なぜ人はレイノハートに無限泡影を打つのか

1.前置き

みなさんこんにちは。僕メタクズです。
突然ですがみなさんは現環境でティアラメンツと対戦したことはあるでしょうか。

レイノハート大先生

注1.現環境とは2024/05環境を指しています。

最近Twitter(旧X)にて「純ティアラメンツの方が誘発貫通力が高い」というティアラメンツ大先生たちからありがたいリプライ(旧リポスト)を複数いただいたのでその内容について紐解いていきたいと思います。

2.想定される状況の仮定

まずレイノハートに誘発を打つのが正しいのか、キトカロスに誘発を打つのが正しいのかを的確に判断する必要があります。
ここでは仮定として下記を想定します。

  • 持っている誘発が無限泡影1枚のみ

  • 行われた行為はレイノハート召喚

飛んでくるとキレるカード

上記を想定した場合、「初動であるレイノハートを止める」ことが正しいのか「一時的な着地点であるキトカロスを止める」ことが正しいのかパッと見で判断できる人はそうそう多くはありません。
ここでまず考え方について次章で解説していきたいと思います。

3.どこに誘発を撃てばいいか判断する材料

細かい話は後ほど解説しますがこういう時は終点から逆算した方が時間がかかりません。
「レイノハートに誘発を打ってはいけない理由」を探すより「キトカロスに誘発を打ってはいけない理由」を探した方が楽なのです。
レイノハートに誘発を打ってはいけない理由から探した場合、「レイノハートに誘発を撃ってはいけない理由」を探した後「キトカロスに誘発を打ってはいけない理由」も探して結果を照合する必要があります。これは展開の段階として「レイノハートがキトカロスになるため」起きる思考の事象です。
つまり1が2になるのであれば2を止めてはいけない理由がない場合、2を止めることがその時点で確定するため1に関して誘発を打つことは全く考慮しなくて良いのです。

4.キトカロスに無限泡影を当てた場合の裏目

これについては実際のところほとんどありません。キトカロスに無限泡影を打った場合所持している効果の①も②も両方止まった状態になり、かつ2種類しかいないティアラメンツ下級の融合効果が1回使用済みの状態となります。
疑似的な貫通パターンとしては下記(一般的なMDでの純ティアラメンツ想定)が挙げられますが損失が大きかったり、かなり割の合わない墓地肥やしをいやいやすることになります。

  1. ヴィサススタフロスト素引き

  2. 手札素材に融合しキトカロスと場のレイノで超融合を撃ってよける

  3. ティアラメンツグリーフで泣きながらハゥフニスかシェイレーンを出す

(そのほかに素の「融合」+魔神王などでも貫通しますがこれについては先グラファも可能なので先にグラファ出しとけで終わります)
上記状況が疑似貫通パターンとなりますがまず1.について考えてみます。

ヴィサススタフロストを素引きしてる場合たしかにレイノハートに無限泡影を当てて止まれば手札のヴィサススタフロストは腐った状態になります。そのためこのパターンはある種正解を踏んでるともいえる状況です。
ただしキトカロスに無限泡影を打たれた場合にヴィサススタフロストがアクティブになったところで、できることは「場のキトカロスを破壊して5枚墓地を肥やす」だけになります。
レイノハートに無限泡影を打った場合の裏目の1例としてシェイレーンでの貫通がありますが、シェイレーンでの貫通と合わせてヴィサススタフロストまで持たれていた場合レイノハートに無限泡影を打つとキトカロス+バロネスまで最大で行ってしまいます。
これではリスクリターンが釣り合わないのでレイノハートに無限泡影を打つ理由付けとしてはかなり苦しいです。

それでは次は2.について考えてみます。
たしかにレイノハートしか初動がない状態で超融合を持っている場合レイノハートに無限泡影を撃てば超融合は自ターン中アクティブにならないので止まると言えば止まります。これもある種正解を踏んでるともいえる状況です。
ですがキトカロスに無限泡影を打って貫通しようとした場合ティアラメンツ側の手札消費量がどうなるのかをまず考えてみましょう。
まず前提として盤面で超融合をするには自分のフィールドがレイノハート+キトカロスの状況になる必要があります。
つまりレイノハート初動の場合手札を素材に融合する融合しなければこの盤面を形成することはできません。
初手が5枚あり、レイノハートを召喚したので残りの手札は4枚です。
ここからハゥフニスを墓地に送り手札のティアラモンスターを素材に場にキトカロスを出します。残りの手札は3枚です。
ここで無限泡影を打たれたので手札から超融合を発動して貫通します。
するとどうでしょう。残りの手札は1枚になってしまいます。
「だからなんだよ貫通されとんじゃ」って思うかもしれませんが前提状況としてレイノハートと超融合しかアクティブなカードがない場合の処置になるため、手札に残ってるカードはティアラメンツ罠とウララ、Gなどの手札誘発がほとんどのケースです。
つまりティアラメンツ側がこの貫通パターンを行おうとした場合、罠と手札誘発を投げ捨てながら「ルルカロス+5枚肥やし+1枚サーチ」というかなり割に合わない展開をすることになります。(もちろんムドラケルドウ、デストルドーなどが腐ってる場合は美味しいという状況がありますがハンド要求値的に現実的ではないです)
逆にレイノハートに無限泡影を打って止まられた場合、想定される状況としてティアラメンツ罠と超融合を伏せハンドにウララとGがある状態でターンを回されるので個人的にはこちらの方が苦しい状況だと思います。

