発話の前の頃を記録しておきたい

息子は最近ほんとうによく喋る。あまりに喋るので、普通に話しかけている。意思の疎通がどんどん取れていくと、あれ、なんか寂しい、と思った。
嬉しいのに、寂しい。何かを忘れていっている気がする。新しいことに上書きされて、脳が、心が、どんな気持ちだったか思い出せなくなりそう。それを強く思ったのがワンオペした日だった。ごはん、昼寝、散歩、風呂。息子と二人きりで過ごした際に、「あれ、こないだまでどんなんだったっけ」となった。

薄れていく前に、記録として残しておきたい。

以前はわかっているかどうか不明なまま、今日は公園に行くよ、今日はお友達と会うよ、今日のご飯はカレーだよ、と話しかけていた。少しずつ、こっちが言っていることはわかっているのだな、と実感していた。

麦茶飲む?と聞いたときに口をパカッとあけて「ストローを迎える口」の形で待つ。

ヨーグルト食べる?と聞いたときは食べたいときは目が輝き、冷蔵庫の方を向く。食べたくないときはこちらをじーっと見ている。

出かけるよ、と声をかけると玄関にてってってと歩き靴を探している。

親が食べているものを食べたいときは手を伸ばして「ん!ん!ん!」という。

絵本が読みたいときは両手で持ってくる。親が絵本を持って座ると膝に座る。

保育園に通うようになって、通じる言葉が爆発的に増えた。もはや一つ一つは覚えられていない。

会話するようになってからは、「言ったじゃん」とイラついてしまいそう。手探りで息子の気持ちを思いやることが出来ていたのに言葉が通じるばっかりに楽をしている。息子の反応や表情を見てこちらを変えることが出来なくなった自分にショックをうけてしまうかもしれない。

育児は一生だが、新生児の息子は一瞬であり連続的で不可逆な一度きりのものだと実感した。一日一日を大切にしたい。

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