
ポンプ創刊に向けてアッピール&ラヴレター(パンフレット’ 78年1月号)
1-1.ポンプ創刊へ向けてのアッピール&ラヴレター
ぼくらは今までになかった、まったく新しいスタイルと方法論に基づいた雑誌を作ろうとしています。本屋には、うんざりするほどたくさんの本が並べられているけど、ペラペラめくってみれば大体おんなじ顔ぶれの人が、おんなじことをぐたぐた言ってるだけだ、とは思いませんか? もう大出版社が有名人やプロの物書きをこねくりまわして雑誌を作る時代を終わらせたい、とは思いませんか? 今の雑誌でいつも新鮮なのは「読者のページ」だけだとは思いませんか?
ぼくらは評論家と呼ばれる人たちが一方的に情報を押しつけてくる雑誌というものに退屈しました。たとえば、おいしい「ラーメン屋」というと、どの雑誌の記事も大同小異で、公的な情報はすでに飽和している、と考えました。そんな空疎な情報ではない、ぼくらの日常生活の中で友だちが伝えてくれるような暖かい情報を、たくさん欲しいと思いました。だから新しい雑誌が必要だと思ったのです。
ぼくらは、有名人やスターを追っかけて商売することは終わりにしたいと思います。だって、そんな虚像を追っかけたり、ポーッとしたりしていると、肝心なことや、もっと大事な身近な人のことが見えなくなってしまうんじゃないでしょうか。これまで、スターや大仰な観念という煙幕によって、見えなくされていた、ぼくらの一番大切で必要で近しい人を発見したいと思います。(君のことだよ!)
開放感と緊張感のある雑誌にします。自分自身の日常生活を充実させようとしているすべての人たちに、ポンプの誌面を使ってもらいます。発行体制は現在、着実に進めていますので秋には書店に並びます。でも一番間題なのは雑誌という器(うつわ)ではなくて、それを満たすみんなのエネルギーの方です。いくつかのコーナーをこのパンフで提起しますので、感じる人は原稿という形で参加してください。(1978年6月)