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【雑記5】レンジ的鳴き読み


「鳴き読み」というものがあります。
基本的に鳴き読みの教科書で取り上げられている読みは、いわゆる「形的鳴き読み」です。

「この牌が鳴かれていないから当たりにくい」
「この牌が当たるとしたら牌効率上この手順にならない」

というように、通りそう、あるいは危険な牌を仕掛けた形から読んでいくのが特徴で、これらはすでに様々な本で取り上げられています。

お知らせ著、マイナビ出版「鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム」


山本悠矢著、竹書房「誰でもできる!麻雀鳴き読みの定理」

これに対して、今回取り上げるのは「レンジ的鳴き読み」です。
平面での具体例をさっそく見ていきましょう。


東1局、6巡目でこの手牌、ドラは1m。リーチや仕掛けが入っていないものとして、あなたはリャンメンチーから入りますか?
おそらく多くの人はチーしないと思います。
すなわち、東1局の6巡目にこのリャンメンチーが入ったとすると、
「2000点、タンヤオドラ1のリャンメンチーテンの可能性がかなり低い」
という読みを入れることが出来ます。

このように、物理的な形上は存在できても、門前との打点や仕掛けた後の形の兼ね合いから仕掛けが入らないことを生かした読みを、私は「レンジ的鳴き読み」と名付け、日々研究しています。

レンジ(範囲)という言葉は、ポーカーのハンドレンジから着想を得ています。

この読みは
打っている卓や人によってかなり異なる
・早い巡目のリャンメンチースタートに適用できる読みである
ことに留意する必要があります。
先ほどの状況、ドラは1mのままで、どのような形だったら2mをリャンメンからチーするか考えてみましょう。


わかりやすいのはチーテンで満貫になるケース。これはチーテン後の愚良形にかかわらず、仕掛ける人がかなり多いと思います。


愚形残りの1000点であればリャンメンから仕掛ける人もいるでしょうか。私は仕掛けることが多いですが、これは人や卓によってかなり分かれると思います。


私はこのくらいでもリャンメンから発進しています。


このように、234の三色が絡んだときに満貫になる手牌も十分考慮に入ります。「2mがリャンメンチーのように見えて、実は手役上での急所だったパターン」ですね。

このように早い巡目にリャンメンチーが入ると、シャンテン数はどうあれ
仕掛け後1ハンか4ハンの出現頻度が多い
ことが分かります。
これはレンジ的鳴き読みの肝である「リーチ打点との兼ね合い」で、リーチしても打点がそこまで上がらない仕掛け後1ハンと、リーチせずともすでに高い仕掛け後4ハンが登場しやすいということになります。
私は1ハンの仕掛けをかなり多用するタイプなのですが、最近の打点寄せの流行を考えるとおそらく4ハンの頻度が高いと思います。

2ハン~3ハンの中打点仕掛けが出てくる例外形は
「相手の仕掛けやリーチに対応した」
「点数状況的にアガリの価値が高い」
「そのリャンメンが4枚切れレベル」
「2度受け」

このことが多いと思います。他に例外があったら是非教えてください。

いくつか立体での具体例を持ってきましたので、読みの参考にしていただければと思います。

レンジ的鳴き読みCase1. ドラが役牌、リャンメンチースタート

ラス目の北家が6sをリャンメンでチーして打8m。
東3局とはいえラス目の仕掛けなので1000点の出現頻度がかなり下がっています。特にタンヤオのみの出現率はかなり低いと思います。
最初にタンヤオの4ハンを考えていくのですが、自分が赤を1枚所持しているので、その可能性もかなり下がっています。かなりドラの北に頼っている手牌と考えて良いでしょう。

北がポンされて打3m。形上はなんでもありうるのですが、この瞬間の両面テンパイ率は低いと思います。

文句なしで仕掛けそうなのはこのような形くらい。

ここから3巡目で6sチースタートをする人はそこまで多くないように思います。まだリーチ手順を踏めそうで、6sチー時の北警戒度もかなり上がってしまいそうです。

これなら仕掛ける人も出てきそうです。東を仕掛けた後が3900になってしまうこともあるので、まだ仕掛けない人も居そうです。


これなら仕掛けて必ず満貫になるので仕掛ける人がかなり多くなりそうです。

ここまでの形を見ていくと、
チーして北単独バックだとかなり仕掛けづらい
北を鳴く前から満貫になる待ちが当たりやすい
ことが分かります。そのため、
「ダブルバック形になる東、中」
「北バックを補強する三色やホンイツで当たりうる牌」
「満貫になる赤マタギ」
を警戒しながら押し引きやベタオリ手順を考えていくことになりそうです。

実際の手牌はこのような形。偶然どちらも複合していました。

レンジ的鳴き読みCase2. 点数状況とタンヤオ仕掛け


5mをリャンメンでチーして打西。役牌が残っていないのでタンヤオの可能性がかなり高そうです。
ドラがタンヤオの要となる5pなので1000点仕掛けがかなり考えにくいです。2000点のチーテンは局消化が偉い状況とはいえまだ打点も追える場面。25mは2枚目なので形上の急所でもありません。

1000点だとすると愚形残りが本線になるでしょうか。リャンメン残りだと1000点でも仕掛けないと思います。

実際の牌姿。高めが4ハン、安めが3ハンの両面形でした。

レンジ的鳴き読みCase3.打点的に染まっているケース

2sをリャンメンでチーして打9p。一応物理的にはタンヤオもありうるのですが、ドラが1mなので打点が高くなりません。タンヤオであれば、6巡目なのでまだ仕掛けずとも高打点が狙えると思います。
役牌絡みのケースも考えたいのですが、ドラの1mを打っているので仕掛けて高くなりそうにありません。
特にこのBさん視点だと赤を1枚持っているため、タンヤオ役牌いずれのパターンも仕掛けて満貫になるケースは少なく、リーチ手順を見てスルーになるケースが多そうです。
この仕掛けに打点が伴っていると考えると、仕掛け者は役牌所持の有無にかかわらず染まっていることが多そうに感じます。

実際は清一色でした。


レンジ的鳴き読みは人読みを含むので難しく、自分は最近「自分はこの仕掛けをするべきか」と「周りの人がどうするか」というマジョリティ的感覚を分けて考える習慣をつけています。「自分がこうするなら相手も同じ行動を取る」は危険な考え方だということを学びました。
麻雀してる感が出て面白いので、ぜひ参考にして使ってみてください!

ここまでご覧くださってありがとうございました!
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