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新人王戦振り返り②~ゲンバリを黙って一発ツモ逃し、結果論なの?~

こんにちは。髙倉 拓馬(天鳳ID:メタビート)です。
今回も、私が優勝した新人王戦の振り返りを行ってまいります。
良かったところも反省点も惜しみなく出していきます。なにか皆様の麻雀に良い情報をご提供できれば幸いです。ご意見も頂けたらと思いますので、ぜひご覧になってください!
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はじめに

対局の映像がこちらになります。(現在メンバー限定、ぜひSYC入会でごご覧ください!)
早稲田麻雀部の後輩@Owari_rouninに牌譜を作っていただき、こうして振り返りnoteを書くことが出来ました。
改めて支えてくれる周りの方に感謝致します。ありがとうございます。
坂本大志プロの解説も要所要所で入れさせていただきます。

2半荘目(3回戦)の指針

3回戦で残りは4半荘。この時の5者の点数状況が
丹+45.0
橋本+41.0
高倉+10.4
平山△47.9(抜け番)
箕浦△48.5

で、もうすでにフラットな状況では戦えないという認識。
特に丹、橋本のうちどちらかがトップの時には、自分が2着を取らないと厳しくなると思って戦いに入りました。

2半荘目(3回戦)

東2局 ドラを利用した鳴き読み


この1p切りは牌効率的に悪手。9mが頭固定されたも同然なので、8mの役割がありません。123の三色も消えてしまいました。打8mが良かったように感じます。


下家の橋本プロは北ポン打2m、1mチー打3s。
滅茶苦茶25sに見えるのですが、よく考えると怪しさ満点
ドラが5sなのでリャンメンが固定されるなら14mより25s側が固定されやすい印象があります。
では3sまわりに愚形があるのか?という検討なのですが、
・1sシャンポン、カン2sはない
・ドラシャボは打2m時、14mの両面固定よりも先にドラ5sのヘッド固定をする人の方が多そう。それか打1sの時点でリャンメン固定が入っても良さそう。
・カン4sは待ちの質が最悪レベルで、対子の質に応じてシャンポンにする人がいてもおかしくなさそう

以上の3点(もう少しあるが今回は割愛)から、橋本プロの待ちにかなりカン6sがありそうという結論に至りました。
したがっていったん打3sを選択。ツモ5s、7sで良化しながら6sを使い切れるプランを追いました。

南3局1本場 立直宣言牌、安全度vs打点、どっち?


親の箕浦プロからリーチがかかった一発目にテンパイ。リーチを打つのは確定として、宣言牌を1m、2mのどちらにするか?という問題。
打1mリーチは宣言牌の安全度が高いことが一番のメリット。通りやすい牌を打つことで、ほぼ確実にめくりあいに持ち込めるというのが大きいです。
打2mリーチは宣言牌の危険度が1mよりは高いですが、打点が8pの場合満貫、ツモでは跳満の可能性もあります。1mは共通安牌に困った他家から出る可能性も少しありそう。8pを親のリーチに対して止められるというメリットもあります。
ではこの2mがどれほど危険なのか?というところが、この議論のポイントでしょうか。
上家の宣言牌は4mなので2mは跨ぎ筋。危険に見えますが、ターツ払いが入っておらず、2番目の3~7牌。ただ形を良化させるために残った孤立牌やくっつきの可能性もあります。
宣言牌まわりは愚形をチェックする、というのが大原則ですが、2mが1切れのため若干低下。224ならカン3mに受けられている可能性もあります。
残り筋は12筋。愚形もかなり残っているので、この4mの放銃率は6%程度ではないでしょうか。それなら自分のアガリ率最大を目指して打2mリーチを選択するのが良さそうだと判断しました。


NAGAも割れています。ニシキが微差打1mリーチ、カガシが微差打2mリーチう。これはかなり難しい判断だと思いました。


©最高位戦日本プロ麻雀協会
カン8pに負け。
©最高位戦日本プロ麻雀協会
シャンポンはリーチ時全山でしたが、オナテンを引き負けてこの表情。
橋本プロも結構な顔をしています笑

南3局2本場 リーチの待ち選択、場況vsシャンポン、どっち?


