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『シン・仮面ライダー』や『ゴジラマイナスワン』などの考察のまとめ,2024年9月9日


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注意


これらの重要な展開を明かします。特に、PG12指定の映画『シン・仮面ライダー』及び進行中のその漫画版にご注意ください。

漫画

『真の安らぎはこの世になく シン・仮面ライダー』

『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』

特撮映画

『シン・ウルトラマン』
『シン・仮面ライダー』
『ゴジラマイナスワン』

特撮テレビドラマ

『仮面ライダー』(1971-1973)

小説

『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』(web原作,書籍)

『ゴジラ-1.0』

『シン・仮面ライダー』の滝や『シン・ウルトラマン』

 『シン・仮面ライダー』漫画版で、「政府の男」である立花と、「情報機関の男」である滝が登場しました。
 立花と滝はルリ子達に会う前からそう呼び合っていたことも分かります。
 また、「ショッカーのテロが目前に迫っている」という表現が、すでにバッタオーグとクモオーグの戦いのあとにされているのは、クモオーグの行いはまだ「内部の争い」で、外部への「テロ」とはみなされていなかったようです。
 ちなみに、『空想科学論争!』では、原典のショッカーは犯行声明を出さず、自分達の存在を秘密にしており、そもそも民衆の利益を何も代表していないので支持を求めようがなく、テロリストには当たらないという趣旨の記述がありました。

 なお、上司の立場の立花より、ショッカーのことは、「インテリジェンスたる」滝の方がよく分かっているとのことでした。
 滝に『シン・ウルトラマン』で対応する神永も、単独行動が多かったことや、序盤で指揮官でありながらわざわざ子供を保護に向かったのが、「個人的に何かを調べていたのではないか?」と私は考えていたので、滝が何かの鍵を握るのかもしれません。

 また、滝の本郷への第一印象は、戦ったあとセーフハウスに行く前にコンビニに寄り飲み物を買うのを「悠長ですね」と言うところでした。また、本郷には組織の知識はこの時点でありませんでした。
 滝が「情報機関」、つまり諜報のプロであるのに対して、本郷は「頭脳明晰」、「スポーツ万能」だとしてもあくまで一般人だという対比なのでしょう。
 

漫画版での補完

 仮面ライダーである本郷猛が、戦いのあとにコンビニに寄るというのも印象的ですが、漫画版は本編に比べて、ネットの暴露配信やオーバードーズ、アプリゲーム依存などのある種「俗」な面が強調されているようです。
 しかし、30人近くの人間を大量出血させるほどの殺戮をしたあとの本郷猛が、セーフハウスで特殊な洗浄も出来ないうちにコンビニに寄れば、様々な痕跡が残る可能性もあります。
 『シン・仮面ライダー』のショッカー構成員のうち、集中線の仮面をした下級構成員の遺体がどうなるか曖昧ですが、少なくともバッタオーグの返り血などから、飛び散った血液まで全て泡になるわけではないようです。
 すると、何も知らない人間からみれば、クモオーグやコウモリオーグの方が危険なことをしていたことが分からず、バッタオーグによる殺人の痕跡が現場に残ることになります。
 何も知らない警察官などが、現場の血液や本郷がコンビニに入ったところなどを調べて、原典のルリ子のように誤解するかもしれません。
 その辺りを立花や滝がどう調整するかの問題もありそうです。
 なお、本郷とルリ子がコンビニに寄るのを車で見ていた滝と立花がセーフハウスに先回りしていたので、本郷のサイクロンは車を超える速度でセースハウスにまで向かわなかったのかもしれません。
 この辺りの描写の抜かし方も気になります。
 また、コウモリオーグの戦いも始まるようですが、ルリ子が彼の研究を「馬鹿にした」というのは具体的に何だったのかも気になります。
 ルリ子はバッタオーグの周りからプラーナという生命エネルギーを奪うのを、「本来の目的の食糧危機の解決にはならず、全員が装着しても奪い合いになるだけ」と否定したので、その辺りにコウモリオーグの「弱者の淘汰」への批判の鍵もありそうです。

『ゴジラマイナスワン』と『シン・仮面ライダー』の新たに思い付いた共通点

 ちなみに、『ゴジラマイナスワン』と『シン・仮面ライダー』の共通点として、2つ思い付いたのは、序盤で多数の人間が、人間離れした存在に殺されることと、終盤での敵が、接近戦を面倒がり行った特殊な攻撃が裏目に出るらしいことです。

 序盤でゴジラの前身と、仮面ライダーと名乗ることになるバッタオーグが多数の人間を殺戮するところが似ています。
 『ゴジラマイナスワン』では、「虫けらみたいに殺された」と表現され、それが『シン・仮面ライダー』との対比かもしれません。

 また、ゴジラは重巡高雄はともかく、数キロ離れて、国会議事堂からおそらく動きにくかったであろう戦車にわざわざ熱線を放ち、そのあとも無防備な駆逐艦に熱線を撃ち、再生に時間をかけています。
 遠距離の相手に、接近して直接破壊すれば済むときに熱線を使いかえって破滅を招いたところがあります。
 『シン・仮面ライダー』のイチローも、チョウオーグとして、自分を妨害する本郷を排除するときに、「切った、張ったは面倒だ」と同じバッタオーグの一文字隼人に任せたことで、かえって彼を敵に回して不利になっています。
 その意味で、『ゴジラマイナスワン』と『シン・仮面ライダー』は、ゴジラとオーグメントの比較の余地もありそうです。

