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(PR)企業ヨガのすすめ/山手國弘/『イコール』24年秋号掲載予定の原稿で
まえがき・橘川幸夫
故・山手國弘は、敗戦時、東京大学医学部の学生だったが、戦後の復興状況の中でレーニンの「国家は暴力装置である」というテーゼに対抗して「国家は生活装置である」というテーゼを立て、生活装置研究会を作り、東大の復員学生たちを中心に勉強会と行動を開始する。その資金的スポンサーが、平凡社の創業者である下中弥三郎であった。弥三郎は山手夫妻の仲人でもある。その後、さまざまな政治家、企業家、宗教家などとの関係を深め、「原気呼吸による脱カルマ瞑想」を体得し、瞑想会を東京の江古田で行っていた。
橘川幸夫との関係は、たまたま橘川の雑誌の読者が、瞑想会にも通っていて「面白い人がいますよ」と教えてくれた。1982年のことである。当時、私は、「ロッキング・オン」「ポンプ」「たちばな写植」という70年代に追求してきた仕事を全部やめて、すっからかんになっていた。そこで出会ったのが下中弥三郎の長男の下中直也さんであった。彼がスポンサーになってくれて、平凡社発売の『イコール』というメディア情報誌を創刊した。そうなのだ、『イコール』というのは、1982年に創刊された平凡社の雑誌名なのである。また、「ポンプ」をとても評価してくれた、戦後日本のメディアの中心的人物であった故・小谷正一も、長年の山手國弘の同志と知り、私とは奇妙な偶然が重なった。そして、当時の『イコール』の取材として山手國弘と出会った。
山手國弘はすでに故人であるが、80年代、90年代と、彼と話したことは、私の血脈となっている。世の中的には、ほとんど知られてはいないが、戦後史の中でとても重要な位置にいた山手國弘の言葉を『イコール』でいろいろと紹介していこうと思う。(橘川幸夫)
今号で紹介するのは、1980年に、山手國弘が雑誌「中央公論経営問題」のインタビュー記事である。生命の歴史全体を眺めてきた山手國弘にとって、40年も一瞬の出来事であろう。この資料は、山手國弘からまとめてもらった雑誌記事のコピーの束の中にあった。
中央公論新社には、掲載の許可をいただき、感謝いたします。
企業ヨガのすすめ
中央公論経営問題 1980年6月号より
山手國弘(集団頭脳イオ)
混迷する企業状況からどうしたら脱出できるか。宇宙進化の法則に基づく活路を提示する
進化への適応からヨガは生れた
ー現代の世界では、特に産業社会のあり方を中心として非常に困難な問題がおこっていると思います。山手さんはこの状況を在来の科学体系とは違った発想・ヨガの思想にもとづいてとらえていられる。その観点からみると現代の社会危機をどのようにごらんになりますかー
これは一番重大な今日のテーマだと思います。在来のものの考え方で解決できるメドがないという状況が現在のわけです。その局面というのは、人口爆発、それに資源・エネルギー不足による限界状況ですね、これが一つ。もう一つは人間社会の形成について、既成の組織原理とか価値原理が通用しなくなってきた。たとえば経済原理。現在出てきている問題には近代工業社会の形成原理であった経済合理性では解決できない面があります。政治にも近代合理性によって解けない面が出てきた。イラン、アプガニスタンや中国、ベトナムの問題、中・ソや米・ソの対立、南北問題などの根底にもそれがあります。現代文明、現代社会の内面性の原理というのが破綻するという状況になってきた。
一方では、地球全体はかつて西欧が近代化をとげるときにあったような資源市場・商品市場のフロンティアを想定したオープンサイクルでなくなった。経済原理にもとづく西欧の発展というのは、結局自然全体の中にシワ寄せをし、植民地の中に非経済原理的な生活とか社会状況を強いることによって達成したわけです。ところが、現在では宇宙船地球号という言葉が示すように、一方的な経済原理の主張が限界状況にきてしまった。それと同時に資源とかエネルギー、それに浄化作用を自然に一方的に依存して成り立っている人類の自己中心主義のヒューマニズムは、もう完全に破産しているわけです。
(つづく)
山手國弘
1924年10月10日、広島県生まれ。戦争とその後の混乱の中で、東京大学医学部を中退し、生活装置研究会を設立。その後、企業と社会のオリエンテーション機関として有限会社「イオ」(集団頭脳プロダクション・生活プロダクション)を設立。現代ヨガの会も主宰し、「原気呼吸による脱カルマ瞑想」を江古田・浅間湯コミュニティ・ホールにて行なっていた。1996年12月5日に72歳で亡くなられる。
『イコール』秋号に掲載予定の原稿です。
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