ラス回避で役立つ!アシスト大全➃ 「絞りへの応用・まとめ」
こんにちは。メタビート(髙倉 拓馬)です。今回の記事はアシスト大全の最終回となる➃「絞りへの応用・まとめ」です。今までの記事をまとめながら、その理論をそのまま絞りに使ってしまおうというのが今回の内容になります。アシスト➝絞りへの応用は「アシストの逆をする」で解決することが結構あるというのがキーワードです。それでは早速みていきましょう!
絞りの目的と点数状況
絞りの際もこの目的・原則はほとんど変わりません。南場の際に絞りが考えられる局面が増えるのみです。後程説明します。
アシスト、絞りは基本下家に対して行うと考えると、アシストは「下家のアガリ率を高めることで上記の目的を達成する」行為で、絞りは逆に「下家の進行を遅くして上家、対面のアガリ率を高め、上記の目的を達成する」行為といえます。
つまり、絞るときには「下家のアガリが起きたら嫌」という点数状況に加え、「上家、対面のアガリは下家のアガリに比べればマシ」という点数状況が必要そうです。
ということは、東場において、下家が子のときに意図して絞りを行う場面は殆どないと言っていいでしょう。なぜなら、
①自分が親なら、手牌が悪くても無視して自分のアガリを目指すから
②上家か対面が親なら、下家に絞ると親のアガリ率が高くなり親が流れないから
この2つの理由があります。
親流しをしたいときに絞りを考えるのであれば、東場で絞りを考える場面は、「絞る対象が親」この1つだけで充分そうです。
次に、南場についても見ていきましょう。南場での「局消化をしたい場面」でかつ絞りをしたい場面は、東場と同じく「絞る対象が親」という状況になります。
そして、ここからが後程説明すると書いた状況になります。
南場で絞りが考えられる局面は、「下家のアガリが自分のラスを決定づけるような時」です。この時が一番想像しやすいのではないでしょうか。点数状況もみてみましょう。
この状況で自分があがれない場合、誰のアガリがマシかを考えてみましょう。
まず一番マシなのは東家ですね。連荘でラス回避のチャンスが増えます。
次に、本当にしぶしぶで対面のアガリも受け入れる場面がありそうです。放銃さえしなければ、3000点差以内でオーラスを迎えることができます
下家のアガリは最悪です。次局3人の流し合いになりますし、下家は余裕があるのでオーラスに他家へのアシストや差し込みもしやすくなります。
よって、自分があがれない時、下家には絞り気味に、上家には役牌などを甘めに打つことになるでしょう。
絞りの理論
アシストが「急所を鳴かせるための技術」だとするならば、絞りはその真逆で「急所を是が非でも鳴かせないための技術」になります。つまりアシストの理論を逆に言い換えると
①役バックに見える仕掛け(ヤオチュー牌絡み)に役牌を超絞り
②愚形で鳴かれる牌をできる限り打たない、序盤は良形チーを許容する
これが非常に重要になります。
そして、絞り独特の技術として
③序盤で現物レベルの牌を消費しすぎない
これも重要です。順に見ていきましょう。
①役バックに見える仕掛け(ヤオチュー牌絡み)に役牌を超絞り
2枚しかない役バック候補牌は、絞るうえでのド急所牌になります。役バックを鳴かれて数牌でテンパイされるとアガリ枚数は4枚~8枚になります。
ですが最終形が役バックのテンパイで、かつ自分の手牌に1枚あれば残りのアガリ枚数は1枚になります。この差は非常に大きいです。役バックテンパイにさせれば、他者からアガリ牌を打たれる確率が大幅に下がります。
ヤオチュー牌絡みの仕掛けが飛んで来たら、自分の手牌に役バック候補牌が何種類あるかをチェックしておくことはかなり大切です。1種であれば先に打って自分のアガリを見る選択もあるかもしれませんが(それでもテンパイギリギリまで絞る選択も有力です)、2種以上あれば絞り寄りの選択をした方が無難な場面が多いと思います。
②愚形で鳴かれる牌をできる限り打たない、序盤は良形チーを許容する
絞りにおいて、仕掛け者のターツが足りていないうちは、良形をチーさせることはむしろ手牌をぶっ壊させる要因にもなります。そしてそれをわかっている仕掛け者は、良形チーをせずスルーする選択肢を取る可能性もあるでしょう。結果的にそれは絞りが成功しています。
なので序盤は
①良形チーは許容できて、ポンはされにくい複数所持の端牌を連打
②愚形で鳴かれにくい、切られた牌の一個隣(裏スジ)や跨ぎスジを連打
この2つを意識することが重要です。
③序盤で現物レベルの牌を消費しすぎない
「良形チーを許容とかどうこう言ってるけど、結局現物とか字牌とかをバンバン打っていくのが一番絞れてない?」という意見があると思います。
現物を序盤で消費しすぎると、中終盤で仕掛けどころか他者の攻撃にさえ安全牌が足りず、結局自分が放銃に回ることもあり得ます。また、仕掛け者のターツが完成してから鳴かれる可能性がある牌を打つことになってしまうこともあります。それゆえ、序盤は良形チーを許容することが大事なのです。
他者に対して持っている安全牌の数を逐次チェックしながら、仕掛け者に絞っていくことが大切です。
さいごに
ここまで記事を読んで下さった皆様、本当にありがとうございました!
私の記事を通して、ラス回避に関する引き出しが少しでも広がったら嬉しく思います。
最後に、この記事を読んで実戦でラス回避率を上げたいと思っている方に、気を付けていただきたいことを自戒の念もこめて2つほど。
①自分の手牌価値判断を磨かないと機会損失になる
あがれない手、高打点が見えない手の時にどうするかが重要です。あがれる可能性がある手、自分があがらないといけない状況で手を破壊すると機会損失になります。私はちょくちょくNAGA解析を見てアガリ率を判断するようにしています。
このくらいの時に色々考えるようにして、あがれる手の時は全力であがりを見るようにしたいところです。
②トップ取りのルールでは理論が使えない場面が多くなる
結局自分が加点をすることが一番トップ率に直結するからです。もちろん本当にあがれないときはアシストや絞りも選択肢に上がりますが、あがれない手の価値基準は上記の基準よりさらに厳しくなるでしょう。
基本は「君が仕掛けてあがりにいく分には全然いいけど、僕は君がテンパイしてそうな時までは打点を狙った手組みをし続けるよ」くらいで「無視」するスタンスが良いと思います。ラス回避麻雀でも仕掛けを無視する場面は結構あると思います。基本は「無視」で、「アシスト」「絞り」を適宜考える、くらいで行きましょう。
これにてアシスト大全の理論記事は終わりになります。
仕掛けに対してどのように対応するかを問題形式にした記事を現在鋭意作成中です。一年分の牌譜を見て、適宜NAGA解析を入れた本気の記事ですので、完成いたしましたら是非ご覧になっていただけるとありがたいです。
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