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『シン・仮面ライダー』感想

今回の仮面ライダーは、やたらヘルメットを脱いだり被ったりする。海辺でヘルメットを外しては涙を流し、被っては敵と戦い、一段落すると再び脱いで…。こいつ何回ヘルメット脱ぐねんと思った。またヘルメット被ってるときは変身後のはずだが、なぜか首筋の地肌とロン毛が見えている。エヴァの中身(赤い繊維質)が見えて血が吹き出したとき、「エヴァってロボットではなくて、巨大な生き物に鎧みたいな拘束具をつけてたのか」と驚いたのを思い出した。ヒーローに変身後にもかかわらず、変身前の生身の部分をチラ見せするセンスが庵野好みというか。

また仮面ライダー2号が変身後に自己紹介しながら変身ポーズ取ってるのはちょっと笑った。どこかで変身ポーズ使いたかったのか?1号と2号が協力してラスボスと戦うシーンでも「いくぞ」「おう」とか言いながら2人で変身ポーズ取ってたけど、もはやただの決めポーズと化している。変身ポーズの意味ないやん…。

肝心の内容だが、肉弾戦が出てこない。私の知ってる昭和ライダーでは、スタントマンが足を高く上げてキック、ライダーを取り囲んだたくさんのショッカーがバク転しながらジャンプして…といった大立ち回りが見どころだったけど、本作ではスタントマン(格闘技や体操できる人)はほとんど参加していない(私が気づかなかっただけかもしれないが)。アクションはすべて特殊効果やカメラワークで処理していると思われる。変身後も多くのシーンで本郷猛役の俳優が顔出ししており、いわゆるスタントマンに頼らずに制作されたのかもしれない。

そういえば砂浜のまったりシーンで、本郷猛役の俳優が脈絡なくバク宙していた。バク宙の瞬間、遠くからのカメラに切り替わったので別の人かもしれんが。ていうか、バク宙するなら戦闘中にやってくれよ…。

壮大な重化学工業地帯で、ライダーが米粒サイズのバッタのようにぴょんぴょん飛び跳ねながら怪人と戦うシーンはそれなりに見応えがあったけど、どうしても私の大好きなシン・ゴジラと比べてしまう。ゴジラなら街ごと破壊するのでCGならではの表現ができるけど、しかし仮面ライダーに街ごと破壊する力はないしな…。どうせなら渋谷の繁華街で、人間サイズの仮面ライダーが通行人に交じりながら高速で飛び跳ねつつ、人間サイズの怪人と戦うシーン(通行人は戦いに無関心)などがあると、変身ヒーローの人間性が垣間見えて楽しめた気がする。それってスパイダーマンのことか。

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