ジャンプアップか敗退か、同一メンツ2連戦の行方は... Σリーグ観戦記 7/31 C卓 みずきけい×稚児×まさき×うめちゃん 

こんにちは。髙倉 拓馬(天鳳ID:メタビート)です。
本日は、7/31(水)に行われたΣリーグ、C卓1回戦、2回戦の観戦記を執筆させていただきました。


皆さまへのお願い

自戦記、観戦記をご覧いただくにあたって、皆さまにお願いしたいことが2つございます。

自戦記は自分の反省、戦術提供に役立つかもしれない局面、議論になりそうな場面を取り上げています。
こちらはどのような打牌をするのが良かったのかを検討する意図が十二分に含まれていますので、ぜひXで引用やリプライをして色々ご意見を頂けると嬉しいです。

観戦記でピックアップする局面にはもちろん私個人の解釈が含まれますが、選手の魅力的な1打を紹介することでΣリーグ全体の知名度をアップしていく目的があります。
打牌を批判する意図は一切ありませんし、プロでない方もたくさんいらっしゃいますので、こちらへの否定的なご意見はご遠慮ください。
(観戦記は代表者様の許可を得て制作しております。)

ルールはMリーグルール(50-10-△10-△30)です。

ポイント状況



Σリーグの予選ステージは全20節、計40半荘。上2チームは準決勝をスキップして決勝進出、一方で下2チームは予選敗退となってしまう。
17節が終わった時点での成績が下の通り。

今回観戦記を書いた18節C卓は3位、4位、11位、12位のチームの対決。一方はジャンプアップを狙い、一方はなんとしてでも準決勝に残らなければならない。この18節は特に下位2チームにとっては正念場である。


そしてこの正念場で、出場選手はなんと同一メンツ4名となった。当日の豪雨が生んでしまった偶然、予選の命運はこの4名に握られたのである。
1回戦は東1局東家から
東家:ぽんてんLv47 まさき選手(チーム順位12位)
南家:遊楽亭 うめちゃん選手(チーム順位11位)
西家:Emperor Peng Inc. みずきけい選手(チーム順位4位)
北家:RIDECAT 稚児選手(チーム順位3位)

1回戦

東2局

2600の横移動で親が落ちてしまったまさき選手が強気に仕掛けていく。

ここから6sをリャンメンでチー。
白が1枚見えているので安全度が高く、うまく決まれば満貫も見える。發暗刻のブラフにも見えるだろうか。

親のうめちゃん選手も速度を合わせて3pをポン。かなり攻めている他者への威圧も含まれているように見える。

しかし先手を取ったのは稚児選手。8mは場況絶好、7mを最初に打っていて待ちの質も良く、狙い通り重ねることに成功した。
78mを1巡目からリャンメン払いすると七対子がかなり濃厚になるため、あえて払わず1枚切れの南から打っているのもポイントが高い。これでチートイはいくらかぼかすことができ、中単騎の和了率が上がる。

うめちゃん選手、發を重ねた!
強気に8sを打ってリーチの現物6s単騎で勝負。この大チャンス手、うめちゃん選手が降りることはもうない。

安全牌が尽きたみずきけい選手から捕らえることに成功した。

東2局2本場

東2局1本場でも7700をあがったうめちゃん選手。

ここでも先制テンパイを入れ、止まらない…と思いきや、

ど勝負手のみずきけい選手が2sをプッシュ。

うめちゃん選手の現物待ちでテンパイし、6pをプッシュ。この6pは他家にとってかなり強烈に映るだろう。

しかし、それでも黙って見ていなかったのは稚児選手。
8mをチーして2p単騎のテンパイに構える。

みずきけい選手が仕掛けを見てツモ切りリーチを敢行したところ。
6pがリーチ2者の現物になっているため、2pをプッシュ。


この5pが山に居て値千金の1000-2000。
特にみずきけい選手にとって痛いあがりになってしまった。

東3局1本場


うめちゃん選手がテンパイしたところ。
単騎待ちなので変化の余地がいくらでもあるように見えるが、うめちゃん選手はリーチを宣言した。
よく見ると良い字牌の単騎変化が北くらいしかない。もっといえば、亜リャンメン、ノベタンの変化すらあまり良いものがない。亜リャンメン変化の時はダマになることが予想され、打点が上昇するわけでもない。9m単騎待ちは、現状かなり良い寄りの単騎待ちであることが分かる。

9mは稚児選手に対子であったが、力強くツモ。
これがこの半荘の決定打となった。

南1局、後がないまさき選手が打った8sは…

ポンテンであったうめちゃん選手のホンイツの放銃牌。

南2局、2着狙いの希望となったこの手から打たれた6sは…

三色を強く見て中を対子落としし、丁度テンパイした稚児選手のアガリ牌。
2着の望みすら断たれてしまった。


トップにはチーム順位11位、遊楽亭のうめちゃん選手。
勝負駆けを決めた。
2着にはチーム順位3位、RIDECATの稚児選手。
門前の手組みからバラバラの副露、回し打ちなど、様々な好手を見せた。
3着にはチーム順位4位、Emperor Peng Inc.の みずきけい選手。
これといった見せ場が出来ず、手詰まり放銃がかなり苦しかったが、

