原論:8.日本における変性意識の活用
古来から変性意識は存在してきた
変性意識状態は、世界各国で古くから宗教信仰などに用いられてきました。日本では「祭り」といった行事が、最も分かりやすいトランスであると思います。
祭りは『集団性のトランス』を生むものであり、盛り上がりによる熱狂などが引き起こす変性意識状態が、人間の根源的な生のエネルギーを活性化させると考えられてきました。
古来の日本では、ハレ(非日常)とケ(日常)といった言葉を使いますが、精神のバランスを保つための行事として、祭り(=ハレ)を重視しています。人はハレとケを行き来することにより、蓄積したストレスを発散・逃がすことによって、精神のバランスを保っていたといえるでしょう。
これは、日常生活において正しく活用されてきた変性意識の使い方の例です。学術的な理解はなくとも、人は無意識に精神のバランスを保つ手法を考えてきたといえます。
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