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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

これまでの記事で書かなかったことのまとめ,2024年6月26日


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注意

これらの物語の重要な展開を明かします。特に、PG12指定の映画『シン・仮面ライダー』にご注意ください。

漫画

『真の安らぎはこの世になく シン・仮面ライダー』
『マンガで分かる心療内科』
『マンガで分かる心療内科 アドラー心理学編』
『マンガで分かる心療内科 うつを癒す話の聞き方』

特撮映画

『シン・ウルトラマン』
『シン・仮面ライダー』

アニメ映画

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

イチローとリピアー

 『シン・仮面ライダー』と『シン・ウルトラマン』を比較考察してふと考えたのは、イチローとウルトラマン=リピアーについてです。

 イチローが2人分のプラーナ=魂しか残れないマスクに、ルリ子と本郷を生かすために犠牲になったのは、ある意味でウルトラマンが神永を生かすために分離したようなものかもしれません。

 『シン・仮面ライダー』の前日談の漫画版の主人公のイチローが、本編で『シン・ウルトラマン』の主人公のウルトラマンに近いことをしたのは、何か対応の余地があるかもしれません。
 また、リピアーが融合した人間の命を保つために弱体化していたのは、クモオーグが本郷の「ヒトに戻るためにエネルギーを放出するのは愚か」と言ったのに近いかもしれません。
 リピアーも神永と融合したからこそ行動しやすくなった面もあり、クモオーグは漫画版で、ヒトの姿に戻れないからこそ飛行機に乗りにくいときがありました。

『シン・仮面ライダー』続編の予想

 『シン・仮面ライダー』本編の続編の気配が現X、旧ツイッターで見えて来ましたが、現在気になるのは、ショッカーの死神グループがまだ残っている可能性、そこからどのようなオーグメントが現れるかです。

 昆虫のオーグメントは基本的に人間に戻れる形態が多いのですが、死神グループはコウモリ、サソリ、クモなどの他の動物を扱い、戻せないようなので、その辺りが伏線になるとも考えられます。

 また、漫画版と本編の間に何をしているか分からないのは綾小路であり、彼女がコブラオーグなどにかかわるのか、本編の前にすでに命を落としているのか気になります。

『マンガで分かる心療内科』の自己矛盾

 『マンガで分かる心療内科』で、「誤解を恐れずに言えば、許せないのは本人のせいなのです!」と言っていましたが、そのとき大介が非常識な飲食店を開いてクレームを恐れるときに励ましているとも取れるものの、それと矛盾する描写も11巻にありました。
 11巻の終盤で、娘のあすながニートである父親の大介を「どうしても許せない」と言っているのです。これも、あすな本人のせいということになるのでしょうか。もちろん劇中であすなの性格に問題がないとは言えないのですが、働いているだけ大介よりはましなはずであり、「許せないと答えた人間ほど性格が悪い統計があった」という話の例外のはずです。

 また、『マンガで分かる心療内科』で心内は、「あなたは1年前の悩みを覚えていますか?」と問いかけ、「たいていの人は忘れている」として、「時が経てば悩みはどうでも良くなっていることが多い」と主張しています。
 そのときの反例のいやしの未婚の問題はともかく、これにも劇中で反例があります。他ならぬ心内が、宇宙旅行に行くときに、幼いときの失恋に近い苦い「悩み」を思い返しているのです。
 それは心内に限った特殊な例外とも言えず、結局、『マンガで分かる心療内科』は多種多様な人間の「心理描写」が、「心理学」の理論や主張と噛み合わないことが多いのです。
 私がしたいのは揚げ足どりではなく、「許せないのは本人のせい」、「悩みなど時が経てばどうでも良くなっている」、あるいはアドラー心理学の「トラウマなんて存在しない」という主張で、苦しんでいる人間に強引に前向きにさせる主張が、心内やあすなも苦しめる自己矛盾すら起こしているということです。
 大介のような人間を許せないのは一般的な倫理で妥当かもしれず、何年も前の悩みを思い出すのも正常かもしれません。

 強いて説明すれば、いやしの未婚や大介の無職の問題は、あすななどにとって、「現在も続いている、実害の残る悩み」であり、それを「過去に起きた、現在に直接実害はない悩み」と区別すれば多少は整理出来るかもしれません。

『シン・仮面ライダー』の世界で上手く行っていたこと

 『シン・仮面ライダー』漫画版のイチローは、プラーナが嘘をつけない「ハビタット世界」に来て、「現実は出来ることに限りがあり、苦しんでいる人がおり、何でも願いが叶わない」と子供の姿で嘆いて母親にすがっていますが、そこにイチロー独特の要素があります。

 暴走して殺人をしたとはいえ、その前まで政治の世界で出生率などそこそこの成果を出していたイチローは、「何も出来なかった」のではないのです。
 また、他人の不幸にもかなり苦しんでいます。

 それだけ、少なくともイチローは節度のある人間で、嘘をつけない世界でもそのように苦しむ人間だったと言えます。

 自分の不幸にかかわらない周りの幸せに一方的に暴力を振るう、その直前の殺人犯とは異なったはずです。

 また、ルリ子のモチーフとも考えられる、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の綾波レイは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で「ごめんなさい。何も出来なかった」と言っているものの、それよりイチローやルリ子はましな成果を挙げていたとも考えられます。

ハチオーグのフェアプレー

 『シン・仮面ライダー』のハチオーグ=ひろみは、バッタオーグ=本郷に追い詰められて、蹴りを外されたときに、本郷が変身解除すると、自分も解除して「このまま勝てたのに何故?」と言っていますが、自分も解除しなければそれこそ「このまま勝てた」と言えます。ハチオーグが逃げることだけ考えていれば、本郷の変身解除を利用することは出来たのであり、その意味である種の「フェアプレー」の精神はあったのでしょう。


参考にした物語

漫画

山田胡瓜,藤村緋二,石ノ森章太郎,庵野秀明,八手三郎,2023-,『真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE』,集英社
ゆうきゆう(原作),ソウ(作画),2010-(発行期間,未完),『マンガで分かる心療内科』,少年画報社(出版社)
ゆうきゆう(原作),ソウ(作画), 2017,『マンガで分かる心療内科 うつを癒す話の聞き方編』,少年画報社(出版社)
ゆうきゆう(原作),ソウ(作画),2014(発行),『マンガで分かる心療内科 アドラー心理学編』,少年画報社(出版社)

特撮映画

樋口真嗣(監督),庵野秀明(脚本),2022,『シン・ウルトラマン』,東宝
石ノ森章太郎(原作),庵野秀明(監督・脚本),2023,『シン・仮面ライダー』,東映

アニメ映画

庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2007,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2009,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),摩砂雪ほか(監督),2012,『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』,カラーほか(配給)
庵野秀明(総監督・脚本),鶴巻和哉ほか(監督),2021,『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』,カラーほか(配給)


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