副露に対する安全牌兼ラス目の打点意識で打6sをすると…

8mをツモることに成功し満貫のアガリ。これがラス回避の要因となったのは間違いない。
4着となってしまったのはチーム順位12位、ぽんてんLv47のまさき選手。
11位だった遊楽亭のうめちゃん選手がトップとなってしまい、ここからはトップが必須、さらに遊楽亭をできる限り下の着に落とさなければいけなくなった。

2回戦

2回戦は、東1局東家から、
東家:みずきけい選手
南家:稚児選手
西家:うめちゃん選手
北家:まさき選手

東1局

東1局から開戦模様である。

うめちゃん選手が2sの両面から発進。メンゼンで進行するには少し遅く、打点もそこまで伸びない可能性がある。ここからリャンメンで仕掛けられる人がどれほど居るだろうか。

一番最初にテンパイを入れる。

まさき選手が追いついてリーチ。
本当は5mを外したい、変化を待ちたいという思いがあったのかもしれないが、残り5半荘となるとこの手を勝負手にさせなければならない。超上振れの赤5mを狙う気満々である。


親のみずきけい選手が赤5pを悠々と打っていく。
立直には3pがノーチャンスで58pも無い。すると

稚児選手がチーして満貫のテンパイ。

みずきけい選手が追いつく。6mは超ド級の危険牌だが、親の7700テンパイであれば知ったこっちゃない。


ド勝負手だった稚児選手から7700のアガリ。


東2局


まさき選手が七対子ドラ2のテンパイ、2m単騎でリーチを打つ。
「七対子の1289待ちは即リーチ」という戦術があるが、今回も先ほどのうめちゃん選手の9m単騎のように、この2mよりもよい単騎変化牌があまり見当たらない。
それに加え、ここはトップが何としてでも欲しい局面。ツモって跳満にする価値が非常に高く、すぐにでもリーチを打ちたい。

最終ツモ一巡前でツモると、裏が乗って倍満になった!

最終節が近づけば近づくほど、各者が上振れを目指して戦を仕掛けていく。これが規定半荘数が決まっているリーグ戦の醍醐味である。

東3局では、

稚児選手のリーチに対して、まさき選手は1000点のテンパイ。一発で跨ぎのダブル無筋をプッシュ。さらにもう1筋押し、

かわし切る。打点以上に大きなアガリ。

東4局はうめちゃん選手が満貫をアガり上位陣に追い付くと、南1局

親のみずきけい選手がピンフドラ1のテンパイでリーチ。

うめちゃん選手が待ちこそ悪いもののドラ4のテンパイ。

ここはみずきけい選手に軍配。

南2局

ここも2人の競り合いとなる。

稚児選手、チャンタに決め打ち、のちの9m待ちへの布石として8mを先切りする。最大打点を絶対に逃さない選択であり、手牌が悪い時の戦術として頭に入れておきたい。

うめちゃん選手、先制でピンフドラ2のテンパイを入れ、リーチ。

稚児選手、南を取っておいた甲斐があり、チャンタ三色ドラでテンパイ!
立直を打って跳満を狙う。降りている2者が手詰まりを起こした時には、7pが選ばれる可能性も考えられる。

しかしここはうめちゃん選手に軍配。トップ争いは三つ巴となった。

南3局1本場

南2局はまさき選手の2000点で稚児選手の親が流れ、南3局はうめちゃん選手と稚児選手の2人テンパイ。

まさき選手がここにきて超チャンス手の3面張テンパイ。

そこにうめちゃん選手が追いついたが、出る6mが一発でまさき選手に放銃となってしまった。

この満貫はトップを決めるアガリであり、さらにライバルの遊楽亭を3着に沈める非常に大きなアガリ。
オーラスは全員ノーテンで終了した。

トップはまさき選手。
2着にはみずきけい選手。
3着にはうめちゃん選手。
4着となってしまったのは稚児選手。

全20節が終了したときの理想的順位を全員が追い求めた結果、先制リーチが一人旅になる局面が少なく、それどころかほとんどの局面で2件リーチや押し合いに発展した。ここまでの攻め合いになった半荘は、私が見た中で初めてかもしれない。
18節目が終了した時点での成績はこちら。

大きなトップで50ptを稼いだ遊楽亭が準決勝進出ボーダーの10位に浮上した。ぽんてんLv47は首の皮1枚つないだ形。ここから最低でも2トップは欲しいところ。△100pt台のチームが4つあるため、準決勝進出争いは激しくなりそうだ。
2位以内のジャンプアップを狙っていたRIDECAT、Emperor Peng Inc.は今節マイナスで上位チームから離れてしまい厳しい結果に。
残り4半荘、上も下も白熱するΣリーグを、これからもぜひご覧ください。

今回の観戦記は以上となります。また是非ご覧ください!
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