ここはミス。ドラ6sを使えるように、ツモ5sのための頭を残す意図で2mを残しましたが、それよりもピンズ3メンチャンを残した方が良いという解析結果。
実際6sはリーチを打つ前であれば9sとスライドすることで回収できるので、これは考えすぎだったかもしれません。


立直の待ち判断。19牌が待ちに絡むなら大体シャンポンに受けて損はないのですが、
ペン7mが3者の場況良しで最強レベル
・下家がソウズホンイツ、ドラ6sなど、4sが悪く出づらい要素が揃っている
・頼みの9mが1切れ
のため、NAGAも判断が割れています。ニシキは微差打9mリーチ、カガシは大差打8mリーチ。
出やすさがあるため一概になんとも言えませんが、ここはペン7mの方がよかったかなと自分で思っています。

結局どちらもツモれていましたが、7mが全山でした。

南4局0本場 ゲンバリを黙って一発ツモ逃し、結果論なの?

箕浦プロから中ポン打2p。
河が濃いため、5mが当たって南が雀頭の3900を一瞬ケアして7pを打ったのですが、これはのちの検討で微妙だと判断しました。
南が雀頭だとするのであれば、おそらく1段目の時点で南と中のダブルバック。5mにチーの声がかかっていておかしくありません。
もし当たるなら、中しか対子が無く不安定と感じて25mをスルーしたケースが濃厚でしょう。それなら当たっても1000点。自分がラス落ちする可能性を考えれば、この並びでもそこまで悪くありません。自分は5mを打たないとほぼテンパイがありません。ここで打った方がよかったでしょう。


橋本プロからリーチがかかり、自分は9sが現物待ちのピンフのみテンパイ。
ここでリーチを打つか黙るかを考えます。
立直を打つメリットは
・今橋本プロとスコア上のライバルであり、打点を上げて2着率を上昇させたい

これが大きいです。
デメリットは
・アガリ率がかなり下がるイメージ
・打点を上げるといっても現状は1500➝2900で、本当に見合う?
というのがあります。

橋本プロが何でリーチを打っているのかを考察してみると、
・満貫ツモ条件を満たすようなリーチ
に加え、
2着維持目的の役なし良形率高めリーチ
がかなり入ってきます。ドラが南でその南を打っているため、役なしの割合は相当上がるでしょう。
そう考えると、ここで黙っておけば、万が一橋本プロに放銃しても役なし裏1の2600までなら3着を残せる、これは黙るメリットとして非常に大きいと感じました。

丹プロがソウズのホンイツに見える進行を取っているため9sの対子所持率もそれなりにあり、この1巡の9s和了率を高めて局を終わらせたいところ。丹プロから1500をあがればラス回避はかなりできそうで、700オールも橋本プロより1300点上に立つため、箕浦プロのツモあがりで親被りして3着落ち、も少なさそうなのでダマを選択しました。

©最高位戦日本プロ麻雀協会
立直していれば一発ツモ…。


©最高位戦日本プロ麻雀協会
あがっているのにこの顔。
敗着にならないでくれ、そう祈っていました。


NAGAは2タイプともかなりダマ。
これだけダマ優位なのであれば、いくら優勝の価値が莫大すぎるワンデータイトル戦の決勝といえどもダマにした方が良さそう、おそらく結果論である、そのように僕の中では結論付けています。


結局この半荘はこの6m入り目で満貫をアガりトップ。
9sがどうだったか、休憩中も少し引きずっていました。
でも並びは最高。優勝率が上がった、その実感もありました。

今回の検討は以上となります。
すぐに3半荘目の反省もアップしていきますので、良ければぜひご覧ください!

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