の国と地域から4万464名が参加
London 2012 Festivalには、2万5,000名
新進アーティスト6,160名、障がいのあるアーティスト806名
音楽、演劇、ダンス、美術、文学、映画、ファッション等
○ イベント総数
17万7,717件
(London 2012 Festival 33,631件)
○会場
イギリス全土 1,000箇所以上で開催
(地方小都市、町村含む)
文化施設+歴史的建造物、公園、通り、広場、自然環境、浜辺など
会期中は郵便番号、芸術分野でイベントを検索可能
○ 参加者数
4,340万人(うち無料イベント:3,980万人、ロンドン以外:2,580万人)
【費用は?】
イベントの費用は、9700 万 ポンド(約 147 億円)を超え、アーツカウンシル・ イングランド、レガシー・トラスト UK、オリンピ ック宝くじの分配機関から資金調達されました。
関 連した公的資金は、実質国営宝くじから出、その一 部はオリンピックに使用された土地をのちに売却 し、再び宝くじに払い戻されました。
【運営側の実際の声】
実施後発表されたレポートのタイトルは” Square pegs and round holes”(丸い穴に四角い杭を打ち込む)。
それほどこの文化プログラムは大変だった、と。
それに、スポーツを見に来る人はスポー ツを見に来るのであり、他の事には興味がないということ。
ちなみに…
【次回、2016年 リオデジャネイロ大会では?】
五輪スタジアムで実施された開閉会式を除いて、実際には組織委員会による文化プログラムはほとんど何も実施されなかった。
その理由としては、予算の欠如、人員の欠如、人材の欠如を指摘することができる。
では、2020年 東京オリンピックではどんな文化プログラムが行われるのか…
楽しみです。
[参照]
「ロンドンオリンピック文化プログラムと博物館
London 2012 – Culture and Museums
へドリー・スウェイン」
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