スポーツ科学論文のススメ
皆さん、こんにちは。
METAFOOTBALL-アナリスト部門担当の"Sou"です。
今回はスポーツの秋、学びの秋ということで新たな学びの教材をお伝えしていきたいと思います。
特に学生スポーツアナリストの皆さんには最後まで読んでもらえると嬉しいです!
今時の学びのスタイル
普段、スポーツ現場で指導している皆様が何か新しいことを学びたいと考えた時にどのようなアクションを起こしますか?
❶書籍
❷セミナー・ワークショップ・講習会
❸学校
【❸<❷<❶<★】
これまでは時間に縛られずに簡易に始めることができたのは❶書籍を購入して自主学習することでしたが、最近は★から学ぶ方も増えているように感じます。
それは★インターネット・youtube★を使用して学んでいくスタイルです!
現在、情報化社会で生きている私たちにとってスマートフォンやパソコンを使って調べたり学んだりすることは誰でも普通に行っていることだと思います。
プロとして働いている私自身、スポーツの知見を広げるために当たり前に行っています。
無料でいろんなことを簡単に調べられるインターネットはとても魅力的に感じますよね。
しかし、インターネットの情報は信頼性が伴いものも多く出回っていて、スポーツ関する情報はそのまま真に受けると危険なものも見かけます。
現場を任される指導者にとって学びのスタイルの1つに取り入れるには、個々人の”情報リテラシー”の能力次第になってしまうのが現状です。
なぜ、論文を読むのか?
「スポーツ科学論文のススメ」が本記事のテーマなのですが、皆さんは論文に対して”敷居が高い”、”小難しい”というイメージはありませんか?
実際、論文の全体を理解しようと思うと難しいと思いますが、私たちは研究者ではありません。
指導者や分析者として自分が興味のある一部分を理解することはそこまで難しくありません。(文章だけでなく表や図を使ってわかりやすく説明したものもあります)※後程、論文の例を紹介します!
良い論文に出会うことができれば、興味深い知見を手に入れることができたり、新たな気づきを与えてくれることもあり、良いこと尽くしです。
さらに、私がススメたい最大の理由は、インターネットを通して莫大な数の論文を無料で読むことができ、各大学の教授が執筆しているので信頼できる情報だということです。
(※執筆者が大学院生の論文もありますが、大学教授がしっかり審査しています)
つまり、インターネットを活用した学びのスタイルのデメリットを解消した、”新たな学びの教材”になりうるのではないかと考えました。
私が読んだオススメの論文
大学院生時代の私はスポーツアナリストとして学びを得たいと考えたときにコーチングに関する書籍は多くありましたが、アナライジングに関するものをなかなか見つけることができず困っていました。
そんな時に”スポーツ科学論文”を読み漁って、勉強していました。
検索ワード:
”ゲーム分析” ”パフォーマンス分析” ”戦術分析” ”ゲーム構造”
【オススメの論文】
Hughes, M. D. and Bartlett, R. M. (2002) The use of performance indicators in performance analysis.
スポーツパフォーマンス分析の権威ある教授が執筆した論文です。
私のアナリストとしての分析哲学に多大な影響を与えてくれました。
上記の資料は、論文の一部を抜粋したものです。
①球技の分類:競技の共通性と特異性を抽出し、分析フレームワークを検討
②競技の構成要素:ゲーム内パフォーマンスを分析するための指針
③ゲーム分析の指標:②を実際のゲームで分析するために4つの観点で具体化
➡︎駆け出しアナリスト時代にこのような考え方はとても参考になりました
【オススメの論文-その他】
・佐藤亮平・竹田唯史・近藤雄一郎 (2011) サッカーの技術・戦術構造に関する考察. 北海道 体育学研究, 46:65-77.
・中川昭 (2011) ラグビーにおける記述的ゲームパフォーマンス分析を用いた研究. 筑波大学体育科学系紀要, 34:1-16.
よく利用する論文検索サイト
①Google Scholar(グーグルスカラー)
Googleが提供する論文検索サイトです。
日本語の論文だけでなく、英語の論文にもアクセスできます。
論文によってはダウンロードできるものもあります。
※一部、有料の論文もあり(無料で読むことのできないのが有料)
初級者の方にオススメのサイト!
②CiNii Articles(サイニー)
国立情報学研究所が運営する学術論文や図書・雑誌などを検索できるサイトです。日本語の論文を扱っています。
③PubMed(パブメド)
海外の論文を中心に無料で検索できるサイトです。
英語が得意な方にはオススメ!
スポーツ科学の最先端を学びたいなら間違いなしです。
スポーツ科学論文のススメ-まとめ
「学ぶことを辞めたときに、指導することを辞めなければならない」という言葉にもあるように”常に学び続ける姿勢”はプロの現場に出てからも変わらずに持っている信念の1つです。
本記事によって、皆さんの学びのスタイルの幅が少しでも広がることを願っております。
ぜひ、一度スポーツ科学論文を読んでみてはいかがでしょうか?