漫画版で描かれなかったこと、通じなかったこと

 ただ、漫画版で「僕の名はライダー、仮面ライダーと名乗らせてもらう」という言葉が描かれず、それにクモオーグ側のイワンやK.Kオーグがどう反応したかも曖昧でした。
 また、クモオーグの感情をイワンは「獣としての死に場所を探している」と表現したものの、クモオーグの真意は「私は私という人間を葬りたい」だったので、結局、それなりに味方思い、あるいは自己犠牲も視野に入れ、自分以外の「絶望」も認識しているはずのイワンですら、クモオーグを「真に理解する」ことは出来なかったことになります。

『ギフト無限ガチャ』の「最強」のほころびである連絡不足

 『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』(以下『ギフト無限ガチャ』)のweb原作で、これまでほぼ「最強」級の力で敵を圧倒して来たライト達が、これまでより強い敵に手を煩わしているところもあるようです。
 その1つが、引き離されて連絡が取れないことです。
 これまでは、電波通信のような「念話」のカードが容易に主人公達に使えたものの、それが他の勢力には少ないようだったので、圧倒的な利点だったようです。
 また、漫画版のおまけでは、ライトの妹のユメを働いている王城から連れ出そうとしたとき、ライトに忠誠を誓う部下達が勝手に「ユメ様が虐待されている」と思い込み、うわさに尾ひれが付いて、ライトが「連絡の重要性」を考えていました。
 独裁政権で、自国に都合の良い情報ばかり流すという状況に似ているかもしれません。
 それがあくまで「主人公側の強さと連絡不足の勘違いが周りを圧倒する」文脈だったのが、web原作ではついに、「主人公達も実害が出て困る」ところになったようです。

『ギフト無限ガチャ』と『ゴジラマイナスワン』

 『ギフト無限ガチャ』のように、主人公側が圧倒的な能力で苦労せずに勝ち続ける「無双」などの要素は、近年の物語で増えているようですが、批判もあるようです。
 しかし、現代日本の不景気や閉塞感では、そのような物語が好かれる、というより物語でぐらいそのようなものを見たいという願望もやむを得ないのかもしれません。
 『ゴジラマイナスワン』では、敗戦間際の日本に特攻を命じられて逃げた主人公の敷島に、「良いんじゃないですか、あんたみたいのがいたって。死んで来いなんて命令、律儀に守ったってこの戦争の勝敗はとうに見えてる」と言う人間がいました。
 『ギフト無限ガチャ』などの「無双」、「チート」の物語を、現代日本では、「良いんじゃないですか、こんな話があったって。この不景気に努力しろなんて話に律儀に従ったって、どうなるかとうに見えてる」という閉塞感があるのかもしれません。
 しかし、敷島はのちに「この恥知らず!」と民間人に言われており、「俺の戦争がまだ終わっていない」と、特攻から逃げて、ゴジラの前身を撃てなかった苦しみに向き合うために戦いを挑んでいます。
 現代日本の特撮ではまだ「無双」と言える要素はないようですが、そのような物語を見たがるほど無力感や閉塞感に苦しむ日本人の状況に、どう折り合いを付けるかが重要かもしれません。
 『ギフト無限ガチャ』は、不思議なほど『ゴジラファイナルウォーズ』に似ていると以前書きましたが、『ゴジラマイナスワン』にも何かを見出せるかもしれません。

2024年9月9日閲覧

 『ファイナルウォーズ』の題名が「戦いを終わらせる」と解釈され、その結末が、ゴジラとの戦いをやめた上で「新しい戦いが始まった」とまとめられるならば、『マイナスワン』は「主人公が終わらせられなかった戦争を終わらせる」意味合いもあるようですし。


参考にした物語


漫画

山田胡瓜,藤村緋二,石ノ森章太郎,庵野秀明,八手三郎,2023-,『真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE』,集英社

作画/大前貴史,原作/明鏡シスイ,キャラクター原案/tef,2021-(未完),『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,講談社

特撮映画

樋口真嗣(監督),庵野秀明(脚本),2022,『シン・ウルトラマン』,東宝
石ノ森章太郎(原作),庵野秀明(監督・脚本),2023,『シン・仮面ライダー』,東映
山崎貴(監督・脚本),2023,『ゴジラマイナスワン』,東宝
北村龍平(監督),三村渉ほか(脚本),2004,『ゴジラ FINAL WARS』,東宝(配給)

特撮テレビドラマ

石森章太郎(原作),竹本弘一ほか(監督),伊上勝ほか(脚本),1971-1973,『仮面ライダー』,テレビ朝日

小説

明鏡シスイ,tef,2021-(未完),『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,ホビージャパン

明鏡シスイ,『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,小説家になろう(掲載サイト)
https://ncode.syosetu.com/n9584gd/
2024年9月9日閲覧

山崎貴,2023,『小説版 ゴジラ-1.0』,集英社オレンジ文庫

参考文献

柳田理科雄,1999,『空想科学論争!』,扶桑社


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