【時事ネタ】 航空各社は、コロナ規制にどこまで持ちこたえられるか?
航空株を購入直後にトランプ米大統領が入国規制を発表、いきなりの急落に身悶え中の浜村です。
こんな風に含み損を報告している私はまるで投資ブロガーみたいですね。いいですね~笑
投資先が倒産した日にゃ……もう、たまりません~(^^)/
そんなわけで、航空会社の倒産が懸念されているけど、大丈夫なのか?
勝手にシミュレーションしてみました。
§ 航空各社は、コロナ規制にどこまで持ちこたえられるか?
コロナ規制に伴い、航空会社の減便が始まっていますね。
少し前の記事ですが、PRESIDENT Online(2月10日付)で、スカイマーク社の会長にインタビューが行われています。
・新型コロナ、「全便運休」なら航空会社は何カ月で倒産するのか
https://president.jp/articles/-/32879
このインタビューによれば、スカイマーク社の2019年度の経営状況は、売上高が約900億円、営業利益が約70億円とのこと。
簡単にいえば、その差額の約800億円以上が、1年間の固定費となる。1ヶ月当たりになおすと、固定費は約70億円。
同社の現預金は約100億円であり、それだけで維持できるのは2ヶ月弱。また融資枠が200億円あり、それを入れても4 ヶ月余りで尽きる。
同社の場合、借入金がないため、長期の運休にも対応できる。一方、すでに借入金が多い会社は、運休期間が長引くと、厳しい経営状況になるだろう。
スカイマーク社の会長はこのように述べています。
航空各社は、コロナ規制にどこまで持ちこたえられるでしょうか?
最悪の事態を想定して、シミュレーションしてみました。
全便運休、さらに融資なしの場合、手元のキャッシュで資金繰りできるのは何ヶ月か。
簡単にまとめたものがこちらです。
手元キャッシュは固定費の何ヶ月分か:
・1ヶ月:デルタ航空、キャセイ航空
・2ヶ月:サウスウエスト航空、エアアジア
・3ヶ月超:JAL
・不明:ユナイテッド航空
※売上高-営業利益=固定費、と仮定。
財務データは2019年。あくまで素人の計算です。鵜呑みにしないでね。
ちなみに日経新聞の記事(3月19日付)では、売上高に対する手元の現預金で計算。
大手航空会社の場合、売上高に占める固定費の割合が9割くらいなので、上記見積もりとほぼ同じ結果となっています。
現預金は売上高の何か月分か:
・1ヶ月弱:デルタ航空、シンガポール航空
・1ヶ月:アメリカン航空、ルフトハンザ・ドイツ航空
・2~3ヶ月:ANA、JAL、エアアジア
3月7日付の記事によれば、「手元の現預金は日系2社が厚め」とのこと。
§
個人的な印象を述べれば、渡航規制は各国政府の過剰反応です。
3月半ば現在、中国では新規感染者が減少し、工場の操業が条件つきで再開されつつあります。
欧米でのコロナ流行が、中国の1~2ヶ月遅れと考えれば、コロナ規制がいつまでも続くはずがない。
浜村はそう信じています。
がんばれ航空!規制に負けるな!
以下、各社比較メモ
●デルタ航空
・売上高(収益):470億ドル/年、40億ドル/月
・営業利益:66億ドル/年、5億ドル/月
※経常利益もほぼ同じ
・固定費:35億ドル/月
・手元のキャッシュ:20~25億ドル
・毎月の固定費が35億ドル、手元のキャッシュが20~25億ドル。
→コロナ規制で持ちこたえられる期間は1ヶ月弱か(全便欠航、融資なしの場合)。
・自己資本比率23%
・株価:PER6倍、PBR2倍、ROE30%、ROA8%
●ユナイテッド航空
・売上高(収益):400億ドル/年、33億ドル/月
・営業利益:30億~40億ドル/年、3億ドル/月
※経常利益もほぼ同じ
・固定費:30億ドル/月
・手元のキャッシュ:不明
・自己資本比率20%
・株価:PER4倍、PBR1.1倍、ROE26%、ROA7%
●サウスウエスト航空
・売上高(収益):200億ドル/年、16億ドル/月
・営業利益:30億ドル/年、2.5億ドル/月
※経常利益もほぼ同じ
・固定費:13億ドル/月
・手元のキャッシュ:25億ドル
・毎月の固定費が13億ドル、手元のキャッシュが25億ドル 。
→コロナ規制で持ちこたえられる期間は2ヶ月か(全便欠航、融資なしの場合)。
・自己資本比率37%
・株価:PER10倍、PBR2.4倍、ROE23%、ROA9%
●キャセイ航空
・売上高(収益):1100億香港ドル/年、90億香港ドル/月
・営業利益:30億香港ドル/年、2.5億~3億香港ドル/月
※経常利益:20億香港ドル/年、1.7億香港ドル/月
・固定費:87億香港ドル/月
・手元のキャッシュ:50億香港ドル
・毎月の固定費が87億香港ドル、手元のキャッシュが50億香港ドル。
→コロナ規制で持ちこたえられる期間は1ヶ月弱か(全便欠航、融資なしの場合)。
・自己資本比率30%
・株価:PER17倍、PBR0.6倍、ROE2.5%、ROA1%
●エアアジア
・売上高(収益):120億リンギ/年、10億リンギ/月
・営業利益:7億リンギ/年、0.5億リンギ/月
※経常利益:-5億リンギ/年、-0.4億リンギ/月
※流動資産50億リンギ、流動負債80億リンギ
・固定費:10~12億リンギ/月
・手元のキャッシュ:20~25億リンギ
・毎月の固定費が10~12億リンギ、手元のキャッシュが20~25億リンギ。
→コロナ規制で持ちこたえられる期間は2ヶ月くらいか(全便欠航、融資なしの場合)。
・自己資本比率27%
・株価:PER8倍、PBR0.7倍、ROE-5%、ROA-2%
●JAL(日本航空)
・売上高(収益):1.4兆円/年、1100億円/月
・営業利益:1400億円/年、110億円/月
※経常利益はほぼ同じ
・固定費
A)売上高-営業利益
→1000億円/月
B)JAL社の場合、固定費は売上高の4割という情報を発見。ホントか?
→500億円/月
・手元のキャッシュ:3000億円
・毎月の固定費が1000億円/500億円、手元のキャッシュが3000億円。
→コロナ規制で持ちこたえられる期間は3ヶ月/6ヶ月くらいか(全便欠航、融資なしの場合)。
・自己資本比率60%
・株価:PER8倍、PBR0.6倍、ROE13%、ROA8%
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