小説・占い師の時代(4)第四章「占い師になってみて(田岡源太郎の独白)」
占い師になってみて(田岡源太郎の独白)
(1)ボイド占い 1980年代後半のバブルの最中に、ボイド占いの大家であった石川源晃さんと知り合った。銀座の交詢社の近くの古いビルの中に事務所があった。その頃、世話になっていた新宿の三大地上げ屋の一つと言われていた小さな不動産会社の社長がボイド占いにはまって、土地取引の日程はすべてボイド占いで決めていた。それで、社長から、石川さんに会って「ボイド手帳」を作れと言われて、接触した。
その頃は、今ほど「ボイド占い」の知名度はなく「知る