最後に3.について考えてみます。
正直これは考える必要がありません。キトカロスに無限泡影を打たれた場合ティアラメンツグリーフで貫通しようとするとデッキから闇属性のティアラメンツモンスターを出すことになります。
マスターデュエルでは残念なことにメイルゥが禁止に指定されているため、闇属性のティアラメンツモンスターは「ハゥフニス」と「シェイレーン」しかいません。
つまり「場にいてなんの意味もないカードをデッキから引っ張り出し5枚墓地が肥えるだけになります。」
ではレイノハートに無限泡影を当ててティアラメンツグリーフを相手が持っていた場合どうなるかを考えます。
これは簡単ですね。「完全貫通」されてしまいます。グリーフでハゥフニスをデッキから墓地に送り無効になったレイノハートと融合してキトカロスへいくためフル展開をしてきます。

5.導き出される結論

4.の章にて解説した内容からキトカロスに無限泡影を打つ行為がいかに有効かわかったかと思います。
この時点でまずレイノハートに無限泡影を打つ必要がないので「無限泡影はキトカロスに打とう」という方針が決まります。
そうです。ティアラメンツのマストカウンターは「レイノハート」ではなく「キトカロス」なのです。
アルベルにウララを投げる人は多くはいません。それは「烙印融合」がマストカウンターだからです。同じことですね。
次章にてレイノハートに無限泡影を打った場合いかに貫通されやすいか貫通カードを列挙していきます。

6.無効になったレイノハートを使って貫通する方法

これについてはかなり多くのカードがあります。なのでティアラメンツを使ってる側としてはレイノハートに無効系誘発を打ってもらえるとかなりうれしい状況です。
ランクマッチをやっていると実際レイノハートに無効系がかなりの頻度で飛んできます。そのため自然に貫通してしまい「ティアラメンツは貫通力が高い」と誤認されがちです。
下記にレイノハートに無限泡影を打って貫通されるカードを列挙します。

  1. ペルレイノ

  2. ティアラメンツシェイレーン

  3. おろかな副葬

  4. おろかな埋葬

  5. ティアラメンツグリーフ

  6. レボリューションシンクロン

  7. マナドゥムリウムハート

  8. (手札を捨てる効果持ちのカード)+ティアラメンツ下級

すべて列挙したわけではないですが2秒考えただけでこれだけのカードが浮かびます。
そしてこれらのカードはすべてキトカロスに無限泡影を打たれた場合不完全な形での貫通となります。
ペルレイノやシェイレーンはキトカロスが無効になった上で発動してもあまり効果が得られず、副葬や埋葬系のカードも墓地肥やしにそれ以上関与することはほとんどありません。
レボリューションシンクロンに至ってはカオスルーラーが存在しないマスターデュエルにおいてキトカロス+レボリューションシンクロンで出せるカードに意味はないため完全に腐ります。

マナドゥムリウムハートに関してはキトカロスに無限泡影を当てた場合でも唯一まともな貫通ができるカードになります。
無効になったキトカロスの横でアムリターラを出せるため、キトカロスがサーチできなかったティアラメンツカードをサーチしながら自身の効果でキトカロスを破壊できるため5枚肥やしまで達成することができます。
そのため筆者である私は「マナドゥムティアラが一番貫通力が高い」と言っているのです。
このマナドゥムティアラ特有のメリットはレイノハートに無限泡影を打たれた場合実感することができません。なぜなら純ティアラメンツでも貫通できてしまうからマナドゥムを混ぜるメリットを実感できないのです。
対面が誤った誘発の打ち方をすることによって「純ティアラでも貫通できるから純ティアラで問題がない」と使用者および誤った打ち方をした対面が誤認識をしてしまうわけです。
(ちなみにレイノハート+リウムハートを持ってる状態でレイノハートに無限泡影を投げられるとアムリターラ経由でバロネス+キトカロスまで伸びます。死を覚悟してください)

7.まとめ

色々説明しましたがどの型においても「ティアラメンツキトカロスに無限泡影を当てましょう」というだけの話です。これを完全貫通する方法がこの世にほとんど存在せず、場に残ったキトカロスを処理して5枚肥やしするカードすら少ない状態なのです。
なぜこの記事を書いたかというと、筆者である私は最も有効な箇所に誘発を打たれた場合を想定してデッキを構築していますが、動画をみた使用者がそれを実感できずデッキを圧迫している劣化パーツと決めつけてコメントまでしてしまうため普通に腹が立つからです。
一人でも多くの人が正しい箇所に誘発を当ててティアラメンツに負けないようになってほしいと思ってます。
また、上記3~4章にて解説した内容をほかのカードに当てはめて思考してもらい、別な誘発や別なデッキでも考えれるようになってもらうと非常にうれしく思います。
上記のロジックでイグニスターの止め方がわかったらこっそり教えてください。

以上です。長くなりましたが読んでくれてありがとうございました。



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