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企画概要「岩谷宏プロジェクトの開始」


●経緯

70年代のロックが見せてくれたものを、岩谷宏の言葉と一緒に追想し、現代という時代に注入します。

1972年に創刊した音楽雑誌「ロッキング・オン」は、「他人事(ヒトゴト)ではない雑誌」として立ち上がり、70年代を疾走しました創刊メンバーである、渋谷陽一、岩谷宏、松村雄策。橘川幸夫の4人の関係は、単なる仕事仲間とか友人とかいうものではない、時代の当事者意識でつながる同志みたいなものだったと思っています。それぞれ性格も方法論も異質な4人が、いわばバンドのような関係で、時代意識と取り組んできました。

80年になり、岩谷、橘川がロッキング・オンを去り、渋谷が一人でロッキング・オンを支え、大きな社会的なメディアに成長させました。岩谷、橘川は、それぞれの道で、70年代ロックシーンで気が付いたことを発展させてきました。岩谷宏は、コンピュータ・テクノロジーと、捨て猫捨て犬の保護活動をしてきました。橘川は、参加型メディアの可能性を追求してきました。

2022年、私たちは松村を失いました。いつかまた4人が再会して雑誌バンドを組むことの可能性は消滅しました。ただ、松村の死をきっかけに。橘川と岩谷さんのつながりが復活しました。まずは、橘川・岩谷で、70年代のロックを反芻してみたい気持ちになりました。編集室長兼写植屋だった橘川としては、70年代から現在までの岩谷宏の活動を編集して、現代を生きる人たちに伝えたいと思いました。

●活動企画(1)「岩谷宏の70年代のロックの訳詞を音楽にするプロジェクト」

70年代はロックミュージシャンが続々の新作を発表し、私たちはそれを待ち望み、新しい世界と出会う体験を繰り返してきました。それはおそらく幸福な出来事だったのだと思います。そして、岩谷宏は、そうしたミュージジャンの曲に込めた思いを、僕らに分かりやすくかつ本質的な言葉として翻訳してくれていました。

▼これはビートルズ訳詩集の巻頭に書かれた、岩谷さんの「訳者のことわり書き」です。古本屋で買ったので前の持ち主が鉛筆で線をひいてますが(笑)まさに、この線をひかれた部分が、岩谷翻訳の真髄だと思います。


現在、岩谷宏の訳・詞を、新しく詩集として出版しようと思っています。

そして、その訳・詞を若い連中に演奏してもらったり、オリジナルな楽曲にしてもらおうと思っています。

▼作業手順

1.岩谷宏のロック訳詞を公開していきます。

2.詩の持つパワーと意味を受け取った人は、ミュージックビデオを作ってください。

3.表現の手法は、各自で追求してください。

例えば
◇原曲を歌って、画面に岩谷宏の訳詞を掲載する。
◇原曲の音楽を流して、岩谷宏の詩を朗読する。(ポエトリーリーディング)
◇岩谷宏の詩を使って、オリジナルな楽曲を作る。
◇その他、各自工夫をして、創作してください。

作品はYou Tubeにアップしてください。データを橘川に送ってもらってもよいです。You TubeはJASRACと著作権の包括契約をしていますので、楽曲を使う分には問題ありません。ただし、ミュージジャンのミュージックビデオを使うと、別途の権利関係が発生する可能性があるので、避けてください。

●橘川の意図

現状の日本社会の体たらくを見ていて、現在そのものを土台にしている限り未来の社会は見えてこないように思います。

Redo from the 70's
70年代からやり直し

私たちの大きな間違いはバブルの80年代にあると思います。あそこから、創造性のかけらもない金融第一の社会構造に変質したと思っています。80年代以後のくだらない競争社会に疲れ果てた末に、もう一度、70年代から自分の気持ちをやりなおして、バブルに進まない幻の80年代を目指したいと思う。

私にとって、70年代といえば、岩谷宏です。時代の問題点も可能性も、岩谷宏の文章から多くの刺激をもらいました。2022年のコロナ開けつつある、崩壊した荒野で、もう一度、70年代の意識に戻ってリスタートシたいと思う。

岩谷宏プロジェクト(担当・橘川幸夫 kit@demeken.co.jp)

●岩谷宏プロジェクト(有料マガジン)

noteマガジン「岩谷宏プロジェクト」(月額1000円)では、活動の報告や、過去の未発表の岩谷宏の原稿や、最新原稿などを掲載していきます。ご購読をお願いいたします。

岩谷宏プロジェクト



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橘川幸夫
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